Wednesday, October 31, 2012

ハロウィン・パレード

今日は恒例のハロウィン・パレード。6月のプライド・パレードに続きシカゴの名物パレードのひとつで、わたしの住むNorth Halstedのボーイズ・タウンがまたまた脚光を浴びる日だ。年々規模が大きくなり、コスチュームも本格的になる一方。また今年は大統領選が近いせいか、政治的な風刺を表現して笑いをとっている人も目立つ。いずれにしても奇をてらった様々なコスチュームや凝ったメイクアップには感心するばかり。真面目にアイディアを練って計画的に準備しなければ、なかなかこうはいかないぞと思うと、ハロウィンはアメリカが1年で最も真剣にふざける日だとも言えるかな。

沿道のパレード見物客も様々なコスチューム
お化け楽団
お化けバスも通る
大統領選討論会でロムニー知事がセサミストリートをバカにしたことで
対立するオバマ大統領支持者の間で一躍スターになったビッグ・バード
今年のハロウィンの人気キャラのひとつ
ボーイズ・タウンなので美しいお兄さんたちもたくさん
ボーイズタウンなので...
プロのコメディアンっぽい人も
メディカルものは定番ですね
メディカルものはね
こんな人たちが普通にバーで飲んでるのがハロウィン
今日は輪タクもハロウィン・バージョン

Tuesday, October 30, 2012

ハリケーン・サンディ

ハリケーンによるフライトのキャンセルを恐れて予定を1日繰り上げて退散したニューヨーク。やはりスーパー・ストーム・サンディの直撃で、ローワー・マンハッタン沿岸部は水浸し。洪水・停電・火災など大変な被害をもたらしている。ちょうどハロウィンの週なので、フランケンシュタインをもじってフランケン・ストームなどとふざけて呼ばれていた嵐、実際はフランケンシュタインよりももっとうんと怖いものだった。冠水した地下鉄は今のところ復旧のメドがたっておらず、飛行機も1万を超える便が欠航だって。しばらくは街全体の麻痺状態が続きそう。幸いわたしのニューヨークの友人たちは、電気がなくても元気にいそいそフェイスブックをアップして状況を知らせてくれているけれど、この大がかりな天災、少~し光が見えてきたかと思えたアメリカ経済にも少なからず打撃を与えるのだろう。オバマさんの危機対応も大統領選に影響するよな~。

ところでこのサンディさん、豪雨は起こさなかったもののここシカゴでも、レイクフロントに強風と高波による洪水警報をもたらした。警報が出てることを知らずにレイクサイドにジョギングに行ってしまったノー天気なわたしは、強烈な向かい風に体が全然前に進まないという漫画みたいな状態に。笑い事じゃないけどね。幸い洪水も起こらず、わたくしも無事でした!

洪水警報の出たシカゴ・ミシガン湖畔の遊歩道は立ち入り禁止になっていた

Sunday, October 28, 2012

CSO + Art Institute

シカゴ・シンフォニー・オーケストラシカゴ美術館のステキなコラボは「オーディオ・ビジュアル」と名付けられたChamber Music Series。第1回目の今日は、東洋のインスピレーションがテーマ。「オーディオ」にあたる部分は、ゴージャスなティファニー・ステンドグラスの天井がある美術館小ホールで、シンフォニーのメンバーによる室内楽コンサート。マレーの詩の形態から構成を真似たというラヴェルのピアノ・トリオとフォーレのピアノ・カルテットは、日曜の午後にぴったりの肩のはらないクラシックだ。「ビジュアル」にあたる部分は、美術館のジャパン・ギャラリーにて学芸員のガイドによる広重や北斎の鑑賞と、日本の木版画に魅せられそれらを大量に所有していたフランク・ロイド・ライトに関するミニレクチャー。この音楽と絵画をいっぺんに楽しめるお得なイベントは、毎回テーマを変えて来年5月まで5回に渡って行われる。2回目以降もとっても楽しみだ。

コンサート中は撮影できないので、これは始まる前のステージ
天井のステンドグラスが豪奢な美術館のFullerton Hall

ハロウィン・ウィークエンド

あたたかくて過ごしやすかった紅葉真っ盛りのニューヨークから帰ってみると、シカゴは木枯らし、紅葉も最後の瞬間を迎えている。それでも10月最後の日曜日は楽しい楽しいハロウィン。寒さにめげず町内会では子どもたちのトリック・オア・トリートを盛り上げる。通りはフランケンシュタインやらお姫様やらが歩き、公園も愉快な飾りつけ。毎年めぐってくるこの妙ちきりんなお祭りは、何度やっても笑っちゃう!

Saturday, October 27, 2012

9/11メモリアル

あの大惨事から10年の歳月をかけ、昨年の9/11にオープンしたワールド・トレード・センター跡地にできたメモリアル・パークへ。世界を代表する建築家たちのコンペを経て実現したこの公園は、植樹されたばかりの整然とした街路樹とまだ建設中のビジターセンター、そしてツインタワーが建っていた敷地には、実際のビルと同じ面積のとてつもなく大きな滝の慰霊碑が2つ。厳重なセキュリティを通って入場するまでの長い行列では騒がしくおしゃべりしている観光客も、ここまで来るとさすがに神妙に押し黙るので、公園内の空気は滝の水音だけになる。滝の周囲にはあの日に亡くなった3000を超える人々の名前が。名簿は脇のコンピューターで検索できるので、どこに誰の名前が刻まれているかピンポイントで見つけることもできる。WTCには日本の大きな会社もいくつか入っていたんだよね。日本人の名前もたくさん。セキュリティ上の理由から、花やギフトなどのお供えは禁止されているそうだけれど、それでもいくつかちらほらと花が添えてある。そして敷地内に分散して警備しているものすごい数の警察官も、それらのお供え物を取り除こうとはしないのだ。そりゃそうだよね、できないよ。たくさんの人の無念の思いに胸が締め付けられて言葉が出ない。

余談だけれど、職業柄こういうモニュメントを見ると、ひとりでも名前が抜けてたらとか、スペルが間違っていたらとか、そうして見つかった間違いを直す行程とか、制作側のプロセスのあまりの大変さが見えてしまって気が遠くなる。11年前にここで命を落としたたくさんの人たちの冥福を祈るとともに、この悲劇を忘れないために、すべての意見に耳を傾けすべてのディテールに気を配って、企画から制作に関わった多くの有名無名のプロフェッショナルひとりひとりにも、その努力と忍耐に賞賛を贈りたい。

建物があったその場所にその大きさで作った
四方から滝の落ちる大きな池の慰霊碑
日本人も含むたくさんの名前に言葉を失くす
この人にはどんな人生があったのだろう。涙を誘う星条旗と花

ワシントン・スクエア

ワシントン・スクエアはマンハッタンのダウンタウン、グリニッジ・ビレッジにある公園。周辺は人気ドラマ「Glee」の最新シリーズの舞台にもなっているニューヨーク大学(NYU)のキャンパス。公園のシンボル凱旋門は、80年代の映画「When Harry Met Sally」でビリー・クリスタル演じるハリーとメグ・ライアン演じるサリーがシカゴからのロングドライブの終点として別れる舞台となった場所でもある。NYU+グリニッジという自由で気ままな雰囲気の場所柄、週末の公園は地元の人々に加えて多くのストリートパフォーマーで賑わう。音楽、お芝居、スタンディング・コメディなど、な~んでもあり。ただ通り過ぎてしまうのはもったいなくて、つい座り込んで見入ってしまうくらいそのクオリティも高いのだ。紅葉に染まる美しい秋のニューヨーク。ストリート・ミュージシャンのジプシー・ジャズをBGMに、ワシントン・スクエアはまるで映画の中の風景のようだ。

ハリーとサリーが別れる凱旋門
凱旋門下に置かれたグランドピアノで
通りがかりの女の子が素晴らしい演奏
まるで映画のようなジプシー・ジャズ
ミュージシャンも楽しそう
こちらは「ロミオとジュリエット」
公園中央の水を抜いた噴水池の中をステージに
黒人6人組のインプロブ・パフォーマンス。
楽しい話術とアクロバティックな身体芸で
みるみるうちに観客の数が膨らんでいく
こんな賑やかな公園でもベンチにはゆっくり読書する人たちが
秋のニューヨークは紅葉真っ盛り

バスタ・パスタ

ニューヨークに来るといつも足が向くお店バスタ・パスタ。原宿にあった同名のイタリアン・レストランのマンハッタン支店だったのだれど、本店のほうはとっくに閉店してしまったそうで、今は誰がオーナーでどういう形態で営業してるのかなぁ。でも今でもキッチンもフロアも、とにかくスタッフは全員日本人。もちろんニューヨークには本格的な美味しいイタリア料理がたくさんあるだろうけれど、日本人向けにアレンジされたここの料理はハズレがないし、店のサイズやオープンキッチンの作りもなんとなく居心地がいい。でもここに来る理由はそれだけじゃない。「ここでバイトしながらダンスの勉強をしてるんです!」みたいな元気な若者に会えるのもこの店の魅力。90年代から比べると圧倒的に日本人の数は減ってしまったけれど、それでも夢を追って、世界の才能の中で自分を伸ばそうと日本を飛び出して来る若者たちがこの街にはまだたくさんいる。そんながんばっている若者たちの心地よい活気がこの店には満ちていて、なんだかわたし自身も元気をもらえるような気がするのだ。

土曜のランチタイム。お客さんも日本人が多い
大きなパルメザン・チーズの器の中でパスタを和えてもらうと....
....パルメザン・チーズと生ハムのパスタになる
こちらは生ウニのパスタ。リッチだけど美味!

Friday, October 26, 2012

Somethin' Jazz Club

金曜の夜だし、ニューヨークだし、やっぱりここはジャズでしょう! かといって事前にライブ情報を調べていたわけでもなく、有名クラブにおしゃれして出かけていくエネルギーがあるでもなく、ホテルから歩いて行けるクラブをiPhoneで検索して行ってみただけなんだけれど、偶然にもMihokoさんという日本人ピアニストが率いるカルテットの演奏に遭遇。なんとこのお店Somethin' Jazz Clubのご主人も日本人だったのだ。メニューには寿司もあり(階下の寿司バーからとると書いてあったけど)。ニューヨークのジャズシーンも変わりつつあるのだなぁと、なんだかちょっと複雑な気分になった。しかしながら、大きな黒人のジャズマン3人を率いてバンドをリードするMihikoさんには脱帽。素晴らしい演奏もさることながら、ちょっと見華奢な普通の女の子なのに、きっとすごい努力と根性でここまでやってきたのだろうと、その苦労を思うとちょっと泣けてきちゃう。なんだか人ごととは思えず、がんばれ、がんばれ、と演奏中ず〜っと思ってしまった。こんなところでも日本人はがんばっている、わたしもがんばんなくっちゃと、ジャズでリラックスするつもりの1日の終わりに、なんだか凄い励まされてしまったのだ。

Morimoto

さすがにもう新しいとは言えなくなってしまったけれど、チェルシー・マーケットに入っている噂の鉄人レストランMorimotoに行ってみた。ハリウッド映画を製作するのと同じくらいお金がかかったという店内は、安藤忠雄さんの設計。水の入った大量のペットボトルで作った壁面が、光の反射を受けてキラキラするのは圧巻だ。何もかもが仰々しく、なんだかちょっと一昔前っぽくて笑っちゃう。こういうのが、日本食が大好きって言い張っちゃうアメリカ人エグゼクティブには、いまだにウケるのかしら。日本食を食べたいって思って行くとがっかりするかもしれないけれど、日本食をアレンジした創作料理の数々はどれも美味しく、プレゼンテーションも凝っている。そして予想通りお値段もなかなかのもの。まぁ、話のタネに1回行ってみるといいでしょう、ということで、楽しませていただきました!

ちょっと漫画っぽい、笑っちゃうほど巨大な暖簾がお出迎え
右側の光る壁がペットボトルのオブジェ。
安藤忠雄さんらしいコンクリート打ちっ放しの柱が巨大な空間を支え、
天井は細かく波打つファブリック
Morimoroのシグニチャー・ディッシュはまぐろの中落ち
中落ちをもんじゃ焼きに使うへらに貼り付けて出汁醤油にディップし、
お好みの薬味を加えていただく
薬味は手前から、わさび、サワークリーム、江戸むらさき、
チャイブ、ワカモレ、あられ
遊び心のある楽しい一品です。美味しいし。31ドル、高いけど。
お刺身Morimotoコンビネーションは、ちょっと創作し過ぎだ〜
シーフードの陶板焼きは美味しかったですよ〜
ロブスタービスクの効いたスープが絶品!

チェルシー・マーケット

ニューヨークに来るグルメさんたちは必ず立ち寄るんだそうだ。もともとはナビスコがオレオ・クッキーなどを製造していたビルなのだけれど、再開発によるチェルシー地区の活性化とともに大規模なリノベーションを経て、1階部分がスタイリッシュなマーケットとして生まれ変わったというもの。通路や壁の装飾も、各テナントの前に置かれたテーブルやイスも、普通のスーパーとはひと味違うモダンでおしゃれな店内となっていてる。おしゃれなだけじゃなくて、食品の質もかなり本格的な感じ。シーフードのネタは新鮮そうだし種類も豊富で、観光地にありがちなぼったくり的な値段がついているわけでもなく良心的。他にもお肉、ワイン、チーズ、パン、花などを売るお店が軒を並べ、これらのお店のほとんどがザガットで紹介されているレベルなので、ほとんどハズレはないという話しだ。ここに住んでたらなぁ、いろいろ買って試してみたいものばかりだ。

ミート・パッキング・ディストリクト

やはり再開発地区。その昔精肉工場が建ち並んでいたためにミート・パッキング・ディストリクトと名付けられ、よく見ると今でもお肉やソーセージの卸業者などが何軒もある。20年くらい前はかなり物騒な場所で、夜になるとものすごい格好をしたストリート・ガールが立っていたらしいけれど、今では有名ブランドのショップやセレクト・ショップ、そしてカフェ、レストラン、バーなどが続々と並び、アップル・ストアまである。今一番ホットなジーンズはこのエリアから発信、と言われるほど、ビレッジやソーホーから「若者の集まるエキサイティングな街」のレーベルを奪ってしまった感ありのエリアなのだ。夜遅くまでいなかったからわからないけれど、クラブやバーは連日行列が出来るほどだというから流行って凄いねぇ。石畳の道がいい雰囲気で、高い建物もないので、ニューヨークにしては空を広く感じるエリアでもある。

High Line

ウエストサイド・チェルシー地区の空中公園High Lineは、廃線になった列車の高架橋をリノベーションして公園にしようという、ニューヨークで注目されている都市再開発プロジェクトの1つ。2年前に訪れた時はまだオープンほやほやで、ミートパッキング・ディストリクトから20th Streetまでの第1フェイズが完成したばかりだったけれど、今回は34th Streetまで延長された北端の入り口から入り、ずいぶんと草木も成長した公園を歩いた。、非営利団体が運営するこの公園、企画やデザインはプロボノ、ファンドは個人やコーポレートの寄付だけでまかなわれている。普段ここで働く人たちももちろんボランティアだ。ローカルのビジネスやコミュニティを巻き込んでのさまざまなサポート・プログラムやキッズ・プログラムなども開発され、サステイナブルな都市再開発のモデルとして勉強させてもらえることが多い。高架下の暗がりから光りの中へ吸い込まれて行くような階段。大都市なのに広い空。さまざまな角度から眺めるニューヨークの街。随所に置かれたベンチや沿道の看板、ストリート・アートなどもいちいちおしゃれなのだ。まだまだ延長される予定のこの空中庭園、これからも目が離せないニューヨークの新名所である。

High Line南端の階段出入り口。
高架がストーンと断ち切れているのがおもしろい
曇り空が残念だけれど、ニューヨークは秋の紅葉全盛期
線路もそのままオブジェとして残っている
ボードウォークも線路を生かした設計
高架から見下ろすチェルシー地区のカラフルなギャラリー街
街のビルボードも目の高さに
エンパイア・ステート・ビルも見える
劇場のスクリーンを通して街を観るよう、シアター風に設計された広場
ボードウォークの脇に作られた階段状のベンチは
マン・ウォッチングに絶好の場所
まるで遺跡のような古い倉庫の煉瓦壁はダイナミックで美しい
迫力ある壁画アート
いかにも人が窓から覗いているように見せた、ウインドー・アート
周辺民家もベランダをアーティスティックに装飾
ビルを通り抜けるトンネル内には、
コーヒー・ショップや様々なストリート・ベンダーたち
沿道のジャンベ・プレイヤー