Tuesday, November 27, 2012

ギビング・チューズデー

ブラック・フライデースモールビジネス・サタデーサイバー・マンデー、と来れば火曜日だって何かなっくちゃ。今年発足したばかりという「ギビング・チューズデー」は、ショッピングもさることながら助け合いのシーズンでもある歳末に、募金やボランティアなどで非営利団体を支援して平和や人道的意識を高めようというキャンペーン。非営利団体であるウチの職場でもギビング・チューズデーの今日、支援してもらった寄付者やボランティアの人たちに手書きのサンキューカードを送ろうという企画がスタッフの間で持ち上がり、わたしも忙しい合間を縫って1通だけ書いてきた。そう、自分のショッピングもいいけれど、支援を必要としている人たちが少しでもあたたかいクリスマスを迎えられるように、ユガンダに、福島に、あるいは世界のどこかに、思い馳せる日があってもいいかもしれない。連休中のアメリカの商業主義にはちょっとうんざりしてたけど、こういう寛大で厚情なところもまたアメリカだよなぁと、見直してみたりもするのである。さてこうなってくると、明日の水曜日には何が出て来るのか。気になってきたね。

Monday, November 26, 2012

サイバー・マンデー

いい加減にしてもらいたい。クリスマス・ショッピングが公式に始まる大型連休。大型店舗やモールに買い物客が集中するアフター・サンクスギビングのブラック・フライデー。大型店舗やモールに取られた買い物客を個人経営のローカル・ショップに呼び戻すのはスモール・ビジネス・サタデー。そして連休が明けたと思ったら、今日月曜日は「オンラインで買い物しましょう」サイバー・マンデーだって! 朝から「これが安い!」「オンラインのみ20パーセント・オフ!」「いくらになるかはここをクリック!」と、ジャンクメールがうるさい、うるさい。もう買わないよ、買わないんだよ、と思いながらついアマゾンのブックマークをクリックしてしまいそうになる自分....やめろ〜!!

↑結局クリックしてるし....

Sunday, November 25, 2012

冬のGethsemane

夏にはガーデニングでお世話になるGethsemane Garden Centerも冬にはちょっとご無沙汰になってしまう。でもここもクリスマスに向けて今は充実の品揃え。特に温室。定番のシクラメンやポインセチアは、そこいらのスーパーで売っているのとはくらべものにならないくらい新鮮でしっかりとしているし、バラエティに富んだその他の鉢植えの観葉植物もたくさんあって目移りしちゃう。クリスマスのオーナメント類もターゲットやウォルグリーンものに比べたら、ずっとおしゃれ。そして屋外には広い敷地をいっぱいに使ってクリスマス・ツリーの生木マーケットが。今年もこの季節が来ちゃったなぁ。

夏の風景から一変して深緑一色のツリー市
温室内は赤と緑とクリスマスのオーナメントで色とりどり
屋外には無造作に置かれた大量のツリーの森
購入したツリーはこうやって車に積んでくれる

Saturday, November 24, 2012

スモール・ビジネス・サタデー

ブラック・フライデーに続き、その翌日はスモール・ビジネス・サタデー。ブラック・フライデーの主な役者がデパートや大型チェーンのストアであるのに対し、その翌日は近所の個人経営のお店でショッピングをして、ローカル・ビジネスをサポートしようというもの。そんなわけだから、今日は地元の大好きなフローリスト、ナチュラルでとってもフレンドリーな「Southport Blooms」に花でも買いに行こうかな....って、すぐにこういう業界が仕掛けたマーケティングの罠にハマる愚かな消費者(笑) ちなみに、「スモール・ビジネス・サタデー」を提唱したのはアメリカン・エキスプレスだそう....それって、全然スモール・ビジネスじゃないじゃん。もぅー!!

Friday, November 23, 2012

ブラック・フライデー

サンクスギビングの翌日をブラック・フライデーと呼ぶ。クリスマス・ショッピングが公式に始まる日とされていて、どこもすごい大セール。ブラック・フライデーのブラックは商店が黒字になることから来てるんだそうだ。ターゲットやベストバイなどの大型店は、金曜日の始まりと同時、夜中の12時に開店。そういえばきのうのパーティでも、12時から仕事だからと、早めに帰ったデパート勤務の人がいた。その破格の値引き額に、開店を待つ人が店の前に行列を成す様子は毎年テレビのニュースになる。

わたし自身はブラック・フライデーには今まであんまり興味はなかったのだけれど、今年はちょっと探したいものがあったことと、コワいもの見たさも手伝って、さすがに夜中ではないけれど、午後になってから郊外のアウトレット・モールに出かけてみた。高速道路を降りる手前から渋滞が始まり、通常の駐車場に加えて芝生の植え込みや商用車専用の側道までもが車で埋め尽くされている。おぉやっぱコレかよ〜、覚悟はしていたもののちょっとビビったけれど、交通整理がきちんと行き届いているせいかそれほどの苦労もなく車を停める場所は見つかった。行ってから知ったんだけれど、このモールのほとんどの店も夜中の12時からオープンしていたんだって。それにしてもすごい人出。人気店はどこも入場制限で、店の前には行列が。これ24時間ぶっ通しでやってるなんてクレージーだぁー。でも交通整理同様どこも必要な人員をきちんと投入して比較的秩序が整っているので、お客さん側としてはそれほどのストレスもなくショッピングできる。わたしの買い物のレジを打ってくれた売り子のおねえさんは、第2シフトで朝の8時から働いてるの。もうへとへとよ〜、あともう少し! と言いながら明るい笑顔で応対してくれた。ブラック・フライデーのボーナスとかはあるのかな。あるといいね。どのお店も全品50%オフは当たり前なので、ちょっと列に並ぶことを厭わなければ、ブラック・フライデーはやっぱりお得です!

 広〜い店舗のポロ・ラルフローレンも入場制限
ポロのお向かいはケイト・スペイド。こちらも行列
コーチは入場まで45分待ちだって!?

Thursday, November 22, 2012

サンクスギビング

サンクスギビングはわたしが一番好きなアメリカの祝日。原住民インディアンの教えで厳しい冬を乗り切る術を得、収穫の秋には豊作を迎えたピルグリムが、インディアンを招いてごちそうをふるまったことに由来するこの祝日は、宗教的な意味や儀式もなく、今ある幸せに感謝しようという単純なお祭り。ターキーをはじめとするサンクスギビングの伝統料理はどれもみんな美味しいし。帰省して実家の家族や親戚とともにごはんを食べるのが一般的なサンクスギビングの過ごし方だけれど、わたしは毎年、どこにも帰省しない近所の友人たちと集まって、Yoshi's Caféのヨシさんが作ってくれるターキーと、サイドディッシュやデザートなどはみんなで持ち寄って、わいわいとにぎやかにこの日を過ごす。今年は25人が集まった。宗教に関係のないこのお祭りは、多文化多宗教のいろんな人が集まりやすいパーティであるはずなのだけれど、なぜかいつもここに集まるグループは政治的にはかなりの偏りがある。つい先日オバマ大統領が大勝利を収めたことへの感謝と、ジェシー・ジャクソン・ジュニアが健康問題を理由に引退を決めたことへの心痛が、食事の前のお祈りにも入ってしまって、共和党寄りの人がいたらちょっと気の毒だったなぁ。でも、民主党共和党にかかわらずいい仲間に恵まれて、今年もまたあたたかいサンクスギビングを迎えることができた。感謝。

ごちそうの並ぶバッフェ・テーブルを前に
ホストのローラとマイク

Tuesday, November 20, 2012

サンクスギビング直前

11月も早くも3週目に入り、今週末にはサンクスギビングの連休を迎える。祝日を親や兄弟親戚とともに過ごすために帰省する人が多く、1年で最もたくさんのアメリカ人が移動するのがこの週だ。連休に向けて早くも旅行に出てしまった人も多く、すでにオフィスは閑散とした状態。サンクスギビングが終わればもうその翌日から年末の買い物客でごったがえすエバンストンのダウンタウンも、今夜はなんとなくひっそり。嵐の前の静けさの中、点灯式が行われたばかりのクリスマス・ツリーがひときわ輝いている。

Sunday, November 18, 2012

ARGO

映画「ARGO」を観た。1979年、イランで起こったアメリカ大使館人質事件。混乱の中裏口から逃げて、在テヘラン・カナダ大使の私邸に匿われた6人のアメリカ人外交官が救出されるまでの72時間のお話。CIAが仕掛けた突拍子もない救出作戦は、90年代にクリントン大統領が機密扱いを解除するまでの18年間、アメリカ政府は関与していないとされていた、実話に基づくポリティカル・サスペンス映画だ。CIA、人質、救出作戦と来ればお決まりの派手な銃撃やカーチェイスもなく、心理描写だけで最後の最後まで引っ張る。実録を交えたドキュメンタリー・タッチの映像でテヘランの緊張感も伝わってくるし、テヘランのシリアスな映像と、ハリウッドのおバカさ加減の対比も皮肉でおもしろい。もう、心臓バックバク、手に汗握りまくり。ベン・アフレックの監督手腕には脱帽である。実話に基づく政治映画で「ダイハード」じゃないんだから、こんな単純に、あ〜面白かった〜って言っちゃっていのかなぁとも思うけれど、いや〜、やっぱりすっごい面白かった! そして一番の驚きはこの奇想天外な作戦が実話だったってこと。事実は小説より奇なりとは言うけれど、あり得ないでしょー。


Friday, November 16, 2012

Twinkies

トゥインキーズ。この何で作ってあるんだかよくわからない脂っこそうな白いクリームが真ん中に入った人工的なスポンジケーキは、アメリカ人だけが好きそうな、どっからどう見てもジャンクフード。超甘いのは一目瞭然で、1個あたりは150キロカロリー。賞味期限は一応表示してあるけれど、実は何年たっても食べられるってところがさらに恐ろしい。1930年に開発されたというこのお菓子は今年で82歳。アメリカ人には広く広く愛されて来たのだそうだ。

そのお菓子の製造会社Hostessが今日、従業員1万7000人を解雇して倒産を発表。事業の新たな買い手が現れない限りこの人気のお菓子の存続も危ぶまれるということで、今日はアメリカ中で人々がこのお菓子を求めてコンビニやスーパーに殺到したそう。まあ何年たっても食べられるんだから大量の買いだめもありなんだろうけど、どの店もHostessブランドのお菓子の棚がみんな空っぽになったというから、おそるべし国民的お菓子! 10個入り一箱が通常はだいたい5ドルのところ、eBayでは100ドルから5000ドルにまで跳ね上がったというからさらに驚きである。....っていうか、愚かだねぇ(笑)

実はワタシは今までに一度も食べたことがないんだけれど、話のタネにと思って近所のコンビニに寄ってみたら、箱入りはすでに売り切れ。バラ売りのものがレジ横の棚にまだ少し残っていたので、これ全部持って行きなよ、もう食べられないよって店のおじさんに薦められたけれど、脂でベトベトのパッケージの内側が見えたらやっぱり食べる気にならずNG。買わないでしまった。これで永遠にワタシの口に入ることはなくなったか、トゥインキー!

Tuesday, November 13, 2012

ヨシズ・カフェ 30周年

まるで我が家の第2のダイニングルームのように、いつもごはんを食べさせてもらっている近所のYoshi's Caféが今年で創業30周年を迎えた。まわりのほとんどのお店が窓に鉄格子を入れていたという治安の悪かった頃から、人気レストランやバーの集まるシカゴで最も活気に満ちた地域のひとつとなった現在に至るまでの30年間、人々の胃袋を満たしながら地域の移り変わりを見つめコミュニティの繁栄に大いに貢献してきたレストラン。オーナーのヨシさんと伸子さんは、その30周年記念パーティをただのお祝いではなく、先日のハリケーン・サンディで大変な被害を受けたニューヨーク市への支援のためのチャリティ・ディナーとすることにした。去年の4月、東日本大震災被災地のためのチャリティ・ディナーでたくさんのお金を寄付してくれたアメリカの友人たちへ、今回はお返しというわけだ。ディナーはセットメニューでひとり85ドル。Yoshi's Caféが経費を差し引いた分の利益が支援金としてニューヨーク市に寄付される。加えてディナーの一部に、原発事故による放射能の風評被害を受けているヨシさんの故郷、茨城県ひたちなか市から取り寄せたお醤油や味噌、麦茶などの食材を用いて、そちらのプロモーションの機会にも。ひたちなか市からは商工会議所の所長さんが1000ドルの寄付金を持って駆けつけて、慣れない英語で一生懸命挨拶をしてくれた。集まった150人のお客さんのほとんどは、ヨシさんの料理が大好きな常連客。日本の食材を上手にアレンジしたヨシさんらしいクリエイティブなジャパニーズ・フレンチに、藤間流シカゴのダンスのパフォーマンスも加わって、30周年記念+チャリティのディナーは大いに盛り上がり、お腹もいっぱいである。

ひたちなか市のプロモーションも兼ねたセットメニュー。
ひたちなかからの食材はブルーの文字で表示
懐石スタイルの前菜は、ひたちなかの味噌で漬けた鴨肉、
たことまぐろのミニ寿司、フォアグラの卵蒸し、ひたちなかのさんまの蒲焼き
しめじの土瓶蒸しはひたちなかの麦茶を使った出汁で
メインはひたちなかの醤油を使ったソースで和牛リブの煮込み。
ひたちなか名産の干し芋をフライにした付け合わせ
デザートはチョコレート・クリーム・ブリュレと、
やはりひたちなか製きなこのバニラアイスクリーム

Monday, November 12, 2012

Jポップ・イン・アメリカ

GAPの店内を歩いていたら流れている音楽に日本語が聞こえた。おっ?と思って Shazamしたら、Asian Kanfu Generation「新世紀のラブソング」だって。もちろん初めて聴く曲だし、Asian Kanfu Generationという人(グループ?)のことだってワタシは見たことも聞いたこともないけれど、日本でも流行っているのかなぁ。きのうの「Wreck-It Ralph」のAKB48といいい、コレといい、J ポップがアメリカでヒットの兆しを見せているのかも!?

Sunday, November 11, 2012

Wreck-It Ralph

ディズニーの「Wreck-It Ralph」という3Dアニメーション映画を観た。ビデオ・ゲームの裏側に広がるキャラクターたちの世界。とっても示唆があって、泣けて笑えて、すごくいいお話。大人もしっかり楽しめるステキなアニメだ。ジブリもいいけど、さすがはディズニー! ベアード・パパもチョイ役で登場するし、エンディングにはなんとAKB48の歌が日本語で! 日本のオーディエンスもしっかり狙ってるというわけね。(あ、もしかしたらコレ、日本語版ではメインのテーマソングになるのかな)邦題は「シュガー・ラッシュ」だそうです。

年末商戦?

11月も半ば。葉っぱもすっかり落ちて、あっという間に街はホリデー一色になった。今日のターゲット ↓ 広大な店内の中央にどか〜んとクリスマス特設スペース。BGMもクリスマス・ソング。サンクスギビングもまだなのに、早くも年末ムードです。

Saturday, November 10, 2012

ギャレット・ポップコーン

急な気候の変化で、11月とは思えないような暖かい土曜日となった今日、ダウンタウンのミシガン・アベニューは観光客と買い物客ですごい人出。その中でも特に黒山の人だかりになっているのがここ、ギャレット・ポップコーン・ショップ。「シカゴといえばシカゴ流ポップコーン」という話は聞いたことはないけれど、この店は創業60年3世代にわたって伝承されてきた秘伝のファミリーレシピと手作り製法にこだわった、ちょっと贅沢なポップコーン・ショップなんだそうだ。キャラメル・コーンとチーズ・コーンが有名で、近くを通るといつも甘くて香ばしいいい匂いに誘われるけれど、実はまだ1度も食べたことがないのだ。だっていつもすごい行列で、たかだかポップコーンでしょ〜、と思うとその行列の一番後ろにつく気にはなれないんだけれど、でもシカゴ名物のひとつなのだから、いつかは1度は食べてみないとね。この店、なんと2013年のはじめに原宿に上陸するそうです。

ミシガン・アベニューもこの店の袋を持った人がいっぱい
60年前からこんなに並んでいたらしい

Wednesday, November 7, 2012

オバマ大統領再選

夜ごはんを食べてから夜中の12時半までテレビに釘付けになってしまったのだ。あまりにも接戦なので今晩中には決まらないかと思っていた大統領選は、日付の変わるちょっと前に決着が着いた。オバマ大統領再選。4年前、ブッシュ前大統領のあまりの悪政に辟易していたアメリカに、途方もなく美しい希望に満ちた「チェンジ」を訴え、若者を中心に有権者を圧倒的な興奮の渦に巻きこんだオバマ氏。今回その輝くような面影はなく、まだ終わっていない仕事をお願いだからもう少しやらせて!と懇願するような格好で、なおかつハリケーン・サンディという指導力をアピールできる絶好の機会にも恵まれて、かろうじての勝利、わたしにはそんな風に見えた選挙戦だった。でもリベラルなシカゴはとりあえずハッピー。わたしの中の外国人労働者の部分と女性の部分とシングルマザーやゲイの友だちがまわりにたくさんいるっていう部分も、オバマ氏でよかったと思っている。議会が捻れているので今後4年間もとっても厳しい道のりになるのだろうけれど、大統領の指導の下「みんなで一緒にがんばって痛みを乗り越え」「貧しい国民が中間層の豊かさを得て、安定した中間層がアメリカを誇りと思える生活を営むことが出来る」ように、この国を建て直してもらいたいと思う。(典型的なアメリカ大統領的勝利演説だったけれど、やっぱりこの人のスピーチはカッコいい!)

いやぁ、それにしても固唾を飲んで見守った今回の選挙戦。ネガティブ・キャンペーンはイヤだけど、ショー的な要素に満ちたアメリカの大統領選は本当に面白い。この時ばかりは選挙権がなくってつまんな〜い、と思うのだ。

Sunday, November 4, 2012

ホットチョコレート・レース

で、ニューヨークがマラソン中止にもかかわらずランナーズ・スピリットを高めている中、シカゴのランナーは何をしているのか。はい、Run for Hot Chocolateです。どうしてチョコレートとランニングが結びつくのかは未だによくわからない。でもなんだかその甘い誘惑にのせられてついつい毎年参加申し込み書にサインしちゃう15Kレース。完走のご褒美はギラデリのホットチョコレートとチョコレート・フォンデュなのだ。レースを終えてグラント・パークの芝生に座り、甘い物を頬ばっていると、なんでこんなことのために15キロも走るのか、なんだかヒジョーに脳天気でバカバカしい気持ちになってくるのだけれど、お天気もいいし、健康がなによりだし、まぁいっかぁ。

ニューヨーク・シティ・マラソン

ハリケーン・サンディの傷跡が生々しいニューヨークでは、今日予定されていた世界最大の市民マラソンのひとつ、ニューヨーク・シティ・マラソンが中止になった。2001年9月の同時多発テロの時にはこのマラソン大会が、市民と世界各国から集まる37,000人のランナーのポジティブなエネルギーとスピリットを集め、ニューヨークの強さと市民の絆を世界に示す格好の機会となったそうだけれど、今回はいかんせん時間がなさすぎた。街の機能はこの大規模な大会を開催するまでに回復できず、34億ドルと言われる経済効果を水に流して、ブルームバーグ市長は大会中止という苦渋の決断を下したのだ。でも正しい決断だったと思う。それくらいひどい災害だった。誰も文句は言えないよ。

で、走るはずだったランナーたちはどうしているのか。それが走ってるのよ〜。真新しいオレンジ色の2012年レース・シャツを着て自主的に。お互いに声を掛け合いながらセントラル・パークを何周も何周も。あるいは被害のひどい地域に救援物資を届けるために。そして組織的にボランティアを募って、救援活動するグループも。一般レベルの参加者の間から発生した何かしたいという気持ちが、ひとりひとりの小さな行動に繋がり、それが大きな波になって体制を動かす、そういうところがアメリカって本当に素晴らしい。大会の公式記録が残らなかったとしても、これは一生の思い出に残るレースになるだろう。これぞランナーズ・スピリット、ランナーズ・フェローシップ! スポーツっていいよね。ニューヨークがんばれ。わたしも参加したかったー!

セントラル・パークを自主的に走るランナーたち
Robert Caplin, The New York Timesより
被害のひどかったスタテン・アイランドに物資を届けるランナーたち
Runner’s World Magazine Website より