Thursday, October 31, 2013

ハッピー・ハロウィン!

恒例のハロウィン! 年々規模が大きくなりシカゴの名物イベントのひとつになっている我が街ボーイズタウンの仮装パレードは、今年は残念ながら雨。参加者もギャラリーも少なくて、30分くらいであっけなく終わっちゃった。それでもがんばって出て来た人はけっこう盛り上がり、凝ったメイクやコスチュームで街はとっても愉快。この日のために真面目にアイディアを練って準備をしたのだから、雨だからってそう簡単には引き下がれませんよね。なんたってハロウィンはアメリカが1年で最も真剣にふざける日なのだ!


Wednesday, October 30, 2013

キリン

おとといからインターネット上でやたらと話題になっているキリンについて。フェイスブックで起こったある「波」が「津波」に発展し、何万という人々がこぞってプロファイル写真をキリンの画像に替えている。コレ、なぞなぞの罰ゲームなんだそう。「午前3時。玄関のベルが鳴ってあなたは目を覚まします。誰かと思えばあなたの両親。朝ごはんを食べに来たと言うのです。家にあるのは、イチゴジャムとハチミツとワインとパンとチーズ。さて何を最初に開けましょう」というのが問いかけ。このなぞなぞ投稿がお友だちから入って来たら、答えをその投稿者にプライベートメッセージで送る。正解ならオッケー、不正解ならペナルティとしてプロファイル写真をキリンに替えなければならない。そして不正解者続出の結果、今フェイスブックはキリンだらけなのだ。正解は「ドア」 結構単純なのに、かなりの人が答えを出せなかったということだ。

しかしそこで終わらないのがソーシャルメディアの伝達力。この問題は翌日一大論争に発展する。寝てたのだったら最初に開けるものはドアではなくて、「目」ではないのかとの抗議が出て来て、そう言われてみればそうだということで、正解は「ドア」と「目」のどちらでもいいことになった。するとまた、両親だってことがわかったらドアを開ける前にワインを開けるね、という意見も上がり、論争が深まる深まる(深まってるのか!?) そんなこんなで、フェイスブック上にたくさんのお友だちがいる人たちの中には、いいかげんキリンの話題にうんざりしてしまい、キリンにプロファイルを替えた人たちがお友だちを解消されるという現象まで起きた。そして、このキリンに関するフェイスブック上の一連の出来事は、CNNもトリビューンもニュースとして「報道」している。バカバカしぃ〜、けど笑える話。こういうのって誰が始めるンだろうね。こんなに反響を呼ぶなんて想像していたんだろうか。ちなみにペナルティに選ばれたキリンにはな〜んの意味もなく、ただキリンとして使われただけだそう。にわかに脚光を浴びて戸惑っているキリン ↓ よく見れば、元々ちょっと困った顔をしてるのね。

写真はCNNより

Tuesday, October 29, 2013

Divvy初ライド

ところで、レクチャーの会場となったノース・アベニューのアップル・ストアを出た ら、なんと目の前にそのDivvyドックが。おや、これはちょっと乗ってみるかな、という気になっちゃったのだ。タッチスクリーンに入力し、クレジット カードで24時間7ドルの料金を払う。そして指定されるパスコードで自転車を解錠。1回あたりに乗れる時間は30分だけれど、30分以内にどこかしらの ドックに戻せば、24時間まで何度でも新たに解錠して乗ることができる。初めてだったので細かいところでちょっと手こずったりもしたけれど、そんなわけで アップル・ストアからウチの近くのホルステッドのセブンイレブンまでの2.5マイル、ワタクシ本日Divvyデビュー! どっしりと大きくて安心。乗り心 地も悪くない。途中、一統寿司のすぐそばにドックを見つけてしまい、ついひっかかって1時間ほど寄り道しちゃったけれど、再度解錠してセブンイレブンで無事返却。Divvy初ライド、まずは大成功でした!

初ライドのスタート地点、ノース・アベニューのドック
今夜お世話になったワタシのDivvy。
無事セブンイレブン脇のドックにご帰還。おつかれさまでした!

Divvyレクチャー

夏の初めに登場して以来あちこちに次々とドックが出来て、今では市内に400箇所4000台の自転車を有する一大交通システムとなり、ブルーの自転車が走る街をシカゴの当たり前の風景にしたDivvy。最初の夏にして大成功な走り出しとなったこの新しい都市公共交通システムのネーミングとロゴなど、ブランド・アイデンティティに関わるデザイン開発のケーススタディ・レクチャーを今日は聞きに行った。わたしも長年モノ作りに携わっているので、開発の手法やプロセス関してはそれほど目新しい話は聞けなかったけれど、果てしなく繰り返される意思決定のそれぞれの過程で、ボツになって落ちていったたくさんのアイディアやスケッチを惜しげもなく見せてくれて、それがとても楽しい内容だった。常に忘れてはいけないことだけれど、ダメなアイディアというものは決して存在することはなく、どんなに使えなさそうな思いつきでも、どう工夫すれば使えるレベルにすることができるかを考えて考えて考え抜く、クリエイターとはそういう訓練の繰り返しなのだ。そんなことをあらためて思い出させてくれる、今日のプレゼンテーションだった。

最終候補の中でボツになったというネーミングのひとつ、B-Line
ロゴもいろんなスケッチがあったよう
オレンジというカラー選択もあったのね

Sunday, October 27, 2013

トリック・オア・トリート

先週はちらっと初雪が舞ったシカゴだけれど、10月最後の週末は気持ちよく晴れて、今年も楽しいハロウィン・ウィークエンドがやってきた。日曜日の今日は、仮装した子どもたちがブロードウェイ商店街の店を一軒一軒回ってトリック・オア・トリート。通りはフランケンシュタインやらお姫様やらが歩き、公園も愉快な飾りつけ。毎年めぐってくるこの妙ちきりんなお祭りは、何度やっても笑っちゃう!

近所の公園、町内会のボランティアによる飾り付け
カービングしてないランタンはちょっとズルだな、カワイイけど
フロッグ・ボーイ!
お姫様は女の子の定番だね
でもジャケット着ないとちょっと寒いけど
このキャラはなんでしょう?
バットマンだね
ベイビー・アニー!
これぞ、ジャック・オー・ランタン!
うん、けっこうコワいよ
付き添いの大人も楽しそうだ
ハラが減ってはトリック・オア・トリートもできませんってことで
ファーストフード店にはこんな子どもたちも!

Wednesday, October 23, 2013

ロンドン、美しいボーイズ

うっかりすると通り過ぎちゃうような場所にさりげなく掛かっていた肖像画 ↓ ナチュラルでキレイで目がハートになっちゃった! 

ナショナル・ポートレート・ギャラリーにて

Tuesday, October 22, 2013

テート・モダン

ニューヨークならMOMA、ロンドンならテート・モダン。独創的で愉快なモダンアートの世界が大好きなワタシは、数あるロンドンのミュージアムから行くところをひとつ選ぶとしたら、大英博物館でもナショナル・ギャラリーでもテート・ブリテンでもなく、断然モダンだ。ってなわけでロンドンに来ることがあったら絶対寄りたいと思っていた、テムズ川沿い火力発電所跡に2000年にオープンしたこのミュージアム。カメラのフレームにとても収まり切らないレンガの高〜い煙突が、そのまんまクールなアート。ここを美術館にしようという発想からして斬新である。常設展なら入場無料、フラッシュを使わなければ撮影はご自由にっていう大らかさもうれしい。広〜い館内を短い時間でざ〜っと見るしかできなかったけれど、発電機があったという元タービン室が7階までの吹き抜けになっているエントランス・ホールの大空間は圧倒的。細長い窓から射し込むユニークなスカイライトやギャラリーの贅沢な空間の使い方が気持ちいい。ギフトショップのアイテムひとつひとつもみんな気になるものばかりで、もっともっとじっくり見たかったけれど、何しろ今回は弾丸トリップなので時間切れ〜。

安藤忠雄さんもコンペに参加したという、発電所をミュージアムに生まれ変わらせるというテートのこのプロジェクトは、スイスの建築家ヘルツォーク&ド・ムーロン南青山のプラダも手がけた)のデザインがコンペを勝ち取り、現在も大規模な増改築が進行中。2016年にはこの発電所建屋の南側にレンガ造りの10階だてタワーが登場するそうで、また来なくちゃいけない場所がこうしてロンドンにもまたひとつ!

高〜い煙突が圧倒的でユニークな外観だけれど
テムズ川を渡って対岸に行かなければ
とても全景をカメラにおさめるのはムリ
古いウッド・フローリングが贅沢
モダンとオリジナルの交錯がすっごいカッコいいのだ
ギャラリーはどの部屋も天井が高く
展示物もゆったり配置されて気持ちのいい空間
いったん足を踏み入れたら当分は出て来られなさそうなブックストア
上階のカフェの窓から眺める対岸の景色は、まるで切り取った絵画のよう。
正面はセント・ポール寺院のドーム
1階のカフェ。ライトがステキで欲しくなっちゃった
テート・モダンのお隣はシェイクスピアのグローブ座

Monday, October 21, 2013

ザ・アメリカン・バー

クラシックでオトナな、かっこいいバーである。1889年開業の老舗サヴォイ・ホテルにあるザ・アメリカン・バー。英国にあってなぜアメリカン・バーなのかというと、その理由はアメリカが禁酒法を施行した1920年代に遡る。カクテルの歴史には諸説あるらしいけれど、伝統的なカクテルの多くはアメリカで生まれ、禁酒法時代にアメリカのバーテンダーたちが世界に散ったことで広まったと言われている。そしてその中のひとりがロンドンに渡ったハリー・クラドックという人。サヴォイのチーフバーテンダーとなった彼はその独創的なアイデアと豊富な知識でカクテルの権威として認められるようになり、1930年には『サヴォイ・カクテルブック』というカクテルの背景にある文化を交えたカクテルレシピ本を出版、それは現在でも世界中で読み継がれる「バーテンダーのバイブル」なんだそう。禁酒法の時代、アメリカのお金持ちたちはそんな伝説のバーテンダーのお酒を飲みにロンドンのこのバーを訪れた。それで「ザ・アメリカン」 店内にはフランク・シナトラやチャールズ・チヤップリンなどこのバーを訪れた著名アメリカ人たちの古い写真が飾られ、フロアの片隅には、昔のお酒や手書きのレシピ、カクテルブックの初版本などの展示スペースも。メニューには当時から受け継がれているカクテルが名を連ね、中には1杯5000ポンドなんてお酒も(今のレートで換算したら10000ドル超ですよ!)誰が飲むんでしょうねと思うけれど、話しのタネに飲んでみるお金持ちとかいるんだろうね。そうそう、このバーのあるサヴォイ・ホテルの正面車寄せに通じる車道は、ロンドンで唯一の右側通行。お酒を飲みにはるばる海を渡ってやって来るアメリカ人を迎えた当時の習慣の名残りなんだそうだ。あぁ、お酒って文化なんだねぇ。

ジャズの生演奏を聴かせるクラシックで落ち着いたフロア。
革張りのチェアやソファが居心地よくて飲み過ぎちゃう。
でもここで飲み過ぎると、散財しますよ〜 要注意!
各種のスピリッツがずらりと並ぶ明るいバーカウンター
ケネディやシナトラの写真や、
直筆のレター、サインなどが飾られた展示スペース
ゴールデン・エイジの名残り、右側通行のホテル入り口

耳を切った自画像

ゴッホがゴーギャンとケンカをして自分の耳を切ったという狂気の事件は有名な話だけれど、その直後に制作された自画像がなんと、泊まってるホテルのすぐ裏にあるというので見に行った。テムズ川沿いのサマセット・ハウス内にあるコートールド・ギャラリー。小規模ながらとてもステキなギャラリーで、ルノワールやセザンヌといった、所蔵する数多くの印象派絵画がサマセット・ハウスのクラシックな建築とマッチして、とても品の良い気持ちになれる美術館なのである。で、問題の作品 ↓ 狂気の事件のすぐあとにしては落ち着いた表情で、冷静さを取り戻しているように見える。でもこのあとすぐに精神病院に入ってしまうんだよね、この天才画家は。オランダ人の画家によってフランスで制作された有名なこの絵が、なんでこのロンドンにあるのかはもう少しちゃんと調べてみないとだけれど、予期せずに旅先で会えるとはラッキーでした! 

問題の作品。耳に包帯をしたゴッホ
こんな感じで他の印象派絵画ともにさりげなく掛かっている
この自画像のある部屋のデコラティブな天井
コートールド・ギャラリー、大理石の見事な螺旋階段
サマセット・ハウスのゴージャスなコートヤード。
この噴水は冬にはスケートリンクになるそう

ウエストミンスター寺院

いくら弾丸でもひとつくらいは有名なランドマークを訪れようと、威風堂々言わずと知れたウエストミンスター寺院を見学した。別にクリスチャンというわけではないのだけれど、ワタシは意外と教会のような場所が好きで、旅先ではよくふらりと立ち寄るのだ。ふらりと迷い込んだ音のない冷んやりとした聖堂で、ちょっとだけ静かに瞑想する時間と空間は、せわしなく騒がしい普段の自分を省みる旅先でのいい機会になる。もちろんここはウエストミンスターであって、ふらりと立ち寄れる種類の場所でもなければ意外と好きな教会と同じレベルで語れるような規模のものでもないのだけれど。そして瞑想するというよりは、有無を言わさず渡される電話型録音ガイドを片手に日本語の解説を聞きながら、大量移動する観光客の波に混じって、まるで博物館を見学するかのように広大な寺院を歩いた。

それにしてもさすがここは天下のウエストミンスター。英国に君臨した13世紀くらいからの王様たちの柩が、厳粛ではあるけれども、それこそそこら中に祀ってあるのだ。そしてニュートンやダーウィン、ディケンズのような英国を代表する歴代の著名人たちのお墓やシェークスピアやルイス・キャロルなどの記念碑もゴロゴロ。ローマのパンティオンでそれがラファエロのお墓だよと言われた時もひぇっと思ったし、リスボンのジェロニモス修道院でバスコダガマの柩の横をさらっと通った時もホントかいなと思ったけれど、ここはその比ではなく、ここまですごいともう驚愕を超えてかえって笑っちゃうというか、こんなジーンズとスニーカーでバックパック姿の観光客が大勢で気軽に押しかけちゃって、王様たち的にはどうなんだろ。でもこれも時代なんでしょうね。英国としては観光収入は欲しいだろうし。エリザベス女王の言う開かれた王室というのがこういうことをも指しているのか、そのあたりご本人にちょっと聞いてみたかったりもする。ワタシたちのこの商業主義の時代が後の世でどう語られていくのか、誰も知ることができないのは残念だ。

エリザベス女王といえば、僧侶たちの参事会が行われるという、聖堂からちょっと脇にそれたところにあるステンドグラスが美しい円形のChapter Houseで、王位の軌跡の展示が行われていた。1952年、25歳で即位した彼女は在位61年。これって英国史上では2番目に長く、87歳の君主は英国史上最高齢だそう。ジェームズ・ボンドとともに登場したロンドンオリンピックでの開会宣言は記憶に新しく、今でも笑顔がかわいいステキなおばあちゃんだけれど、25歳の戴冠当時はホントに華やかでキレイだったのね。即位のパレードで女王をひと目見ようと沿道に何日も前からキャンプして場所取りする市民の興奮の様子や、式典に飽きてつまらない表情を見せる幼いチャールズ皇太子の微笑ましい写真など、今も昔も変わらず愛される王室の様子が市民の視点で構成された、とってもチャーミングなエキジビット。ウエストミンスター内部は撮影禁止なので、写真が撮れなくて残念でした!

外観の一部
どうやら中庭を囲む回廊での撮影はオッケーのよう
雨にけむる白亜の寺院と瑞々しい芝生の緑がキレイでした

Paul

ロンドンにはコーヒーショップが多い。繁華街では3軒おきにあるといっても過言ではないくらい街はコーヒーショップだらけ。そんな中でワタシが気に入ったのはコチラ、フレンチ・ベーカリー・カフェPaul。コーヒーのいい香りが漂う店内のショーケースには焼きたてのクロワッサンやペストリーが美しく並び、どれを選ぶか目移りしちゃう。ダークブラウンなウッドの色調とレトロなタイルを使ったフロアは落ち着いた雰囲気で、店員さんがみんなパン屋の職人さんのような出で立ちなのもプロっぽくって好感が持てる。出勤前に立ち寄って朝食をテイクアウトして行く人が多いようだけれど、ワタシは気に入ってここで毎朝朝食をいただきました。よく見ると街のあちこちにあるのでどうやらチェーン店のよう。アメリカにも進出してくれないかな。スタバ派のワタクシですが、このお店が来てくれたらゼッタイ鞍替えします! ちなみに、エバンストンで最近気に入っているイングランド発のサンドイッチショップPret A Mangerはロンドンではマクドナルドかと思うくらいそこいら中にあってビックリ。こんなにメジャーな店だったのね!

街角のけっこういろいろなところに看板を見かけます
コーヒーと焼きたてのパンの香りが漂う店内
美味しそうなベーカリーアイテムに目移りします
「コーヒーとミルク」という風に注文すると「あ、ラテね」と返される。
普通のコーヒーってものはないのだね、ヨーロッパには。
あるとすればアメリカン。
でも「アメリカン」とはなんとなく言いにくいのだよ、
ヨーロッパにいると....
こちらはPret A Manger。もうホントに街中そこら中にあります

Sunday, October 20, 2013

弾丸ロンドン

10月のロンドンは雨。しっとりとした空気が何とも心地よく清らかで、歴史ある古い街の佇まいの中で、みずみずしく落ち着いた気持ちになる。

しかし、それにしても物価が高いのでビックリ。どう考えても高い。っていうか、コレきっと為替レートの問題なんだろうね。感覚的にはアメリカの倍である。コーヒー1杯6ドルとか、地下鉄初乗り9ドルとか、ショックですよ、ちょっと。でも、一緒に行ったアメリカ人に言わせると、日本に行っても同じくらい高く感じるよ、とのこと。わたしの場合は日本にいる時は円をいちいちドルに換算しないから気づかないだけで、考えてみれば今ドルはそれくらい弱いんだと、さらにショック。なるほど、外国人観光客がアメリカのファクトリーアウトレットで信じ難いほど山のように買い物するのも納得。やっぱり安いのね、アメリカ。そんなわけで、ゆっくりできない滞在にある意味ホッとしておりますが、3泊3日弾丸のロンドンです。