Friday, July 31, 2015

ブルームーン

同じ月に2度巡って来る、その2度目の月をブルームーンと呼ぶ。前回は2012年8月31日で、次回は2018年1月だそう。「Once in a blue moon」という英語の言い回しは「ごく稀に」という意味だけれど、2.7年に1度の割合で起こるこの現象は、そんなに大騒ぎするほど稀なことではではないのかも。それでもお天気の安定しないシカゴで、こんなにキレイにブルームーンが見られるなんて稀と言えば稀。今夜は夕暮れの湖畔でロマンチックな月見をする人々の影がちらほら。ダウンタウンのすぐそばなのに、すぐ裏をレイクショア・ドライブが走っているのに、なんて静かで贅沢な時間!

日の入り時刻のベルモント・ハーバー
水平線の彼方、東の空にポコッと月が現れた
お月見ボートもたくさん出ている
湖畔には静かな夕暮れを楽しむ人たちがちらほら。
混雑してないのがいいね
陸側は都会のイルミネーション。
高層アパート群とレイクショア・ドライブの夜景がキレイ

Thursday, July 30, 2015

ピピン

ブック・オブ・モルモン」「ジャージー・ボーイズ」「キンキーブーツ」と、今年は立て続けにブロードウェイ・ミュージカルを見ている。ニューヨークまで行かなくとも、ヒット作はみんなシカゴで観れるのさ! ニューヨーク・ブロードウェイほどの規模はないものの、シカゴの劇場街にも古い伝統あるシアターが軒を連ね、ショータイムの華やかな雰囲気は決して負けてないのだ。

で、今日の演目は「ピピン」 大学を卒業したばかりの帝国の王子ピピンが「人生におけるSomething Important」を求めて、戦争に出たり、性的快楽に溺れてみたり、政治的活動に手を出したり、自殺まで試みたりしながら自分探しをするお話。狂言回しの率いる役者たちのカラフルなサーカスショーの中でピピンの物語は語られていく。シルク・ドゥ・ソレイユ出身者たちが手掛けたというアクロバティックなサーカス、セクシーで上質なダンス、心に染みるパワフルな音楽の数々、そしてストーリーの意外な結末。どれをとってもこの世のものとは思えない。空中ブランコで逆さ吊りになりながら、迫力ある歌を蕩々と歌って聴かせる人って、いったい何で出来てる人間なんだろう! 人間離れした舞台の世界は毎日が命がけだと思うけれど、そんなことはみじんも感じさせず、とにかく楽しくて鳥肌モノで、極上のエンターテイメント。ブロードウェイの作品はどれも素晴らしいけれど、ホントにこれは特級品なのだ。ブラボー!

開幕の時間が近づくに連れて活気があふれる劇場街
シャンデリアや装飾のレリーフ、大理石の柱や壁が伝統を感じさせる
キャデラックパレス・シアターのロビー
幕間
第2部開始時のカラフルな舞台



Wednesday, July 29, 2015

ノース・アベニュー・ビーチ

も、ホントに夏〜〜って感じの嬉しい毎日。加えて日が長いので夜は9時くらいまで明るい。つまり、仕事のあとでもまだまだ外で遊べるのだ。どんなに仕事がたまっていたって、5時にはさ〜っとみんないなくなる。そんなわけで平日夕方のノース・アベニュー・ビーチは大賑わい。気持ちのいい湖畔の風の中、思い思いに夏を楽しむシカゴの人たちはホントに幸せそう。夏がず〜っと続けばいいのにと思うけれど、もうそろそろ7月も終わりですね….

ブッダの頭に見守られてメディテーションする人
夏のおなじみ、ビーチバレー
こちらはビーチヨガ
何の会合でしょうか、ビーチミーティング!
会議はビーチで.... なかなかいいアイディアだ

Saturday, July 25, 2015

ガリーナ・イリノイ

そしてイリノイ側の北西端に位置する小さな街がガリーナ。ここも元々はフランス人による入植で始まった歴史ある古い街だけれど、今や川沿いのリゾート地としてもっぱら観光がメインの産業。週末を過ごす別荘をここに持つシカゴの人も多いんだそう。赤煉瓦の古い建物が並ぶダウンタウンのメインストリートは、レストランやギフトショップ、ギャラリーやアンティークショップが軒を連ねるヨーロッパ風のチャーミングな街並み。夏の週末の午後は、多くの観光客であふれていた。15分もあれば歩ききっちゃうような小さな街なのに、観光用のトロリーバスが走っていたりするのもなんだかかわいい。大平原のイリノイでスキー!? って思うけれど、このの近くにはスキーリゾートもあり、ワイナリーも数多くある。今回は急ぎ足だけれど、また機会を見つけて改めて訪れたい街なのだ。

古い赤煉瓦のビルが並ぶメインストリート
道の両脇にびっしりクルマが停まり、たいへんな人出の夏の週末
メインストリート沿いのかわいいカフェで一休み

デビューク・アイオワ

ワタシの住むシカゴのあるイリノイ州とお隣りのアイオワ州は、ミシシッピ川を挟んで東西に分かれる。ミシシッピに面してアイオワ側の州境に位置するのが、デビューク市。ミシシッピ以西の入植の拠点となったアイオワ最古の街であり、またミシシッピ川の交通の要所として、その後の産業発展にも貢献したということで、アメリカ史を語る上では欠かせない街のひとつなんだそう。現在は、廃業した河畔の古い倉庫街が歴史的建造物として残され、再開発によって文化施設やきれいな公園ができている。平坦な中西部にしては珍しく、市街地の背部に緩やかな丘陵が広がり、丘の上に作られた住宅街から眺めるかわいい街並みとミシシッピは絶景。よっこいしょ、よっこいしょと斜面を登る築100年を超えるケーブルカーがカワイイ街なのだ。

豊かな水を湛える壮大なミシシッピ川。この川を下っていけば
ニューオーリンズを通ってメキシコ湾に続く
デビューク市の中心にある時計塔
街の中央にあるケーブルカーの駅。
ものすご〜くローテック
8人乗りの木製のケーブルカーは築100年を超える。
今や観光にしか使われていないのだろうけれど、
かつては丘の上の住宅街とダウンタウンを繫ぐ
重要な交通機関だったに違いない
丘の上からデビュークのカワイイ街並みとミシシッピ川、
そしてイリノイ側が見渡せる。お天気が良くて、い〜い眺め!

アイオワのトウモロコシ畑

「フィールド・オブ・ドリームス」撮影地のあるアイオワ州Dyersvilleの辺りは、本当に見渡す限りのトウモロコシ畑。真っ平らなイリノイ州に比べると地形にやや起伏があるので、畑が延々と遠くまで続いているのがよくわかる。このたくさんのトウモロコシは野菜として市場に出回るだけでなく、世界中の家畜の飼料になり、油に加工されて燃料になりと、様々な用途があるわけだ。ここまで均一に育つのは遺伝子組み換えによる品種改良のおかげと思うと、広大なこの景色を単純にきれいと言うにはちょっと後ろめたさを感じるけれど、夏の鮮やかな青空の下、どこまでも続く緑の波はやっぱり美しい。地平線は360度、アメリカ大陸の大いなる田舎は果てしなく広い。

地平線の先まで続くトウモロコシ畑。
アメリカ中西部の夏
トウモロコシ畑の中の1本道。
起伏に沿ってどこまでも
地平線の彼方から突如現れた孤高の自転車人。
いったいどこまで行くのだろう

「フィールド・オブ・ドリームス」

今まで人生の中で観た数多くの映画のうち、最も好きな作品のひとつ「フィールド・オブ・ドリームス」 80年代後半の若き日のケビン・コスナーが、夢と希望、父と子の絆、そして大好きな野球への思いを演じる心温まるファンタジー映画。その撮影のために実際にコーン畑の中に作られた野球場が、公開から26年たった今も残っている。シカゴからクルマで西に約3時間半、州境のミシシッピ川を越えアイオワ州に入って15分ほどのところにあるDyersville。広大なコーン畑がどこまでも続くのどかな風景の中に、野球場が突如として現れる。今でも年間6万5千人が訪れるというアイオワ州第2の観光地だそうだ。っていうか、アイオワ州って他になぁんにもないけどね。26年前の映画にも地元の人がエキストラとしてたくさん出演したそうだけれど、このムービーサイトも運営は地元のボランティアの人たち。トウモロコシが豊かに背を伸ばした夏真っ盛りのこの週末、地元の人か観光客か、多くの人がこののどかな景色の中でのどかに野球を楽しんでいた。「If you build it, they will come」という劇中のセリフ通り、この野球場がステキな町興しとなったわけだ。もう何度となく観た映画だけれど、今回ももう1回復習した。ぜひ映画を観てから訪れたい場所なのだ。

コーン畑から幽霊たちが出て来る映画の中の重要なシーン。
www.desmoinesregister.comより
コーン畑の中の1本道に突如現れるサイン
映画の中でケビン・コスナー一家が住んでいる家も残されている。
実際、映画の前にはランシングさんという
この土地の農夫一家の家だったそうだ
こんな野球場でプレーできるなんて、「夢」のようですね
「Is this heaven?」「No, it's Iowa」
まさにアイオワ。大いなる田舎のど真ん中

映画の中で何度も出て来る観客席もそのまま
そしてお土産物やさん。
このムービーサイトの維持と運営に、
映画会社は1銭も援助してないそうだけれど、逆にサイトは
ユニバーサル映画に商品のライセンス料を払っているんだって。

Thursday, July 23, 2015

ニューベリー・ライブラリー・ブックフェア

今年で31回目を迎えるという、シカゴでは最も有名な古本市ニューベリー・ライブラリーブックフェア。通称Bookapaloozaとも言われる4日間に渡るこのイベントは、広いライブラリーのワンフロアをすべて使って、70のカテゴリーに分かれた12万冊を超える中古の書籍が売り出される。1887年に創立された図書館の重厚な正面玄関をくぐっただけで古い本の匂いに包まれて、本好きの人ならそれだけでアドレナリンが高まる感じである。古本は2ドルから。コレクターアイテムや、目玉商品の中にはバラック・オバマやロジャー・エバートの直筆サイン入り書籍や、「A Game of Thrones」の著者のサインの入った修正前の校正原稿などもあり、そういう本は千ドルを超える値がついている。外国語書籍の書棚には日本語の本もけっこうあって、でも中国語と混ざっちゃってるのがわかる人にはちょっと悲しかったりもする。図書館は年に1度のこのブックフェアのために10ヶ月を費やして本の寄付を募り、4日間のイベントは200人以上のボランティアによって運営され、売り上げは図書館の維持運営費となる。本の洪水に溺れて、さんざん彷徨い迷った果てに、ワタシも古い匂いのする何冊かを我が家に持ち帰ることにした。来年はウチにある読まない本をここに寄付することしよう。

今年で31回目を迎えるというシカゴの名物イベント
一見無造作に見えるけれど、きちんとジャンル分けされた12万冊が
図書館の6つの部屋に分かれて陳列されている。
4日間のイベントのためだけにその分類作業をするわけで、
考えただけでも気の遠くなる仕事だ
気になる本を見始めたら、もう何時間でもここで過ごせます
125年の歴史を持つニューベリー・ライブラリー
重厚な建物の入り口をくぐっただけで、空気が古書の匂いになる。
アドレナリンが高まる瞬間

シカゴ・フィールド・ミュージアム

平日のフィールド・ミュージアム。訳あって、現在開催中の特別展、北欧バイキング展を訪れた。バイキングについてなど今までほとんど考えたこともなかったけれど、インカやマヤ同様、厳しい暮らしの中で社会を形成し文化を育くみ、そしていなくなった民族の謎が、発掘と最新のテクノロジーによって解明されて、ワタシたち一般の人々にも楽しくわかりやすく紹介されている。元々はスウェーデン国立博物館で作られた展覧会をここフィールド・ミュージアムに持って来たわけだけれど、さすがはフィールド・ミュージアム、情報たくさん、見応えたっぷり。解説を読む→展示物を見る→インタラクティブで遊ぶ→感嘆する→考える→また戻って読む….を繰り返していたら、この特別展だけで時間はあっという間に過ぎてしまう。だいたいこの博物館に来て、館内全てを1日で鑑賞するなんてことは到底ムリなのだ。今までに何度も訪れた博物館だけれど毎回思うこと….あぁ、また来なくちゃね。

たくさんの情報と
インタラクティブなアクティビティに溢れたバイキング展
フィールド・ミュージアムの目玉とも言える恐竜の展示。
合計したら館内にはいったい何体いるのだろう
吹き抜けの広いロビーは気持ちのいい空間
さすがはシカゴの博物館。
先日NHLのチャンピオンシップに輝いた
ブラックホークスのTシャツを着た彫像と、
旗をくわえた空飛ぶ恐竜


Wednesday, July 22, 2015

高架下

ウチのすぐ近くを走るシカゴ名物の高架電車エル。その高架下を庭として私物化している住人がいる。線路を支える天井からカラフルな旗とビーズをいくつもぶら下げて装飾し、普通はゴミだらけになってしまう高架下の地面の芝生もきれいに手入れされている。パラソルを広げテーブルクロスを敷いたガーデン家具や、カウチも置いてある。とてもリラックスできる空間には見えるけれど、10分おきに頭上を通るオンボロ電車のものすごい騒音と、線路との摩擦で降ってくる火花ってどうなんだろう。枕木と枕木の間は空が見えるくらいスカスカだし。ワタシなど、走っている電車の下には一秒たりともいたくないけれど、これも愛するシカゴの風物詩のひとつと思えば、心中してもいいのかも。


Tuesday, July 21, 2015

湖上にて

お天気がよくさわやかで、これ以上は考えられないくらいに最高の夏の日が今週に入ってから続いている。そんなウィークデーの夕暮れにヨットで湖上に出た。ちょうど良い具合の風にのってほどよいスピードで湖上をすべる。刻一刻と変わる空と水の色。ぽつりぽつりと灯がともっていくレイクショア・ドライブと高層ビル群。この上なく落ち着いたいい時間が流れる。ああ、これだからシカゴはやめられないのだ。


Sunday, July 19, 2015

日本祭り

暑い暑い。久しぶりに夏らしい日差しの日曜日。郊外のアーリントン競馬場で開催されたJapan Dayに顔を出した。シカゴ地区に数ある日本祭りの中でも最大規模のこの日本祭は、今年で2回目という新しいイベントにもかかわらず、武道、コスプレ、J-pop、ニッポンのジャンクフードなどをくまなく網羅し大盛況の様子。中でもこの1~2年で大ブームを起こしているラーメンは、3店舗も出店していてどこも大行列。麺もスープも程よくグッド。暑いさなかに多くの外人さんたちがふーふーラーメンを食べる姿はとっても微笑ましいのだ。汗だくになって大きな声でお客さんを呼び込む関係者の人たちも、これだけ盛況ならやりがいがあるでしょう。お疲れさまでした!

ブームを反映して立ち並ぶラーメン店
日本祭りでラーメンをすする白人さんたち。
ちょっと前なら考えられなかった光景だ
日本祭りには欠かせない武道のデモンストレーション
キティちゃんやコスプレもののお面も人気
競馬場だけに、ホースレースもやっています。
いいお天気の中、整備されたトラックを走る馬たちが美しい