Wednesday, December 5, 2012

R.I.P. デイブ・ブルーベック

ジャズ・ピアニストのデイブ・ブルーベック氏が亡くなった。あと1日で92歳だったそうだ。シカゴに引っ越して来たばかりの頃、 コンサートの案内の広告に彼の名前を見つけて、わおーっ、こんな人が来るんだ!と迷わずチケットを購入したっけ。当時ですでに80歳をとうに超えていた。舞台の袖からお付きの人に支えられ杖をついて登場し、大丈夫なのこのおじいさん、と思ったのも束の間、演奏が始まるやいなやまるっきりの別人。もうちらっと弾いただけで、おおー、デイブ・ブルーベックだ!って音なのだ。そしてバンドをリードするその姿は生き生きとしてかっこよく、生演奏の醍醐味に満ちた本当に楽しいコンサートだった。演奏が終わってまたお付きの人に支えられてよぼよぼと舞台の袖に引き上げて行く姿を見た時に、あぁ、生きてるうちに聴けてよかった〜と思ったけれど、その後何度もシカゴを訪れて演奏しているのを知るにつけ、音楽の宿った彼の生命力に感嘆していたのだ。2009年に医者に飛行機での旅を禁じられてからは、1日350マイルを車で移動しながらツアーを続けていたんだって。だいたい60〜70年代あたりにブレイクしたジャズメンたちは不良で素行も悪いから長生きしなかったのに、この人にはジャズの神様がついていたのね。なんと、明日の92歳の誕生日には、地元コネチカットでバースデー・ギグが予定されていたんだそう。弾く気だったんだねぇ、明日も。ギグはブルーベックのトリビュートに形を変えて、予定通り行われるそうだ。

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