Sunday, December 2, 2012

警官犬を撃つ

酷い話である。シカゴで大きなジムを経営する働き者でお金持ちのAさん。レイクビュー北の大きなお屋敷が並ぶ一角に住んでいる。きのうの土曜日、自宅の目の前の駐車禁止の場所に自分のバンを一時的に停めていたところ、取り締まりに巡回している警官の目にとまり、チケットを切られそうになったのだそうだ。「ごめん、ごめん、今すぐ動かすから」と、あわてて家から飛び出した。何かイヤなことがあってイライラしてたのか、週末に働かされて機嫌が悪かったのか、あるいは大きなお屋敷街を廻っていて憂鬱になったのか、もしかしたらAさんに気に障ることを言われたのかもしれないけれど、その警官、一緒に家から飛び出して尻尾を振って喜んでいる生後7ヶ月の犬に向かってパーン、パーンと発砲。1発はお腹の下に、もう1発は足に当たった。救急車が呼ばれて(何しろお金持ちのエリアだからね)犬はERに運ばれ、そんな大騒ぎの中、警官は違法駐車のチケットをしっかり切って帰ったんそうだ。

すぐに手術を受けて命は取り留めたものの、犬は今も動物病院で治療中。そしてその医療費は現段階で8000ドルだって。もちろんどんな精神状態であったとしても、真っ昼間の住宅街で犬に向かって発砲するなんて、公職にある警官のとる行為として受け入れられるものではないし、お金持ちのAさんは立派な弁護士を雇って、シカゴ市警を訴えるだろう。そして勝訴。その賠償金はどこから出るのか。市民の税金である。あぁ、なんてアイロニー。

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