Thursday, March 31, 2011

隣人の思いやり

ウチの近所に韓国人の夫婦がやっているクリーニング屋さんがある。時々ひどい仕事をすることもあるけれど、概ね気に入っていて、ここ数年ずっとお世話になっている。今日も仕事の帰りに、預けてあったクリーニングを取りに行った。How are you? から始まって、伝票を渡すとおじさんが衣服を出して来て代金を計算するという一連のやりとりのあと、11ドル70セントを支払った。すると「ミセス・タカハシ...」とふいにおじさんが受け取った代金を返してくれ、これはわたしの日本の人たちに対する気持ちである、今回の震災に本当に心を痛めている、寄付として受け取って欲しい、と言うのである。あまりにも予想外のジェスチャーにびっくりしてしまった。そして感激した。たまたまバッグの中に、職場の友人たちから預かった寄付金袋を持っていたわたしは、あなたのこのお金はこの寄付金と一緒に必ずちゃんとした組織を通して被災者の元へ送ります言ったところ、おじさんはレジスターを開けてさらに20ドル紙幣を渡してくれたのだ。わたしは今まで、日本が中国や韓国から支援される国になるなんて、思ってもみたことがなかった。あぁ日本は被災したのだ、という実感とともに、いつもまわりにいる人たちのの優しさと温かさに、多くのことを学ばせてもらっている今日この頃である。

Wednesday, March 30, 2011

わたしたちにできること

自分にできることはなんなのか? 震災以降、多くの人が自問自答していると思う。被災地からこんなに離れたアメリカ・シカゴでもそれは同じで、かといって現地へすっとんで行ってお手伝いができるわけでもなく、結局は募金活動ということになるのだろう。そんなわけで、あちこちでいろいろな組織がチャリティ・イベントや募金活動を始めている。わたしのEメールのインボックスは今、そんなイベントや活動のお誘いとお知らせであふれかえっている。被災者を思い何か自分にできることはと募金活動に精を出す....素晴らしいことだ。でも狭い日本人社会なので、どれに目を通しても誰かしら知り合いが関わっているという、つまり断りにくい、という恐ろしい状況でもある。全部に参加して、全部お手伝いして、とやっていたら時間的にも金銭的にもとても大変。そこで考えた、自分にできるいちばん大切なことは何か。わたしにできることは、やっぱり毎日の仕事である。たまたまわたしの職場は人道的奉仕に携わる非営利団体なので、必要としている人に必要な助けを届けるという意味では、直接宮城県や岩手県に届かなくても、仕事を通して社会に役立つことが、究極的にはつながっていく。だからがんばって仕事、行こう。それがわたしにできる、わたしのいちばん得意なことなのだから。募金活動もボランティアも、自分の毎日の仕事をちゃんとやってこそ意味があるのだ。

Saturday, March 26, 2011

さようならイタリア、楽しかったよ!

最終日、翌朝のフライトが早いため、イタリア最後の夜はベニスの空港すぐそばのマリオット・ホテルに泊まる。今回の旅行ではいちばんリーズナブルなお値段で、でももしかしたらいちばんいいホテルだったかも。情けない話だが、アメリカ系ホテルに入るとちょっと安心してしまう。早朝6時の飛行機でイタリアを発ち、アムステルダム、フランクフルトを経由してシカゴにもどる。ウチのダーリンは、フランクフルトの空港でフランクフルト・ソーセージを食べることを楽しみにしている。でもフランクフルト・ソーセージってホントにあるの? スパゲッティ・ナポリタンが日本のオリジナルでイタリアには存在しないように、フランクフルトも和製ソーセージなんじゃないのかなぁ....

Friday, March 25, 2011

ベニス (2)

ローマでも思ったことだけれど、この歴史的美しさを維持するために、ここで暮らす人たちはいろんな便利を犠牲にしているのだろう。たとえば、下水とかはどうなってるのとか、ゴミの収集はどうしてるの(街はホントにきれい。道にゴミなんて全く落ちていない。まさにディズニーランド的!)とか、そういう2011年的な便利さをこの歴史的構造の中でやっていくにはたいへんな工夫が必要で、お金もたくさんかかると思うのだ。したがって、この街の物価は異様に高い。ホテルも食事もみんな高い。ゴンドラは30分で50ユーロ(72ドル!)まぁ観光客相手だからね、乗らなかったけど。それからヴァポレット(水上バス)の1回料金は6.5ユーロ、米ドルにして9ドル50セントだ。どこの都市に、バスや地下鉄などの公共交通機関の初乗りが9ドルするところがあるだろうか! でもちょっと観察しているとわかることだが、簡単にタダ乗りできるのである。誰もチェックしていないし、チケット通さなければ通れなくなっているようなゲートもない。そんなことだから、とれる人からは6.5ユーロもとらなくてはやっていけないのでは? だいたいイタリアはそういうことが多すぎる。いい加減なのだ。人々は平気で割り込む。知らないことを知らないと言わずにテキトーなことを言う。犯罪率は高い。人ひとりひとりは、とてもフレンドリーであったかい感じなのに、何か大きなところでこの国はシステムがおかしい。豊かな過去を維持するために、働いてたくさんの税金を払わなきゃならない人たちは、もういい加減やんなっちゃってるんじゃないのかなぁ。

Thursday, March 24, 2011

ベニス (1)

職場のもうひとりのレイコさんのたっての推薦で、急遽旅程に組み入れたベニス。ディズニーランドみた~い! と、足を踏み入れるなり思わず言ってしまった。ここはおとぎの国だ。車のない街。運河、ゴンドラ、迷路のように入り組んだ石畳の路地と両側の古い建物。かつて人々が行き交ったであろう狭くて古い道を歩くと、そこにぎゅ〜っと凝縮された、住んでいる人の歩みとか心のようなものも感じる。歴史の一コマに迷い混んだような美しさが、2011年の日常を忘れさせてくれる。どこで撮影しても絵になる。

ローマ (3)

あぁ、しかしすごい人だ。日本でいえば、京都? 一般の旅行者に加えて修学旅行のこどもたちもやたらと多く、どこにいっても人混みだ。スペイン階段はあまりの人で地面が見えないほどだし、トレビの泉はラッシュアワーの東京駅かと思うほど。真実の口では係員が「写真はひとり一枚って言ってるでしょ~」って怒ってるし、バチカンに並ぶ人たち、アンビリーバブル! 割り込み、ぼったくり、スリ... などなど、超観光地にありがちな小さな犯罪が横行している。食事はおいしいし、個人的に話しをすれば人々はみな明るくフレンドリー、リッチな歴史....と、イタリアはとても魅力的なところなのに、永遠の都は人多すぎ。ちょっと残念だなぁ。

Wednesday, March 23, 2011

ローマ (2)

それにしてもローマは遺跡好きにはたまらないね。誰でもツルハシを持ってそのへんを掘ってみれば、どこでも遺跡が出てきてしまいそうだ。コロッセオを出発点に、街中に点在する遺跡やら広場やら教会やら、ホントによく歩きまわった。しかしこれだけの遺跡やら、ルネッサンス時代からの建築物やアートやらがこの密度で一カ所にあるのは、世界でもおそらくここがいちばんなのでは。世界中の富がここに集まっていた時期があるんだなぁ。でも富に任せてバカでかい建造物やら、豪華絢爛な教会やらを造ったはいいけど、あとが大変。これって維持していくのに莫大なお金がかかると思う。いつかフィレンツェについて書いた何かの本で、「なにも変えちゃいけない、なにも新しくしてはいけない。フィレンツェの人々は過去を守るためだけに働いて税金を納めている。過去のために現在を生きる人々....」といったような文章を読んだことがあったけれど、ここローマもきっとそんな感じなんだろう。東京にも、都庁をはじめとして、バブル時代以降、莫大なお金をかけた有名な建築家によるかっこいい建物がたくさん建ったけれど、何年も先の世代の人たちに、あとの人のこと考えて造ってよねぇ、って言われたりするのかしら。

Tuesday, March 22, 2011

ローマ (1)

ナポリから高速列車に乗って1時間10分、ローマに到着した。ヨーロッパの列車旅は優雅な印象があってとても楽しみだったが、全席指定の車内は満席でちょっと窮屈。1時間ですんでよかった、という気もしないでもない。それにしてもみんなよく移動するのね。

ホテル Capo D’Africa は、職場の同僚のジェーンが去年泊まって気に入ったということでお薦めしてくれた。ロケーションも遺跡好きにはもってこいで、コロッセオから歩いて5分ほどだ。といっても遺跡のような重厚なアンティーク調のホテルではなく、モダンに改装された小さなデザインホテル。明るくて清潔だし、フロントの応対もとても親切で感じがよかった。フロントで紹介してもらった近くのレストランは2軒とも、観光地の喧噪から逃れた静かな時間を過ごすことができ、しかもとてもおいしかった。

Monday, March 21, 2011

ナポリのピザ

ナポリで食べたかったもの、それはなんといってもピザでしょう。日曜と月曜、2日続けてピザの夕食。2日ともシンプルにマルゲリータ。特に2日目の、大きな広場に面した10人も入ればいっぱいという感じの、おとうさんと息子でやっている小さな庶民的なピザ屋さんで食べたピザは忘れられないおいしさだった。ナポリのピザは皮に特徴がある。もちっとしていて、インド料理のナンにちょっと似ている。わかったことは、その皮が決めてだということ。結局ピザは皮を食べるもの、上に載せる具は皮をおいしく食べるための脇役だと考えたほうがいいのだ。とにかく皮がうまい。焼きもほんの数分という感じなのではなかろうか。シンプルなマルゲリータはこのおいしい皮のおかげで、やめられないとまらない状態。いくらでも食べられそうだ。シカゴに帰ったら、シカゴのスパカ・ナポリにも行ってみよう。あ、あんまりおいしかったので写真撮るの忘れた!

ナポリ

ナポリで歩きたかった場所、それはスパカ・ナポリだ。シカゴにそういう名前のピザ屋さんがあって、気になって気になってしょうがなかったのだ。スパカ・ナポリはナポリの歴史地区にあるひとつのエリアで、スリのメッカだと聞いていたので緊張しまくりで行ったのだが、日曜の午後だったせいか人も少なく店もほとんどが閉まっていて、少し閑散とした感じだった。でも人が少ないせいで写真を撮るにはもってこい。100年前から変わってなさそうな商店の外観や、3~4階建ての古~い建物に挟まれ、太陽を遮られた細くて暗い石畳の路地、見上げれば洗濯物、というようなナポリらしい絵がファインダーにおさまってくれた。

カプリ島

 本当は世界遺産のアマルフィ海岸に行きたかったのだけれど、時差ボケで寝坊して早朝出発ができず断念。近場のカプリ島にナポリから高速船に50分揺られてやってきた。カプリ島は「青の洞窟」で有名な島。わたしにとっての「青の洞窟」とはレトルトのスパゲティ・ソースの名前だったので、実物がこんなところにあるとはまったく知らなかったのだが、光の屈折の加減で海の青が幻想的に変化するという不思議な洞窟らしい。ただし洞窟の入り口が狭いため、ほんのちょっとの波の荒れでも入ることができないという稀少価値の高い観光地なのだそうだ。そしてわたしたちの行ったこの日も、ちょっと波があるとのことで入ることはできなかった。う〜ん残念。その変わりに遊覧ボートで島のまわりを1周した。1時間ほどでまわれる可愛い島は、古代ローマの皇帝たちの別荘地だったそうで、急な斜面にびっしりと家が立ち並ぶ美しい町並みや、大金持ちの別荘が印象的だ。船を下りたあと、マリーナから島の高台にあるダウンタウンまで足を延ばした。人ひとり通るのがやっとというような細い路地が急な斜面に隠れるように続いている。そしてその路地の両側にかわいい住宅が建ち並んでいる。後ろを振り返れば、美しいマリーナ、紺碧の地中海の向こうにはナポリの街が遠くに見える。家々の庭にはレモンの樹。庭にレモンがなってるってちょっとどうよ! ステキだわ〜 カフェで飲んだブラッド・オレンジとレモンをミックスしたジュースは、う~ん、一生モノのおいしさだったかも!

Sunday, March 20, 2011

ポンペイ

わたしはわりと遺跡が好きである。遺跡の中に、かつて何百年何千年前にそこに暮らした人々がいること、そしてその様子を頭の中で勝手に映像化してわくわくしてしまうのだ。ポンペイは2000年前のベスビオ火山の大噴火時に、火山灰に覆われて一瞬にして消滅してしまった都市の遺跡である。火山灰のその何か科学的成分のおかげで、ほとんど原型が保たれたまま2000年の後に発掘され、人までが化石になって(昔の人って小さかったのねぇ)発見された古代都市だ。広大な敷地の中に目を見張るような数々の遺跡が点在している。びっくりするほどの保存状態の壁画やタイルのモザイク、馬車の轍が残った石畳、ストーブのあとがしっかりと残ったキッチン・カウンター、ここは絶対に商店街だったとわかる町並みなど、すごいすごいの連発とシャッターの押しまくりだ。でも残念なのは、非常にわかりにくい見学順路や、これで12ユーロはぼったくりだろうと思わずにいられないお粗末なオーディオガイド。壺など数々の遺留品たちを、棚に並べてただ1カ所にまとめてあるだけの展示方法。人の化石もこの展示の仕方ではどのような状態でどのように見つかったのかもわからず、その説明もその場にはない。せっかくの世界遺産であるすばらしい遺跡も、このやり方では、残念だがわかりにくくて....と思ってしまうのは、アメリカのテーマパークや国立公園などエンターテインメント王国のわかりやすいシステムに慣れてスポイルされてしまったわたしだけ?

イタリア旅行

あまりにもショッキングな震災のあとで、休暇気分にもなかなかなれないのだが、前から予定してたし、フライトもホテルも予約しちゃってるし... ってことで来てしまった、イタリア。人生には時々、春休みが必要なのだ。

シカゴからニューアーク、ローマと乗り継いで、最初の目的地ナポリ到着。ナポリはイタリアでも最も治安の悪い都市で、スリとかそういう簡単なものから凶悪犯罪まで、ありとあらゆる犯罪のオンパレードと聞いていたので緊張しまくりだった。予約していたホテルのパッケージに空港出迎えがついていたので、空港-ホテル間のトランスポーテーションは安心していたのだが、のっけからイタリア人のいい加減さに、やられた! 着いてみると迎えが来ていない! 電話を入れたらアイム・ソーリーを連発され、陽気な運転手のルイージが20分で来た。ホテルまでの信号無視当たり前の乱暴な運転の合間に、しゃべりっぱなしのルイージに、半日ツアー、一日ツアーなどさまざまなツアーの売り込みをされる。

ホテルはナポリのほぼ中心にあるRenaissance Hotel。空港送迎と朝食とポンペイ・半日ツアー込みの2泊パッケージはなかなかお得だ。なぜイタリアに来てまでアメリカのチェーンホテルに泊まるのか、というちょっと悲しい気持ちはあるけれど、お得さと便利さには替えられないのだ。

予約してあったポンペイ・ツアーに、その日の午後、ルイージに連れていってもらうことにする。遺跡に到着するまでの道のり、案の定、カメオの工場直売店と、この地方特産のレモンのリキュール・レモンチェロのお店に連れて行かれる。観光ツアーにお店訪問はつきもの。ルイージもやっぱりリベートもらってるのね。何も買わないわたしたちは、あんまりうれしいお客じゃなかったかも、ごめんね。

Monday, March 14, 2011

がんばろう、ニッポン

覚えてますか。年頭のオバマ大統領の一般教書演説に韓国や中国はいっぱい出てきたのに、日本という言葉は一度も出てこなかったこと。そう、最近はアメリカにいても日本についてへの関心や日本についての報道を聞くことがあまりなかったのだ。でもさすがにここ数日、メディアは日本の地震と津波の被害一色だ。そのなかでも、日本人についてのコメントにはうれしいものが多い。「ハイチの数倍もの威力の地震に見舞われながら、人々の目を見張るような優れた対応」「災害に対する準備の周到さと我慢強さ」「戦後復興に見せた時と同じたくましさで、被災地の復興を成し遂げるであろう」などなど。もちろんこれだけの被害に見舞われたのだ。たくさんの命が失われた。立ち直るのはやさしいことではない。でも忘れられたかな、と思っていた日本への関心や日本人への賞賛のまなざしがまたもどってきたのだ。強い日本にみな注目してる。がんばろう、ニッポン!

Friday, March 11, 2011

地震

大変な地震が発生した。海外にいると何もできず、ただ心配するだけだ。被害がこれ以上広がらないように、必要としている人たちに必要な救助の手が早急に届けられることを願ってやみません。

Thursday, March 10, 2011

入試カンニング事件

京都大学入試カンニング事件が巷を賑わしている。学生が問題を解いているまさにその瞬間、ネット上に試験問題が流れ、その答えもまた掲示されたいうものだ。大学側はカンニングの悪質さに憤慨し、問題を流した受験生は、なんとかかんとか業務妨害という罪で逮捕された。でもさぁ、カンニングなんて昔っからあるわけで、ただのカンニングなら見つかれば退場させられ受験資格が剥奪されて、その年のその受験はハイさようならってことですむのに、やり方が斬新ってことだけでメディアがこれだけ騒いで、ついには逮捕までされちゃうってのもなんか大げさすぎる気もする。本人は「見つからないと思ったのに~」くらいにしか思ってなかったかもしれないし。でも逮捕されちゃったらもうこの先どこの大学にも入れないだろうな。なんだか将来がつみとられてしまったというか... まあ大学などに行かずとも、この機転の速さと情報収集力を生かして、IT業界で大物になるとか産業スパイになるとか、そういう生き方でがんばってもらいたいと思います。

ちなみに求められた英訳の質問は「楽しいはずの海外旅行にもトラブルはつきものだ」 この質問に対して返信された解答のベストアンサーなるものは「Problem should be fun to travel abroad is inseparable」だそうだ。これって、意味通ってます?

Wednesday, March 9, 2011

たまご

友人のトリーシァが卵を1ダースくれた。彼女の職場の友だちの家のある農場で、毎朝産まれる卵だそうだ。自然でフレッシュ、そしてなんといっても美しい! バラエティ豊かな殻の色。リッチでしっかりとした黄身の、輝くようなオレンジ色。こんな卵はスーパーではちょっとお目にかかれないだろう。というわけで、久しぶりの生卵! 今夜はすき焼き。明日の朝はTKG、たまご・かけ・ごはん、だね。


Monday, March 7, 2011

END POLIO NOW チャリティ・コンサート

ポリオ(小児麻痺)は怖い病気だ。ウィルスに感染して発病すると腕や足が麻痺して四肢の自由を奪われる。ひどい場合は呼吸機能までが麻痺して人工呼吸器なしでは生きられなくなる。わたしたちはこの病気を全世界的に根絶しなければならないのだ... というわけで、ロータリーの「END POLIO NOW」ポリオ撲滅キャンペーン。このキャンペーンがここ数年のわたしの仕事の多くの部分を占めている。今日はそのチャリティ・コンサートでシカゴ・シンフォニー・センターに出かけた。世界的に有名なヴァイオリン奏者で、ポリオ・サバイバーでもあるイツァーク・パールマンをフィーチャーしたシカゴ・シンフォニーのコンサート。指揮者もやはりポリオ・サバイバーのジェームズ・デプリーストだ。それにしても、着飾った人々で賑わうホールのあちこちに自分の関わった作品がディスプレイされているというのはなかなか気持ちのいいものである。ついついうかれてバナーと一緒に写真をとってみたりして。でもなんといっても素晴らしかったのはコンサートだ。車いすにすわったままタクトを振るデプリースト。杖をいすの両脇に横たえて、表情豊かに美しい旋律を奏でるパールマン。メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲に、アンコールは「シンドラーのリスト」。演奏を終えて杖をつき、舞台袖に帰っていくパールマンのうしろ姿には満場総立ちで拍手が贈られた。わたしごときの仕事などほんの小さな一部分に過ぎないが、それでもこんな素晴らしいチャリティ・イベントの一端を担えたということに感動を覚えた夜だった。ふぅ、また明日からもまたなんとかやっていけるかな。


Saturday, March 5, 2011

矢野顕子コンサート

春がなかなか来ない。3月に入ったというのに今日は吹雪。まだまだ冬景色だなぁ。そんな悪天候の中、矢野顕子さんのコンサートに行ってきた。観客のほとんどは日本人で、ノースウエスタン大学のStaiger Concert Hallという、小さいけれどとてもステキなホールでの対話的なコンサート。矢野さんもアメリカで生活する人なので、この冬はたいへんでやんなっちゃったよね、雪はもういいわよねぇ~とか言ってくれて、そんなひとことがこの偉大なミュージシャンをとても身近な存在に感じさせてくれた。始めから終わりまで常に満面の笑顔。本当に楽しそうに歌う。そして言うまでもなくピアノパワーはすごかったわ。30年前に「ごはんができたよ」で衝撃を受け、それ以来ず~っとアッコちゃんファンのわたし。新宿厚生年金ホールやNHKホールなど、彼女のコンサートには今まで何度も行ったけれど、日本からこんなに離れた街のこんなに小さなホールでまた会うことができるなんて。吹雪の夜に、あったか~い気持ちとポジティブなエネルギーをたくさんもらいました。アッコちゃんありがとう、また来てね!