Wednesday, July 31, 2013

ビーチバレー

この時期には毎年この話題ではあるが、ノース・アベニュー・ビーチでは今年もビーチバレーのトーナメントが盛り上がっている。5月末から約2ヶ月間の勝ち抜き戦。老若男女が入り交じり、ビキニ姿でかっこよく白熱しているチームもあれば、楽しそう〜なんだけれどど〜にもならない、笑いを誘うチームもある。何年か前に友人に誘われて1回だけ参加したけれど、ど~にもならないのでクビになった。夕方のビーチの元気な若者たちの姿に、仲間に入りたいな~と思いつつも、横をすっと駆け抜ける孤独なランナーのワタクシなのである。


Monday, July 29, 2013

ムービー・イン・ザ・パーク

ご無沙汰しておりますが、シカゴ・ブログ再開します。

7月4日の独立記念日を過ぎてしまうと、アメリカは夏も後半という感じになってしまうのだけれど、それでも大好きなシカゴの夏である。夏は夏のうちに楽しまなくっちゃ。今シカゴは、東京よりペルーより通常のシカゴの夏より、ずっとずっと涼しくて、爽やかで気持ちのいい毎日。でもここはシカゴである。そんなお天気がそう長く続くとは思えず、そんな夜は迷わず、ベルモント・ハーバーへMovies in the Park

まだ明るいうちに公園に到着すると、空気を入れて膨らますスクリーンがちょうど出来上がりかけたところで、個人のラップトップ・コンピューターからプロジェクタを通して映写するという、手作り感たっぷりの映画会。早めに到着しているお客さんはみんな芝生にごろんとしながら、お弁当を食べたりこっそりワインを飲んだりとリラックス・ムード。「暗くなったら」上映開始、という大雑把な時間設定もなんともゆるい。シーズンに2回くらいしかやらないけれど、入場は無料だし、スポンサーがポップコーンまで用意してくれていて、なかなかお得なイベントなのだ。今晩の作品は1934年の白黒ハリウッド・ムービー「It Happened One Night」 当時そういう言葉があったかどうかは知らないが、クラーク・ゲーブルの「ロマンティック・コメディ」だ。ゆる〜い夜に古き良き時代のゆる〜い笑い。上空をオヘア空港に着陸する飛行機が飛んで行ったり、レイクショア・ドライブを走る車のクラクションが聞こえて来たりたりするのも、屋外ならではのステキなノイズ。500人くらいは集まっていたかと思うけれど全然混雑している感じはしないし、なんと言っても、家からサンダル履きでイスを抱えて歩いて来れる気軽さがいい。暗くなってから始まるから、終わるのは11時近くになっちゃう。ゆるゆるを引きずったまま家路につくけれど、これで明日仕事がなければなぁ…. あぁ、月曜日だったのだぁ〜


Friday, July 19, 2013

チチラカ・ホテル

いろいろと考えさせられるチチカカ湖での2日間だったけれど、標高3800メートル、世界で一番空に近い湖は、きりりとした冷たく乾いた空気の中に静謐な水を湛えた、広大で美しいPachamama(母なる大地)だった。滞在したのは、プーノのダウンタウンから車で1時間ほどのチチラカ・ホテル。湖と農家以外まわりにはなぁんにもない場所に、部屋数オンリー16のこの可愛いデザイナー・ホテルがある。部屋は狭くてちょっと使い勝手は悪いけれど、客室もダイニングルームも、大きい窓一面が全部湖という最高の眺め。もちろん仕事はきっちりしているのけれど、ホテルで働く人々はみんななんとなくシャイで、あんまりプロっぽくなくて、そんなところはチチカカ湖の村々で出会った現地の人たちとよく似ている。洗練されたリゾート地とはひと味違う無垢な暖かみのあるホテルだった。バラエティは少ないものの食事もとっても美味しくて、またもどって来たいと思う場所になった。また来られるかな、ペルー。いい旅でした、ありがとう!

アーティストの作品が並ぶロビー
大きな窓で明るいラウンジ・エリア
朝食のフレンチトーストの向こうはチチカカ湖
カラフルなクラフト満載、ギフト・ショップ
テラスでくつろぐにはちょっと寒かったけれど....
焚き火のまわりでハッピー・アワー
夕刻のテラス
ディナー・タイムのダイニングルーム
ローカル産の豆とコーンのサラダ
ユッカのニョッキ
キノアのリゾットとラム肉のペスト・ソース
チェックアウト直前に雨が上がって虹が出た!

ウロス島

確か「世界ウルルン滞在記」で見たことがある。トトラと呼ばれる葦を重ねて作った人口の浮島が集まった部落、ウロス島。プーノから1時間くらい、やっぱりスピードボートとは名ばかりの船で訪ねることができる。トトラで出来た島には、やはりトトラで出来た学校や病院など島民向けの施設のほか、レストランや商店、宿泊施設など観光客向けの施設まで一通り揃っている。島民は昔ながらの漁業を中心に暮らしているという話しだけれど、しかし、島は完全に観光客向けのアミューズメント・パークと化している。スピードボートが近づいていくと、管制の役割を果たしているような船から、60〜70ほど浮いている各島の中のどの浮島を訪れるかの指令が出て、指定された島ではカラフルな民族衣装に身を包んだ女性たちが手を振ってお出迎え。上陸すると、まずは座んなさいよとトトラでできたベンチに座らされ、島の頭領のような人がミニチュアを使ってウロス島の成り立ちと、トトラの島の構造やどうやってトトラで家を作るのかなどのレクチャーをしてくれる。レクチャーのあとには、おうち訪問。トトラで出来た家の中にはベッドがありテレビもある。きっとインターネットもあるんだろうな。そして、民族衣装を着せてやるから写真を撮れという。そのあとはお決まりのお土産買え買え攻撃。希望者は「メルセデス・ベンツ」と呼ばれているトトラの船に乗って、女性たちの歌に送られながら島の周りを1周するツアーに連れて行ってもらっていたけれど、この時点でワタシは完全に興ざめしてしまい、ツアーはパスして、ピースフルな浮島の群れをぼーっと眺めていた。よく見ればどの島でも同じようにミニチュアを使った観光客向けのレクチャーが行われ、「メルセデス・ベンツ」を送り出す歌があちこちから聞こえてくる。きっとこの島の観光価値に目をつけた行政か業者が、観光用のプログラムを開発して島民に一斉に研修を行い、島をこのようにマニュアル化されたアミューズメント・パークにしてしまったのだろう。トトラを束ねたり、おみやげものを作ったりしながら、一日に何回あるかわからない観光客の訪問を待って毎日を暮らしている人たち。それはそれで幸せなのかもしれないけれど、狭い草の島の中で無邪気にはしゃぐ民族衣装を着た子どもたちを見て、人は生まれるところを選べないのだなぁと、ここでもまた感じてしまったのだった。

スピードボートで近づいていくウロスの部落
ひとつひとつの浮島は
サッカーのコートひとつもないくらい小さなもので、
島間の移動はボート
島によってはゲートや見晴台などがとてもアーティスティック
手を振って迎えてくれる島のおばさん
ミニチュアを使ったレクチャー
トトラで出来た家。この中にベッドや液晶テレビが。
すっかり見慣れたお土産屋さんの風景
メルセデス・ベンツ
とってもピースフルな風景だ

Thursday, July 18, 2013

チチカカ湖とタキーレ島

翌朝はチチカカ湖に昇る朝日で目を覚ました。静かな水面にかかる厚い雲の切れ間を射すように抜ける強い朝日。空気が冷たく澄んでいるのが部屋の中からでもわかる。いい天気になりそうな予感。

チチカカ湖の夜明け

ホテルのハーバーから、スピードボートとは名ばかりの古〜いボートで約1時間、かなりちゃぷちゃぷな波に揺られてほとんど船酔い状態になりながら、タキーレ島に着いた。なんにもない素朴な島は、ケチュア族というインカ以前からの民族の末裔が、少数ながら今も昔ながらの伝統を守って生きている島。島民は農業と漁業、そして手作りの織物を生産して暮らしている。島の自然とその生活様式を守るために、島全体がユネスコの無形文化財に指定されているのだ。島はまるで天国かと思うくらいに本当に美しい。空気が薄く澄んでいるからか、何もかもが色鮮やかに見える。島の頂上の広場では、島民が薬草を利用した石けんの作り方や、織物の作り方のデモンストレーションしてくれる。女の人たちはあまり外の人と話をしてはいけないのだそうで、話かけてもシャイな微笑みをちらっと見せるだけ。貧しい島の人たちは常にサポートを必要としているわけだけれど、お金はあげないで欲しいと言われる。お金は島民を怠け者にしてしまうから。代わりに彼らの作る織物を買って欲しい。そして値切らないでね、ということだ。なるほど。何かひとつ買ってあげようと、地面に並べられた数々の素晴らしいテキスタイル製品の中から、迷って迷って迷ったあげくに、きれいなサッシュベルトをひとつ選ぶ。70ソレス。そして100ソレスの紙幣を渡したら女性はお釣りの計算が出来なかった。スペイン語でお釣りの額を教えてあげても、いまひとつ納得がいかないようで、指を使って一生懸命考えている。無形文化財に指定された手つかずの自然あふれる美しい島で、素晴らしい伝統芸術の織物を作ってシンプルに暮らしている島民たち。でも計算が出来ない。たぶん文字も読めないのだろう。ここで生まれ、一度も島を出ることなく一生を終える人もいるんだろうな。それはそれで幸せなのかもしれないけれど、人は生まれるところを選べないのだなぁと、つくづく感じてしまったタキーレ島だった。

タキーレ島の船着き場
船着き場からトレイルを上がって行くと....
島の頂上
頂上から少し下ったところに広場がある
自然のシャンプー作りのデモンストレーション
糸を紡いで織物を作る女性だち
美しい伝統工芸の並べられた広場
島ののどかな農家の風景
羊が群れる牧草地
高台から眺める段々畑と静かな湖

Wednesday, July 17, 2013

アンデアン・エクスプローラー

ペルー旅行最後の2日間を、標高3800メートルの世界で一番空に近い湖、チチカカ湖で過ごすためにクスコから列車に乗った。ペルー・レイルの豪華列車「アンデアン・エクスプローラー」でプーノまでの10時間は「世界の車窓から」体験なのだ。ファースト・クラス・オンリーでひとり片道250ドルには、一瞬うっとひるんだけれど、ペルーなんてもうきっと来ないよなぁと思えばここは大人買い。1日1便、1週間に4回しか走らない単線の列車は、ヒツジの群れが点在するのどかな高原の牧草地帯を、のんびりのんびり走って行く。10時間というとどんなに遠いのかと思うけれど、列車の速度が超ゆっくりなので、実際の距離はそれほどでもない。この日は途中、羊飼いのおじいさんがワタシたちの乗った列車に轢かれて死亡するという残念な事故があり、事故現場で3時間の足留めにあったため、10時間のはずが結局13時間かかってしまった。

クスコの駅を出発するアンデアン・エクスプローラー
マチュピチュ、リャマ、ナスカの地上絵、インカの石組みを
デザインしたペルー・レイルのマークがかわいい
列車最後尾にはオープンな展望車
ウッドと真ちゅうのインテリアがクラシックで優雅な客車内
朝食のテーブル

13時間のあいだには、車掌さんがモデルになってのアルパカ製品ファッション・ショーや、アンデス・フォルクローレのバンドによる演奏と民族舞踊のショーなどもあり、乗客を飽きさせない工夫があちこちに。途中、行程中一番標高の高い地点にあるRayaという駅では15分間停車して、乗客は外に出てその空気の薄さを体験することができる。もちろん、この時間に列車がここで停車することを熟知している近隣住民が、おみやげ物を売りつけようと、手ぐすねひいて待ってもいる。食事をしたりショーを観て楽しんだり、ワタシはインカ・トレイルのブログをオフラインで書いたりしていたら、意外とあっという間に時間が過ぎた。夕方6時半の到着予定を大幅に遅れて夜の10時にプーノ到着。あたりはもう真っ暗で何も見えないから、チチカカ湖とのご対面は翌朝、ということになった。

のどかなアンデスの牧草地帯を走る。
とは言っても標高は3000メートル超。
風は冷たいけれど気持ちのいい後方の展望車
ラウンジ・カーにてアンデス音楽とダンスのショー
朝オーダーしておいたランチ。トラウトのグリル+タルタルソース
デザートはチョコレート・ムース・ケーキ
沿線の田舎町。1日1便、週に4回しか通らない列車なので、
家々や商店はもう線路のギリギリまでせりだしている
この路線で一番標高が高い地点、
標高4319メートルのラ・ラヤで一時停止。
15分間だけ列車を降りることができる
一時停車の旅客に向けて、お土産の露店が並ぶ
ラ・ラヤにも小さくて素朴な教会が
夜の部のショー。
アンデスの民族楽器による軽快な音楽がラウンジ・カーに響く

Tuesday, July 16, 2013

Sacred Valley(聖なる谷)の遺跡

モライはインカの農業遺跡。標高3500mの高地の窪地にインカの石積みによって造られた、美しい同心円状の段々畑だ。畑の最上部と最下部では約15℃も気温が違うのだそう。一説によれば、ここで異なる種類のジャガイモや豆を育て、その育ち具合を調べる実験農場の役目を果たしていたという。他の多くのインカの遺跡同様、すぐれた灌漑システムも整備されていたそう。 



インカ以前の時代から今も現役で使われている真っ白な段々畑はマラスの塩田。高濃度の塩分を含む湧き水をこの段々畑で日干しすることによって塩を生産するそのやり方は、インカの時代から変わっていないのだそう。昨日までいくつも見てきたインカの石積みの段々畑だけれど、まさにここもそれと同じ。4000に及ぶ棚田は、現在20ほどの家族が管理して生活しているそう。精製した塩を袋に詰め、ロバの背中に背負わせてインカの町まで運ぶという何百年も変わらぬ営みを、今も続けているのだそうだ。