Tuesday, July 16, 2013

Sacred Valley(聖なる谷)の小さな村々

マチュピチュをあとにして、温かいシャワーを目指して電車でオリャイテイタンボを過ぎ、ウルバンバへ向かう。この辺り、ウルバンバ川に沿って広大に広がる谷を総称してSacred Valley(聖なる谷)と呼び、かつてのインカの村々が点在している。やはりスペインに滅茶苦茶に壊されてしまった村々には遺跡が残り、人々は観光と酪農業を中心に生計をたてている。屈強なインカの石の家々の遺跡とは異なり、現代の人々は貧しい日干しレンガの家に住み、トイレは屋外、汚れた身なりの子どもたちが無邪気な笑顔で観光客に手を振る。それでも温暖な気候、肥沃な土地と豊富な水は、この地に豊かな収穫をもたらし、うねるように続く広大な牧草地に群れる羊たちと、カラフルなアンデスの衣装に身を包んだ羊飼いの歩く風景は、絵に描いたように美しい。あまりののどさかに忘れてしまいがちだけれど、このあたりでも標高は3000メートル超。ゆっくり歩かないと息切れがする。

マチュピチュからウルバンバ川に沿った渓谷を
ペルー・レイルののどかな単線電車が
Secred Valleyに向けて上っていく
5000メートル級のアンデスの山々に囲まれた牧歌的な風景

Sacred Valleyの中では最も大きな街。トゥクトゥクが行き交い、街には活気がある。プラザ・アルマス(ペルーではどの街も中心は「武装した広場」という意味のPlaza Armas。スペイン・コロニアル・スタイルで、広場に面して大きな教会がある)を中心に、細い路上が碁盤の目のように広がり、レストランやカフェも多い。市場好きには必見の公共市場は、豊富な野菜や果物の宝庫。

高台から見下ろすウルバンバの街
ウルバンバのプラザ・アルマス
庶民の生活が垣間見られるパブリック・マーケット
ポテトの種類が驚くほどたくさん
ウルバンバの食堂で食べた野菜のスープ。安くてシンプルで美味しい
トゥクトゥクの走るウルバンバの路地


標高3762mの小さな街。やはりインカの石組の上に無理矢理建てられたカトリック教会のある街の広場までは、ひっそりとした階段を上って行く。早朝に訪れたこの街は、薄靄がかかっていてとても幻想的。日曜日には昔からの物々交換の交易の習慣が残る大々的な市が立つのだそうだけれど、訪れたこの日は火曜日、広場では数少ない行商さんが小さな露天を開いていた。とてもとても熱心なインカのおばさんの売り込み攻撃に根負けして、インカ・テキスタイルのラグと、このあたりの民家がみな屋根の上に置いて家の安全を祈願する、アンティークの牛の置物を購入。

チンチェロの広場へと続くひっそりとした石畳の坂道
朝靄にけむるチンチェロの広場は幻想的
インカの石積みの上に建てられた古いカトリック教会
歴史から取り残されたような街。行商さんがちらほらと店を広げる
根負けして買ってしまったラグと牛の置物


やはり日曜日に大きな市が立ち、何千という観光客を呼び込むのだそうだけれど、火曜と木曜にも若干スケールの小さい市が立つ。たくさんのハンド・クラフトが並ぶ露店の迷路を抜けると、やはりここもスペイン・コロニアル・スタイルの広場が街の中心。たまたまこの日は、バージン・カルメンのお祝いの日ということで、広場では大がかりなパレードが行われていて、それを見に来た人たちで大変な賑わい。偶然に遭遇したお祭りだったので、どういう伝統なのかとかもう少し調べてみないといけないなとは思うけれど、高原の青い空と乾いた空気にきりりと映えるカラフルなお面や、アンデスの民族衣裳に身を包んだ人々の明るい踊りや音楽は、なんだか別世界。ホントに遠くまで来てしまったのだなぁと実感。

迷路のように入り組んだバザール、
所狭しと並べられたカラフルなクラフト製品
バザールを抜けると街の中心、プラザ・アルマス
バージン・カルメンのお祭りに遭遇
このお面にはどういう意味があるんだろう
パレードをリードするアコーディオン弾き
広場を彩るダンスと楽団
パレードを見物する地元の人々
パレードを見物する地元の人々
ピサックで食べたチキンのグリル。
想像した通りのシンプルな味だったけれど、
オーガニックのチキンはジューシーで美味!
ペルーにいる間にすっかりクセになった
インカ・コーラ

2 comments:

  1. Anonymous8/17/2013

    ワタシ、前世はここの人だったんじゃないかなぁって思うんだ〜。写真だけでスゴく懐かしい気がするの。  あ

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    1. うん、もしかしたらそうかもね。風景に溶け込みそうよ。ただし標高3000メートル超え。心肺が強くないと....

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