Sunday, March 30, 2014

Shamrock Shuffle

シャムロック・シャッフル3年前には走ったこのレースに、今年はボランティアで参加。1年に一度、3月のアイルランドの祝日セント・パトリックス・デーにちなんで行われるこのレースは、お天気が安定しない時期だからか、いつも祝日当日からは2〜3週間あとに行われる。今日は予報では春一番と思われる暖かさになるはずだったけれど、残念ながら気温はそこまで上がらず相変わらずの冷たい風。それでも太陽と青空が気持ちのいいお天気になり、4万人のランナーが、シカゴでは10月のフルマラソンに次ぐ大規模レースである5マイル(8キロ)ランに挑んだ。5マイルのレースとしては世界最大なんだそうですよ。

ワタクシの今日のお仕事は、レースを終えてポスト・レース・パーティ会場に入って来るランナーたちがビールを飲めるように、IDをチェックして、「21歳以上」であることを証明するリストバンドをつけてあげること。このリストバンドをつけていないと、完走者はご褒美のビールがもらえないのだ。リストバンドをつけてあげながら、「完走おめでとう! どうだった、今日のレースは?」と、走り終えて気持ちが高まっているランナーたちとの明るい会話が楽しめるいいお仕事でした。イリノイだけでなく、ウィスコンシン、インディアナ、ミシガン、オハイオ…. 遠方からはコロラド、アリゾナ、カリフォルニア、ハワイまで、今日はホントに様々な州の運転免許証を見たよ。ひとり日本の免許証を持って来たランナーが。「昭和60年○月○日生まれ….」って、チェックする人がワタシじゃなかったらどうするつもりだったんだ!? 

今日のお仕事アイテム
IDチェックのボランティア・チーム全員で記念撮影
こんな感じでリストバンドをつけます。
今日のワタシは重装備。ランナーじゃないから特に寒いのだ
バッキンガム・ファウンテンの広場の噴水を中央に、
大きなビア・テントがいくつも設置される
ビア・テント内も盛り上がってますよ
パーティ会場のステージ、バンドは「Stach」
軽快なミュージックにあわせてで踊りまくる人々。
走ったあとなのに、元気だなぁ
フォト・ブースで、完走記念に1枚!
シャムロック・シャッフルですもの。
アイリッシュ・グリーンのコスチューム・ランナーたち!
よくがんばりました!

Wednesday, March 26, 2014

The Grand Budapest Hotel

満を持してって感じで封切られたウェス・アンダーソンの『The Grand Budapest Hotel』 クラーク・ストリートのランドマーク劇場では、7スクリーンあるうちの4つで同時上映してるくらい話題と人気をさらっている。この監督前作の『Moonrise Kingdam』がものすごく愉快だったので、今回もとっても楽しみにしていた映画なのだ。

1920年代のヨーロッパを舞台に、架空の温泉保養地にある豪華ホテルのコンシェルジェ・グスタフとベルボーイ・ゼロが繰り広げる大冒険。常連宿泊客である大富豪の老婦人が殺されて、彼女が残した遺言により高価な絵画を相続する運びになるものの、遺産を狙う息子から殺人事件の冤罪をきせられ投獄されるも脱獄し、執拗に追う刺客に命を狙われながら逃走… というはちゃめちゃなストーリーが、アンダーソン特有のユニークな映像処理によって繰り広げられる。回想という形をとって進む物語は、時代によって画面の縦横比率が変わるのも面白い試み。カラフルな色彩美と、画面の隅々の小物にまで完璧にこだわったグラフィックデザインも、アンダーソンワールド炸裂である。

コメディ、風刺、アドベンチャー、ロマンス、サスペンス… とてんこ盛り。全体にばかばかしいのだけれど、時々はややこしくて、時々は思わず息を呑むほどエグくって、豪華キャストがたくさんチョイ役で出てるのもスゴいのだ。面白かった〜!

日本語字幕入りの予告見つけました ↓  日本では6月公開だって!



Tuesday, March 25, 2014

Bennison’s Bakeries

Bennison’s Bakeriesは、1938年創業の歴史あるベーカリー。レトロなネオン管のサインがエバンストンのダウンタウンにひと際目立つ。古いけれど清潔な店内は、焼き立てのパンやケーキの甘い香りに満たされ、元気でフレンドリーな店員さんや職人さんがたくさん働いている。キッチンには、ケーキのデコレーション用の装飾素材や道具が所狭しと並べられ、アーティスティックな職人技が表通りからガラス越しに覗けるようになっている。前を通るたびに足を止めて覗き込んでしまうのだけれど、目が合った職人さんはいつもにっこり微笑みを返してくれる、そんなお店なのだ。今日は夕方からの友人のバースデー・パーティーに持っていくケーキをオーダー。大きさを決め、スポンジの種類(カスタードかチョコレート)とクリームの種類(バニラかチョコレート)、ケーキの上面を飾るデコレーション(フラワーかバルーン)を選び、書いてもらう文字を指定して、あとは出来上がりを待って夕方取りに来る。カラフルでアメリカ〜ンなケーキは信じられないほど甘いけれど、人気のローカルショップでたまにはこういうのもいいでしょ。

レトロなネオンサインの外観
いわゆる絵に描いたようなこういうバースデーケーキは
最近はもうあんまり見なくなったような。
色もボリュームも甘さもひたすらアメリカン!

Monday, March 24, 2014

脱線、マジで!?

朝からたまげる。ダウンタウンとオヘア国際空港を結ぶシカゴ市営交通CTAのブルーラインが、終点の空港駅でオーバーラン&クラッシュ。電車がホーム行き止まりの壁を乗り越え、正面の改札口に向かうエスカレーターにまで乗り上げているショッキングな写真が、どか〜んと新聞やニュースを賑わす。21世紀のアメリカの話か、これは!? この空港駅は、CTAの数ある駅の中で2番目に乗降客が多い駅。幸い事故の起きた午前3時はもっとも利用客が少ない時間で、軽傷の怪我人が数人出ただけという最小限の被害ですんだけれど、これがラッシュアワーだったらと思うとぞっとする。そしてラインは違うけれど、ワタシの毎日の通勤電車でもあるんですよ、このCTAは。原因はどうやら運転手の居眠りらしいということで、電車がそういう緊急事態に陥った時に働くはずの自動制御システムも働かなかったらしい、というか、そういうシステムをこの電車が使っていたかも怪しいって話だ。従業員の健康管理や就業状況なんかも今後の捜査では問題になるかもしれない。次の電車まで2分待つか45分待つかも予測できないし、最近では最新の発券システムであるはずだった例のVentraの導入にも十分苦しめられたけれど、それでもどういうわけか、頼れないけど憎めないっていうタイプのCTA。シカゴカブスと似てるのね。愛される市民の足であり続けるためにも、安全性の管理はしっかりやって欲しいですよね。

Huffpost Chicagoより
AP Photo/NBC Chicago, Kenneth Webster
シカゴ・トリビューンより
Coutesy of Milka Overton, March 24, 2014

Saturday, March 22, 2014

インテリジェンシア・コーヒー

ブロードウェイでもうひとつワタシのお気に入りのお店は、コーヒーショップの「インテリジェンシア」 アメリカでコーヒーといえばスタバ発祥のシアトルなんだけれど、もともとはコーヒー豆ブランドとしてよく知られるこのインテリジェンシアはシカゴが本拠地。シカゴにはインテリジェンシアの豆を使用しているコーヒーショップがかなりの数にのぼり、Whole Foodsなどのスーパーマーケットでも小売りで買うことができる。そしてその直営店がここ。フレンドリーで、なぜかみんなイケメンのバリスタたちが、1杯1杯ドリップでていねいに淹れてくれる。つい2年ほど前に改装した店内は、シンプルだけれどアーティスティック。パソコンや本を睨みながら長居する人たちでいつもいっぱいの、人気のコーヒーショップなのだ。


Unabridged Bookstore

シカゴでワタシの最もお気に入りの本屋さん、ブロードウェイのUnabridged Bookstore。コーヒーショップを併設しているような大型チェーン書店とはひと味違って、ローカルショップのユニークなセンスが感じられて嬉しい。幅広くセンスのいい書籍のセレクションと、手描きの書評やディスプレイが心なごむお店だ。売り場面積は広くないけれど、慎重に選ばれた商品の並ぶ書棚からは、お店の人の本への愛情が伝わってくる。こういうお店だからこそ働いてるの、みたいな誇りと活気でみなぎっている感じの店員さんたちもかっこいい。古くからの定番ベストセラーを揃えた絵本コーナーはギフトを選ぶのにぴったりだし、地階のフロア全部を使ったトラベル・セクションも必見。もちろん場所柄、LGBTモノも充実。便利なキンドルやe-bookについつい流れる昨今ではあるけれど、紙の匂いとテクスチャー、手に持った時のほどよい重さってやっぱり本ならでは。こういう本屋さんは続いて欲しいなぁ。ちなみに、「Unabridged」とは、書籍や辞典などが「省略のない完全な」という意味。つまり完全無欠の本屋さんなのだ。

通りがかると必ず立ち寄っちゃう本屋さん
手描きの書評や推薦文がこんな風に棚のあちこちに
村上春樹さんはここでも人気ですね
ガイドブックや写真集がずらりと並んだ圧巻のトラベルコーナーは地階

Thursday, March 20, 2014

マカロン・デー

さくっと焼いたメレンゲ・ビスケットにクリームをはさんだ「マカロン」 3月20日のマカロン・デーは、2010年にニューヨークのフレンチのペストリー・シェフたちが集まって、フランス発のこのお菓子の魅力を広く知ってもらおうと始めたイベント。今ではもう何の説明もいらないほど世界的にポピュラーになったけれど、今年もマンハッタンの約20の店舗で、ひとりにひとつマカロンが無料で配られるそう。そして売上げの一部は貧困による空腹に苦しむ人たちを助けるチャリティ団体に寄付されるという社会貢献も兼ねる。

ニューヨークのように組織だってはいないけれど、ここシカゴでもマカロン・デーはスイーツ派の注目の的。シカゴでのショップ・リストはこちら。チャリティに参加しているお店もあるので要チェックです。外側サクッで中ふんわり、口に入れた瞬間のほわ~っとした幸せな感じが、春の訪れにはぴったりのマカロンの祭典。マカロンとともに、春も早く来てくれ~い!

エバンストンのBennison’s Bakeryのマカロンは、
小振りだけれど毒かと思うくらい甘い。
専用のケースが可愛いからギフトにおすすめかもね。
マカロンデーにちなんで、今日は半額でした。
こちらはベルモント通りLa Boulangerie Chicagoのマカロン。
しっかりとボリュームがありますが、さすがはフレンチ・ベーカリー。
ピスタチオ、ラベンダー、ローズなど、控えめな甘さの奥に
微妙なフレーバーの香りが効いて◎!

アンダーソンビルのウォーター・タンク

屋上の貯水タンクが空にそびえる姿は、古い時代の面影を残すシカゴの情緒ある風景のひとつ。いつも当たり前のように街を見降ろしていたスウェーデン街アンダーソンビルのタンクもそのひとつ。スウェーデン旗を表す明るいブルーと黄色の十字が、青空にもグレーの空にも鮮やかに映えて、1900年代前半から街の愛されるシンボルだった。そのタンクが今日ついに撤去となった。尋常ではない今年の寒さで内部の水が完全に凍って膨張し、絶えきれずに傾斜が始まった古いタンクからは水が漏れ、このまま傾きが続くと落下してビルの屋根を直撃するんだそう。おそらく修復は不可ということで、街はコミュニティの大切なシンボルを失うことになる。残念。アンダーソンビルだけでなく、この冬はシカゴのあちこちで、老朽化したタンクの同じようなトラブルが相次いだらしい。そのくらい酷い冬だった、まだ終わってないけれど。こうして街の風景が変わっていく。さみしいなぁ。

クラーク・ストリートを北上していくと、遠くからでもよく見えた
大きな2台のクレーンが通りを閉鎖して、1日がかりで作業
とうとう撤去されちゃいました(涙)
Photo credit: DNAinfo/Adeshina Emmanuel(3点とも)

Tuesday, March 18, 2014

運転手さんに感謝

今日はバスや電車の運転手さんに感謝する「Transit Driver Appreciation Day」だそう。初めて聞いたこの記念日 (?) は、毎日の市民の足として働くバスや電車のドライバーに感謝の気持ちを示そうってことで、2009年にシアトルの公共交通利用者数人の呼びかけで始まった運動だそう。352年遡った1662年、記録に残る初の公共交通とされるパリ市のバス・サービスが、3月18日に始まったことからこの日が選ばれたんだって。公式ウェブサイトには、そのままプリントアウトして運転手さんに渡せるようになってるサンキュー・カードがデザインされていたり、たとえばちょっとしたクッキーをプレゼントしたり、乗り降りの時ににっこり笑ってサンキューって言ってみようよ、なんていうアドバイスも。30分待たされたかと思ったら3台立て続けに来ちゃう22番のバスとか、何の前触れもなしに突然各駅停車から急行に変わっちゃうブラウン・ラインとか、困ったり呆れたりすることも多々あるシカゴのCTAではありますが、とてつもなく大きな車体を操りながら、にこやかな挨拶を絶やさずていねいに行き先や乗り換えの案内をしてくれたり、車いすの人がスムースに乗り降りできるよう手伝ったりと、運転の範囲だけに留まらない運転手さんの仕事。雪の日も凍てつく寒さの日にも、毎日みんなを学校や仕事場に運んでくれて、ありがとね〜!

ウェブサイトからプリントアウトしてそのまま使える
サンキューカードの一例

Saturday, March 15, 2014

緑のシカゴ川

もう50年以上も続いているというセント・パトリックス・デーのシンボルのひとつ。アイリッシュ・グリーンに染まるシカゴ川。もともとは未処理の下水がどこから川に漏れ出ているかを調べるために使った染料が、偶発的にこの鮮やかなグリーンを作り出したことが始まりだそうで、この全国的に有名なシカゴならではの伝統行事は、今でも地元の配管業組合が主催している。当初の化学染料は今では使われなくなり、環境に優しい植物性染料を、川の一部を4〜5時間だけ緑に保つに充分な量だけ撒くそう。モーターボートから撒かれる染料は最初は黄色なのだけれど、それが水に混ざると鮮やかな緑に変わる。それを後ろから追いかけるもう一艘のボートが、アクロバット的に蛇行走行しながら水を攪拌して川の色を均一にする。他の都市も、このシカゴ川の行事を真似たいと申し出るらしいのだけれど、シカゴの配管業組合は染料の調合のヒミツを絶対に明かさないので、まだどこもこの完璧なアイリッシュ・グリーンを再現することには成功していないんだって。

気温は0℃だけれど、見事に晴れ渡ったお天気が気持ちよく、鮮やかな緑が青空に美しく映えた。わざわざこれを見るために遠くから出かけて来る人も多く、川の両岸には緑色を身につけた何千もの観客。シカゴ出身のファースト・レディ、ミシェル・オバマは、このシカゴの伝統をワシントンに持ち込んで、3月17日セント・パトリックス・デー当日は、ホワイトハウスの噴水も緑に染まるんだって。


Thursday, March 13, 2014

コーンド・ビーフ

アイルランドのお祭りセント・パトリックス・デーを来週の月曜日に控え、今年もまたアイルランドの郷土料理コーンド・ビーフを作る。海賊や船乗りが食べるってイメージのこの豪快な肉料理は、とってもしょっぱい塩漬けビーフをキャベツなどの野菜と一緒に煮込んだもの。アイルランドが貧しかった時代には、たいへんなごちそうだったと思われる。祖先にアイルランド系を持つ人の多いシカゴでは、毎年この時期になると、塩、こしょう、果実酢などで調合したスープに漬け込んでパックされた塊り肉が、キャベツと並んでスーパーの棚に並ぶ。作り方はいたって簡単。パックを開いて中味をじょぼっと鍋に空けたら、水を足してコトコト煮るだけ。やわらかーく煮えて来たらあとはキャベツやタマネギ、ポテトなどを加える。フォークで触れただけでぽろっと崩れるほどに柔らかく煮えたお肉は、素朴でなんとも心がほっとし、スープがよく沁みたお野菜も美味。お肉はやっぱりしょっぱいけれど、ハムやベーコン同様、もともとは寒い地域の保存食なわけだから、しょっぱいのは当たり前。豪快で血の気の多いアイルランド気質を作った伝統料理、1年に一度は試してみたいのだ。

ところで、だいぶイメージは違うけれど、いわゆる缶詰に入ったコンビーフも基本はこれと同じ。アイルランドでは高価で贅沢だった牛肉も、移民した先のアメリカやオーストラリアではふんだんに手に入るので、やったー!とばかりに、缶詰にもなるほどポピュラーになっていったんだって。


Wednesday, March 12, 2014

「東北友」

東日本大震災からちょうど3年。あの日のあと、東北のために何かしたい、自分に何ができるのだろうかと、誰もが考えた。そんな気持ちを思い出させてくれるドキュメンタリー「東北友」が今夜シカゴで初公開。震災のあと、いてもたってもいられずに東北に駆けつけボランティア活動に従事し、今も非営利の支援団体を組織するなどして被災地と被災者をサポートしている、外国人ボランティアのインタビューをまとめたフィルムである。震災直後に感じたこと、現場に駆けつけて目の当たりにしたこと、被災地で知り合った人たち、何が今も自分を東北に惹きつけるのか、そんなストーリーが複数の外国人によって時間の経過をたどって語られ、「友」というテーマに繋がっていく。

かつてJET (Japan Exchange and Teaching) プログラムを通して石巻の中学校で英語を教えたというシカゴ在住のWesley Julian監督は、3年前、教え子の卒業式のお祝いにサプライズで再来日し、卒業式のまさにその日に震災にあった。そんな彼が、震災からちょうど2年にあたる去年の3月、クラウド・ファンディングのKickStarterにキャンペーンを立ち上げて資金を集め、フルタイムで働く傍ら休暇を利用してカメラマンと一緒に機材を抱えて東北を訪れ、2週間で撮影したという。日本のことが大好きで、こんなにも日本のことを考えている友人たちがいることを、広く世界に知ってもらいたかったんだそうだ。心のこもったステキなメッセージが散りばめられた、とっても優しいドキュメンタリー。ワタシもまた東北を訪ねてみたくなった。

この上映会は、シカゴを皮切りに米国各地をまわって、日本にも持って行きたいし、世界中に広めたいそうなので、機会があればみなさんぜひ観てください。プロジェクトへの寄附はウェブサイトから。KickStarterのページはこちらです。


Tohoku Tomo 東北友 - Teaser from Tohoku Tomo on Vimeo.

Tohoku Tomo 東北友 - Teaser 2 from Tohoku Tomo on Vimeo.


Monday, March 10, 2014

ベア・ハグ

「やぁ、久しぶりだね。元気にしてた? 会えて嬉しいよ」 で、ぎゅっと抱きしめてほっぺにぶちゅ。アメリカの典型的な挨拶である。この「ぶちゅ」の部分は何年たってもいまひとつ馴染めないのだけれど、「ぎゅっと抱きしめる」のハグの部分は、ワタシにとっては結構好きなアメリカの慣習のひとつになっている。これはシカゴの話ではないのだけれど、ちょっと面白いハグ・プロジェクトを見つけたのでここでご紹介。

街には音楽やアートや通りがかりの偶然の出来事など、楽しいことやハプニングがいっぱい。でも最近の人たちは、みんな手元のスマートフォンの操作に夢中で、周囲のことなど気にもかけずに歩いている。そのせいで楽しいことも危ないことも全部見逃してしまうのだ。そこで、大きな熊さん、名付けて「アンチ・テキスト・ベア」が街角に登場。注意不足の人々をびっくりさせて、デジタルの世界からホントの世界へ呼び戻そうという試みだ。その脅かし方がハグ。題して「ベア・ハグ」 ビデオ ↓ を観る限りあんまりかわいくはないんだけれど、このユニークな熊さんが突然現れて、アメリカ人なら誰でも好きな優しいハグで注意を喚起してくれたら、なるほど優しい気持ちで(ってか、ちょっとずっこけたような気持ちで)挨拶を返して、もう一度周りを見渡せるかも。この愉快なプロジェクトは、テキサスはオースティン発。シカゴにも来てくれないかな。



Sunday, March 9, 2014

デイライト・セービング・タイム

本日未明、デイライト・セービング・タイムが始まった。時計を1時間進めて人為的に日の出日の入りの時間をずらす。といっても今は、携帯電話もコンピュータも全部自動で変わってくれるから気が付かなくても夏時間は始まっちゃって、初日に遅刻をする心配などはなくなったけれどね。今週末のシカゴは、12月に最初のポーラー・ボルテックスが来て以来、初めて気温が0℃を上回った。どんなに酷くても、春の来ない冬はないのねぇ。でも、このまま夏にまっしぐら! ….とはいかないことは、シカゴの人なら誰でも、知・っ・て・ま・す・け・ど。

夏時間、でも湖はまだしかっり凍っています

Saturday, March 8, 2014

Sticky Rice

ラブリーなBYOBレストラン、Sticky Rice。ミャンマーの影響が濃い北タイ料理に特化したこの店は、シカゴに数あるタイ料理レストランの中で、ワタシの最もお気に入りのひとつである。土曜日の今日、店内はお客さんでいっぱいで、30分並んでやっと席に着いた。シカゴにはたくさんのタイレストランがあるけれどどこも味付けは甘めで、それはほとんどの店がタイとは言ってもラオス人が経営しているからなのだそう。でもこの店は正真正銘タイ人経営のレストランで、甘さ控えめ辛さ秀逸。何ページにも渡るメニューに並んだ数々の美味しそうな料理は、大勢で何度でも足を運んで、試してみたいものばかり。興味のある人、今度一緒に行きませんかぁ?

ほどよい醤油味がスナック感覚でいくらでも食べられるフライドチキン
豚の挽肉とタケノコのバジル炒め。辛い!
白身魚のグリルとブロッコリのカレーソース。テイスティ!
シンプルで小さな店内はお客さんでいっぱいの土曜日

Philomena(フィロミーナ)

素晴らしい映画でした! ふとした一夜の出来事で妊娠しシングルマザーになってしまうティーンエイジャーのフィロミーナ。1950年代のアイルランドの敬虔なカトリックの町では、結婚もせず若くして身ごもった女性は「ふしだらなもの」として修道院にぶちこまれ、生まれた子どもは3歳の時点で勝手に養子として売り飛ばされてしまう。そして50年後、英国で結婚をして子どももいるという普通の暮らしをするフィロミーナは、娘の知り合いで元BBCのジャーナリストであるマーティンに協力を求め、50年間生き別れになった息子捜しを始めるという、そんなストーリー。でもこの映画は、生き別れた息子を捜し出して再会を果たすという種類の感動物語ではなくて、展開のひとつひとつが「えっ、うそ、マジで!?」ということの連続。そしてまさかの結末にたどり着くまで、わかっていく驚きの事実を冷静に受け止めていく母親の感情と、その驚きの事実に対するジャーナリストの正義が、計算されつくしたバランスでぶつかり合う。シリアスな題材を軽いタッチで笑いを交えながらも、主役ふたりの心の動きがしっかりと描かれている傑作である。フィロミーナもマーティンも実在の人物。そして宗教、人身売買、同性愛など、現代社会が抱える人権問題にも切り込んでいくこのストーリー自体が、実話であるというのも驚きだ。マーティンの正義や怒りが映画を観る私たち世代を代弁するようでもあり、すべてを受け入れなお母親であるフィロミーナの執念には、理屈を抜きにしてグッと来ずにはいられない。そんな想いが同時にやってくる見事な作品は、文句なしに5つ星! もちろん、カトリック教会からは厳しく抗議されているらしいけれど。



Tuesday, March 4, 2014

キングスケーキ

今日はファット・チューズデー(太っちゃう火曜日) カトリック教では、肉食を禁じて快楽を自粛する「四旬節」の始まりを明日の水曜日(アッシュ・ウエンズデー)に控えて、派手なパレードや仮面舞踏会などを催して、最後の豪華な食事と祝宴を楽しむ日。その代表的なお祭りが、世界的に有名なリオのカーニバルやニューオーリンズのマルディグラである。カーニバルの歴史は1723年、マルディグラは1699年にまで遡るというから、かなりの伝統行事なわけだ。

そのマルディグラにちなんでニューオーリンズの伝統、キングスケーキをご紹介。輪状にしたブリオッシュのパン生地に、ニューオーリンズ特有のマルディグラ色、紫、緑、金色の砂糖のアイシングが飾られ、中にはクリームチーズやプラリネが入ったものもある。そしてなんとそのフィリングには、安っぽいプラスチックでできた小さい赤ちゃんの人形がひとつ隠されているのである。この赤ちゃんはキリストを象徴し、切り分けたケーキの中にそれを見つけた人は、ラッキー・キング。パーティの主役として紙でできた王冠を身につけ、来年のキングスケーキを用意するとか、次回のパーティのホストに任命されるとかの特典(どっちかって言うと義務?)が与えられるのだ。

このキングスケーキ・パーティは、クリスマスが明けて12番目の夜からマルディグラまでの間に行われ、ニューオーリンズでは18世紀から続いている伝統だそう。南北戦争以前の上流階級では赤ちゃんは貴金属だったらしいけれどね。どっちにしても、甘くてどぎついアメリカのケーキは、そんなに昔からあったわけだ。そんな伝統を学びながら、カトリックでもないのにキングスケーキを買って来てお茶の時間を遊んじゃう現代人のワタクシたちなのであるが、だからといって明日から断食するわけではないので、ファット・チューズデーどころか、ファットがず〜っと続いちゃうんだな。


Monday, March 3, 2014

シカゴ、3月

週末の弾丸マイアミ避寒旅行から一転、再び極寒のシカゴ。氷点下15℃、相変わらずの雪。マイアミの陽射しと、適度に湿気を含んだ気持ちのいい風を経験しちゃっただけに余計にこたえる。なんだそれじゃぁ避寒した意味ないじゃん!って感じもするけど、ま、一瞬の気分転換にはなりました。3月は春の声がそこまで聞こえているだけに、気持ちに追いつかない寒さが最もキツい季節。もう少しの辛抱。頑張ります!


Sunday, March 2, 2014

マイアミ・デザイン・ディストリクト

錆びれた地区にアーティストが住み着いて、それがだんだんに注目を集めるようになり、次第にヒップなエリアになって不動産価値も急上昇。そういう地区はどの都会にもあるけれど、ここマイアミのデザイン・ディストリクトもそんなエリア。ギャラリーやインテリアのお店を挟んでプラダとかアルマーニとかの高級ブランド・ショップが点在する。Michael’s Genuineという話題のカフェレストランで30分並んで待ってブランチしました。ウエィターさんたちはみんなイケメンだし、美味しいんだけど、高っ! そんなわけでワタシはシカゴに帰る....

デザイン・ディストリクトの入り口
完成度の高いストリート・グラフィティ
ユニークな彫刻のあるアート・ガーデン
上品さとカジュアルさがほどよく調和したおしゃれな人たちが集う
Michael's Genuine Restaurant