Thursday, March 13, 2014

コーンド・ビーフ

アイルランドのお祭りセント・パトリックス・デーを来週の月曜日に控え、今年もまたアイルランドの郷土料理コーンド・ビーフを作る。海賊や船乗りが食べるってイメージのこの豪快な肉料理は、とってもしょっぱい塩漬けビーフをキャベツなどの野菜と一緒に煮込んだもの。アイルランドが貧しかった時代には、たいへんなごちそうだったと思われる。祖先にアイルランド系を持つ人の多いシカゴでは、毎年この時期になると、塩、こしょう、果実酢などで調合したスープに漬け込んでパックされた塊り肉が、キャベツと並んでスーパーの棚に並ぶ。作り方はいたって簡単。パックを開いて中味をじょぼっと鍋に空けたら、水を足してコトコト煮るだけ。やわらかーく煮えて来たらあとはキャベツやタマネギ、ポテトなどを加える。フォークで触れただけでぽろっと崩れるほどに柔らかく煮えたお肉は、素朴でなんとも心がほっとし、スープがよく沁みたお野菜も美味。お肉はやっぱりしょっぱいけれど、ハムやベーコン同様、もともとは寒い地域の保存食なわけだから、しょっぱいのは当たり前。豪快で血の気の多いアイルランド気質を作った伝統料理、1年に一度は試してみたいのだ。

ところで、だいぶイメージは違うけれど、いわゆる缶詰に入ったコンビーフも基本はこれと同じ。アイルランドでは高価で贅沢だった牛肉も、移民した先のアメリカやオーストラリアではふんだんに手に入るので、やったー!とばかりに、缶詰にもなるほどポピュラーになっていったんだって。


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