Tuesday, March 4, 2014

キングスケーキ

今日はファット・チューズデー(太っちゃう火曜日) カトリック教では、肉食を禁じて快楽を自粛する「四旬節」の始まりを明日の水曜日(アッシュ・ウエンズデー)に控えて、派手なパレードや仮面舞踏会などを催して、最後の豪華な食事と祝宴を楽しむ日。その代表的なお祭りが、世界的に有名なリオのカーニバルやニューオーリンズのマルディグラである。カーニバルの歴史は1723年、マルディグラは1699年にまで遡るというから、かなりの伝統行事なわけだ。

そのマルディグラにちなんでニューオーリンズの伝統、キングスケーキをご紹介。輪状にしたブリオッシュのパン生地に、ニューオーリンズ特有のマルディグラ色、紫、緑、金色の砂糖のアイシングが飾られ、中にはクリームチーズやプラリネが入ったものもある。そしてなんとそのフィリングには、安っぽいプラスチックでできた小さい赤ちゃんの人形がひとつ隠されているのである。この赤ちゃんはキリストを象徴し、切り分けたケーキの中にそれを見つけた人は、ラッキー・キング。パーティの主役として紙でできた王冠を身につけ、来年のキングスケーキを用意するとか、次回のパーティのホストに任命されるとかの特典(どっちかって言うと義務?)が与えられるのだ。

このキングスケーキ・パーティは、クリスマスが明けて12番目の夜からマルディグラまでの間に行われ、ニューオーリンズでは18世紀から続いている伝統だそう。南北戦争以前の上流階級では赤ちゃんは貴金属だったらしいけれどね。どっちにしても、甘くてどぎついアメリカのケーキは、そんなに昔からあったわけだ。そんな伝統を学びながら、カトリックでもないのにキングスケーキを買って来てお茶の時間を遊んじゃう現代人のワタクシたちなのであるが、だからといって明日から断食するわけではないので、ファット・チューズデーどころか、ファットがず〜っと続いちゃうんだな。


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