Sunday, November 30, 2014

サウンド・オブ・ミュージック Sing-Along

近所の古〜いレトロな劇場ミュージック・ボックス・シアターに、これまた古い映画「サウンド・オブ・ミュージック」のシング・アロング版を観に行った。「シング・アロング」とは、画面の字幕の歌詞を見ながら映画に合わせて観客が一緒に歌う上映会。アメリカでは各地でいろいろなミュージカル映画のシング・アロングを上演している。

この日は上映前にオルガンの生演奏があり、レトロな劇場にぴったりのレトロな音色で映画に出て来る音楽を聴かせてくれる。オルガン演奏の後にはMCのおじさん。入場するときに入り口で配られた、上映中に歌いながらいろいろと使う小道具の説明と、おじさんのリードでちょっとだけ歌の練習もする。そしてその後にはなんとコスチューム・コンテスト。やたらとアルプスっぽい格好をしている人が多いなぁと思ったら、こういうことだったのか。ドレスアップした人たちが、最初に子どもたち、そして次に大人たちとそれぞれステージに上がって、劇中の誰に扮しているのかなどひと言ずつインタビューを受け、おみやげをもらってステージを降りていく。なんだかめちゃくちゃ学芸会っぽくて微笑ましくて笑っちゃう。そうしたMCのおじさんの盛り上げで、会場の雰囲気が最高潮に達したところで映画の上映に入っていく。

歌のシーンは字幕で歌詞が出るし、タイトルナンバーの「サウンド・オブ・ミュージック」はもちろん「ドレミの歌」や「エーデルワイス」など知ってる歌がたくさん出て来るので、ワタシもがんばって英語で歌いましたよ! 歌の他にも、観客は上映中どこで叫んでもいいというのが基本ルールで、「よっ、若旦那っ!」みたいな合いの手が入ったり、ラブシーンではひゅーひゅーって歓声が出たり、それらにまた観客が反応して笑いが出たりと、客席が映画と一体化している感じがとっても楽しい。それでもナチスの出て来る場面で割れんばかりのブーイングが起こったりするところはやっぱりアメリカだ。むか〜し昔に観たのが最後だったので、ストーリーなんかはもう忘れていて、ラブストーリーだとばっかり思っていたらけっこうシリアスなお話だったのね….

上映前の一連のアトラクションから、たぶん劇中で観客が叫ぶところやそのだいたいのセリフまで、きっともう定番になっているのだと思う。アメリカの古き良き時代に根付いた伝統的なエンターテイメントのひとつなのだ。たとえば日本で「大きな栗の木の下で」って言ったら誰でも知ってる振り付けがあるのと同じで、この場面ではこの歌い方、このフレーズにはこの振り付け、誰かがこう言ったらこう答えるって、世代から世代へと受け継がれているのだと思う。なんだかアメリカ文化のいいところを観たなぁというあったかい気持ちになって、歌がいい感じでカラダに残り、おぼえた歌を気分よく口ずさみながら帰路についたのだった。

上演前のオルガン演奏
コスチューム・コンテスト子どもの部
コスチューム・コンテスト大人の部
入場するときに入り口で配られた小道具いろいろ。
「トラップ邸でのダンスパーティー招待状」
「『Maria』の歌の時に使うカード」
「カーテンで洋服を作るシーンで使う端布」
「『エーデルワイス』の歌に合わせて頭上で左右に揺らす花」
「キスした時に鳴らすクラッカー」など

↑ 上映前の練習風景「ドレミの歌」

↓ 古き良き時代のアメリカが描いた夢のような映画の1シーン。
字幕を見ながら一緒に歌います。

Saturday, November 29, 2014

スモール・ビジネス・サタデー

サンクスギビングの翌日をブラック・フライデーと呼ぶ。クリスマス・ショッピングが公式に始まる日とされていて、どこもすごい大セール。商店が黒字になるから「ブラック」なんだそうだ。そしてその翌日はスモール・ビジネス・サタデー。ブラック・フライデーの主な役者がデパートや大型チェーンのストアであるのに対し、その翌日は近所の個人経営のお店でショッピングをして、ローカル・ビジネスをサポートしようというものである。

そんなわけで、気温が少しマイルドになった土曜の午後、何を買うあてもないけれど、近所のイースト・レイクビュー商店街をぶらぶらとひと周りしてみた。以下お気に入りの楽しいお店たち。

Equinox Lakeview

広い店内にユニークなギフトアイテムがびっしり。時節柄クリスマス関係の小物が多かったけれど、季節を問わないアート&クラフト系の商品も多い。この店のガラス作家の作品群が前から気になっていて、買おうかどうしようかもう半年くらい迷ってるガラス花器が本日もまだ健在。ほっ....

クリスマス商品があふれる店内は一層華やか
ハイヒールに入ったワインボトルにサンタの帽子。
カワイイ
アメリカではなぜかフクロウ流行りです。
フクロウ・キャラクターがあちこちに
気になるガラス作家の作品たち

The Coffee & Tea Exchange

店内に一歩足を踏み入れるとスパイスの混ざり合った匂いにぐわ〜っと襲われる。エスニック食材の店ではなくてコーヒー豆やさんなんだけれどね。フロアにずらりと並んだ樽には世界の様々な地域のコーヒー豆。別棟にある工場で毎日自家焙煎してるのだそう。豆は量り売りで、スタッフそれぞれの名前のついたオリジナルブレンドも何種類もある。広告ピンナップのコラージュで作られた樽の蓋は、70年代からきっと変わっていないのだろうと思われ、何もかもが手作り。いかにもローカルなお店である。世代が変わって住民層が変わっても、近くに大型スーパーが出来ても、このユニークさを失わずに続いて欲しいお店なのだ。

1975年創業。トレンディなお店が次々と出来てはなくなっていく中、
古さを残したまま今も地域に愛されるお店
店内の中央フロアに所狭しと並ぶ圧倒的なボリュームのコーヒー樽
本日ワタクシはブラジリアンをゲット
数々のティーリーフもこんな感じの手作りディスプレイ
淹れたてのお茶やコーヒーを
その場でいただくことももちろんできます

 Unabridged Bookstore

このブログでも今まで何度か紹介したけれど、シカゴでワタシの最もお気に入りの本屋さん。幅広くセンスのいい書籍のセレクションと、手描きの書評やディスプレイが心なごむお店だ。慎重に選ばれた商品の並ぶ書棚からは、お店の人の本への愛情が伝わってくる。「こういうお店だからこそ働いてるの」みたいな誇りと活気がみなぎっている感じの店員さんたちもみんなかっこいい。古くからの定番ベストセラーを揃えた絵本コーナーはギフトを選ぶのにぴったりだし、地階のフロア全部を使ったトラベル・セクションも必見。もちろん場所柄、LGBTモノも充実。ちなみに、「Unabridged」とは、書籍や辞典などが「省略なく完結している」という意味。つまり完全無欠の本屋さんなのだ。

通りがかると必ず立ち寄っちゃう本屋さん
手描きの書評や推薦文がこんな風に棚のあちこちに
ガイドブックや写真集がずらりと並んだ圧巻のトラベルコーナーは地階

クリスマス・ツリー市

常設の商店ではないけれど、夏場はファーマーズ・マーケットが行われているNettelhorst Elementary Schoolの駐車場ではクリスマス・ツリー市。アパートメントが中心の都心のエリアだからだと思うけれど、ツリーはみな比較的小ぶり。商店街にこんもりとできた都会の森はフレッシュな常緑樹の香りに満ちていて、立ち止まる人たちが思わず深呼吸。

都会の片隅にできた小さな森

DryHop Brewers

最近はやりのマイクロ・ブリューワリー、つまり地ビールのお店。ここでしか飲めないビールとハンバーガーやチップスが人気で、いつもすごい混雑している。最近、ここで一番人気のドラフトビールが、最新のアルミ缶密封技術によってお持ち帰り可能になったのだそう。注文すると、生ビールをバーカウンターのタップからその場でアルミ缶に注入し密閉する。賞味期限は4週間、アルミ缶は完全にリサイクラブルだ。このお店、大量生産や他の地域への進出はまったく考えていないそうで、これもローカルに特化したテイクアウト作戦。というわけで、日本のみなさん、次回はシカゴ地ビールをおみやげに持って帰れそうですよ。

倉庫を改造したような内装。
夕方からはいつも人がいっぱいで、外の舗道までわいわいしている
コレがうわさのシカゴ・レイクビュー・オンリー、缶入りドラフト

FoursidedとTwosided

姉妹店のブロードウェイFoursidedとクラーク・ストリートTwosidedには、シカゴならではのアイテムがたくさん。といっても観光地によくあるチープな絵はがきやキーホルダーのような土産物じゃなくて、シカゴのテイストをさりげなく含んだギフトや地元シカゴアーティストによるユニークなクラフトグッズたち。何時間でも過ごせる楽しいお店の極めつけは、「Sorry, We are Open」のサイン。一旦足を踏み入れたら最後、何時間でも時間をつぶせるし、いくらでもお金を使っちゃうから「Sorry」というわけだ。

クリスマス・シーズン突入、キラキラの外観
シカゴをモチーフにしたたくさんのポスターや
ユニークで楽しいカード類がたくさん
シカゴならではのクリスマス・オーナメントたち
シカゴ・ホットドックのオーナメント!?
シカゴからはこんなクリスマスカードが届きます
散歩時に立ち寄る人向けに、入り口にはお犬さま用のお菓子。
ご自由にどうぞってところ、
ローカルビジネスならではのナイスな計らい!

Friday, November 28, 2014

中西部の大平原

訳あってシャンペーンへ2時間半のドライブ。インターステート・ハイウェイ57をシカゴから南へ30分も下れば、そこはもう一面の大平原。プレーリーと呼ばれるアメリカ中西部の真っ平らな広野である。普段都会でせせこましく暮らしていると忘れがちだけれど、こうしてみるとでっかい国に住んでいることを実感。刻一刻と変わる夕焼け空がキレイでした。大地も大きければ空も大きい! 人間も大きくならなくっちゃ!


Thursday, November 27, 2014

サンクスギビング・ディナー

早くも11月が終わる。そして11月第4木曜日のサンクスギビングはワタクシが一番好きなアメリカの祝日である。原住民インディアンの教えで厳しい冬を乗り切る術を得、収穫の秋には豊作を迎えたピルグリムが、インディアンを招いてごちそうをふるまったことに由来するこの祝日は、宗教的な意味や儀式もなく、今ある幸せに感謝を示し、家族や大切な人たちと食卓を囲むという単純なお祭り。ターキーをはじめとするサンクスギビングの伝統料理はどれもみんな美味しい。帰省して実家の家族や親戚とともにごはんを食べるのが一般的なサンクスギビングの過ごし方だけれど、ワタシは毎年、どこにも帰省しない近所の友人たちと集まって、Yoshi's Caféのヨシさんが焼いてくれるターキーをご馳走になる。約30人が集まって友人宅でおこなわれた今年のパーティも、参加者はみんな近くに住む知ってるもの同志、広い意味での家族だ。この時期ワタシは日本の実家に帰ることはできないけれど、いい仲間に恵まれて、今年もまたあたたかいサンクスギビングを迎えることができた。感謝!

お料理をのせたお皿と
賑やかな会話でいっぱいになる直前のテーブル
ヨシさんのターキー。2羽並んでカットされるのを待っています。
ターキーのカービングもまたひとつのアート
みんなで持ち寄ったサイドディッシュの数々。
ワタシはブラッセルスプラウトのローストと
バターナットスクワッシュの甘煮、
いんげんのゴマ和えを作りましたよ。わかる?

Friday, November 21, 2014

エバンストンの郵便局

何でもオンラインで用事がすんでしまう昨今は、郵便局に足を運ぶことも滅多になくなってしまった。ここももうしばらくしたらお役ご免になっちゃうのかなと思いつつ、その立派さには来るたび感心するエバンストン・ダウンタウンの郵便局。郵便局にしておくにはもったいないくらいの博物館みたいな立派な建物なのである。歴史を感じさせるメインホールの高い天井と大理石の内装。ムダなお喋りを受け付けないような静かでひんやりとした空気。用紙を記入したりする作業用のデスクや私書箱なども、考えられないくらいにゆったりと配置されている。このとてもとても贅沢な空間を、入り口からムダなくらいに長い通路を歩いて窓口までたどりつくわけだけれど、そこはいつもうんざりするくらい進まない行列。というのも、たくさん窓口があっても開いているのはいつもひとつかふたつで、そんなこと気にも留めない局員がゆっくりゆっくり作業してるから。郵便局に行こうと思ったら、それだけで昼休みは終わっちゃうことを覚悟しなくてはいけない。この立派な建物から郵便局が出て行くのももうそんなに先ではないかも….と思いながら、街の多くの人の生活を支えてきたこの場所の長い歴史に思いを馳せて、今日もたっぷり順番待ち。

街の中心にものすごい存在感で建っている郵便局
入り口から長〜い通路を歩いて窓口まで行きます。
切手を貼ったり、書類を書き込んだりするテーブルも
贅沢すぎるような配置
高い天井までのびる壁の上方には、
労働者を描いた彫刻のレリーフが
館内数カ所に設置されています
歴史を感じさせる真鍮の私書箱の列。
きれいによく手入れされているけれど
いったいどのくらいの利用率なのかな
おじいさんの古時計じゃないけれど、
100年休まずにチクタクチクタク
いつも街の人たちを見守ってきたんだろうね
昔の郵便配達車も展示されています

Thursday, November 20, 2014

飲食物の記念日

11月の第3木曜日はボジョレー・ヌーボーの解禁日。そういえば日本にいた頃、この日はお店に行列が出来たり、レストランがボジョレーのための特別メニューを出したりと、結構大騒ぎだったことを思い出した。今でもそうなのかな。ワタシが知らないだけなのかもしれないけれど、アメリカではそれほど大きく聞かない気がする。関係ないけどこんなモノ (↓) を見つけてしまった(クリックすると拡大するよ)。11月の『飲食物』記念日カレンダー。キャンディー、ドーナッツ、チョコレートなどスィーツ・デーは甘党にはいつだって嬉しい言い訳になるし、アップルサイダー・デーとかジンジャーブレッド・デーなど季節モノがこの時期にあるのも納得。インディアプリン・デーとかバクラバ・デーとか、何かその国の宗教上の行事と関係あるのかしらと思わせるエスニックな食べ物の記念日もある。そして極めつけは、11月12日のNational Pizza With Everything Day Except Anchovies(全ての種類のトッピングのピザ・デー、但しアンチョビは除く)! なんなんだコレは。いったいアンチョビに何の落ち度が…. 先週の水曜日にピザ屋さんに行くべきだった!? 覚えていたら来年、この謎を解きにピザを食べに行こう。どうして11月にこれだけ飲食物の記念日が集中してるのかは知らないけれど、それぞれの日に関連するお店に行くと、何か特別なイベントとかセールをやってるかもね。


Monday, November 17, 2014

Peet’s Coffee

なんたって寒いので、前から気になっていた塩キャラメル・モカ。Caribou CoffeeからPeet’s Coffeeに生まれ変わって、最近再オープンしたクラーク・ストリートのお店にて。Caribouじゃなくなっちゃったから、チョコレートをコーティングしたコーヒー豆のトナカイの糞はもうついて来ないけれど、あったかい甘さがココロに沁みる〜。これからの季節、通りを歩いてて寒さに耐えられなくなったら飛び込むお店。お世話になりますのだ!

あぁ、またカロリー取り過ぎになっちゃうけれど、
これも一種のコンフォートフード。
あったまりますよ〜
雰囲気はあんまり変わっていないけれど、
Peet's Coffeeになって真新しい店内
関係ないけど、すごい髪型の人がいました

年末に向けて

エバンストンのファウンテン・スクエアに、クリスマス・ツリーが届いた。例年よりうんと早い寒波到来で今朝の気温はマイナス10℃。そんな極寒の中、高さ5メートルくらいはあろうかと思う大きなツリーがクレーンで吊り上げられて、噴水プールの中央にぴしっと収まった。今年もこれからひと月半ほどの間、この豊かな緑のもみの木が街を華やかに盛り上げてくれるのだ。街灯にはリースもついて、街はいよいよホリデー・シーズン。今年もあと残すところひと月余りですね。早いなぁ。そして寒い….

朝の通勤時、閉鎖された道路の真ん中に
緑の塊がごろんと転がっていて、
何かと思ったらクリスマスツリー!

寒いのでオフィスの中から設置作業を見学。
クレーンで吊り上げて、15分くらいの作業で
見事にぴしっと立ち上がった
ストリートではリースの取り付け。
街灯ひとつひとつにクレーンで上がって手作業。
サングラスに帽子に顔マスクと
完全防寒の作業員さんたち。
見てるとけっこう大変な作業なのに、
通りがかりの人たちに笑顔のサービスも忘れない。
お疲れさまです、ありがとう!
そして、シカゴは
ポーラー・ボルテックス到来中。
まだ11月だっていうのに、
先が思いやられる....

Sunday, November 16, 2014

Chop Shop

友人が経営するウィッカーパークのお肉屋さんChop Shop。ショーケースに並んだ新鮮なお肉はもちろん、奥のレストランスペースで食べることのできるステーキやハンバーガーも、若者の集まるこのエリアにあって人気のアイテムだ。そしてそのまた奥にある500人を収容できる広いスペース1st Ward by Chop Shopは、コンサートやイベントをホストできるホールになっている。日曜日の今日は、ローカルアーティストによるクラフトショー。ブルーラインの駅の真下という好立地と地元ならではのネットワークを生かして、大きなチェーン店にはないユニークな個性を売りに、様々なアイディアを凝らしてがんばっている。こんな手作り感あふれるローカルショップには、ぜひぜひ続いて欲しい。というわけで、ワタシも一生懸命アイディア絞り出し中。何かイベントを考えるので、乞うご期待!

ブルーライン高架駅のすぐ真下。
若者の集まるウィッカーパークの好立地にレンガ造りの趣ある建物
正面入ってすぐはデリスペース
立派なお肉の並ぶショーケース
レストランとバーのスペース
こちらがイベントスペース。アーティストのクラフトショーと、
大きな画面には日曜日のお決まり、アメリカン・フットボール
ローカル・アーティストの楽しい作品が並ぶ。
地元の人たちはみんなフレンドリー!