Sunday, February 28, 2016

オスカー

結局、ノミネート作品はほとんど観る機会のないまま迎えてしまったオスカーナイト。でも、映画の内容をよく知らなくても楽しめるという華やか授賞式のプログラムは、さすがショービジネスのメッカ、ハリウッドなのだ。今回のハイライトはやっぱりこの人、レオナルド・デカプリオ。20年以上のキャリアを通して5回もノミネートされながら、これまで受賞がなかった彼の、8054日目の悲願達成だそうですよ(誰が数えているんだ!?) 固唾を飲んで見守る会場やお茶の間の第一声は、誰しも「よかったね〜」 で、受賞スピーチがまた素晴らしかった。普通は「誰々さんに感謝します」の「誰々さん」の部分を延々と並べるだけで終わってしまう45秒が、彼の場合、受賞作品のテーマと環境問題を繋げて立派な演説になった。45秒はかなり超過したと思うけれど、これには誰も文句を言えないでしょう。

とてもよかったので、よかった部分を以下に書いちゃいます。

Making The Revenant was about man’s relationship to the natural world. A world that we collectively felt in 2015 as the hottest year in recorded history. Our production needed to move to the southern tip of this planet just to be able to find snow. Climate change is real. It is happening right now. It is the most urgent threat facing our entire species and we need to work collectively together and stop procrastinating. We need to support leaders around the world who do not speak for the big polluters of big corporations but who speak for all of humanity, for indigenous people of the world, for billions and billions of under privileged people who have been most affected by this, for children’s children, and for those people out there whose voices have been drowned out by the politics and greed. Thank you all for this amazing award tonight. Let us not take this planet for granted. I do not take this night for granted.

「『The Revenant』は人間と自然界との関係を描いた物語です。観測史上最高の暑さを記録した2015年の地球で、私たち製作チームは雪を求めて地球の最南端にまで行かなくてはなりませんでした。気候変動は現実のものです。今まさに起こっていることなのです。それはこの自然界が直面する一刻を要する危機であり、私たちは力を合わせて解決を急がなければなりません。環境を汚染する大企業のために動く政治家ではなく、すべての人類のために活動する指導者を私たちは必要としています。地球の先住民や、最も打撃を受ける何億人もの恵まれない人々、子どもたちやその子どもたち、利権政治のために消されてしまう人々の声を聞く、そんな指導者を支持しなければいけません。本日はこのような素晴らしい賞をありがとうございました。みなさん、どうかこの地球が当たり前にあるものだとは思わないでください。私も今夜の出来事を当たり前のことだとは思いません」



受賞作 『The Revenant』はまだ観てないのでわからないけれど、っていうか、これはかなり重厚そうで劇場に足が向かなのだが、レオ様作品には『The Great Gatsby』とか『Catch Me if You Can』、古くは『What's Eating Gilbert Grape』など好きな作品がいくつもある。本当によかった。おめでとう!

Saturday, February 27, 2016

オーキッド・ショー

シカゴ・ボタニック・ガーデンで毎年人気のオーキッド・ショーに来た。385エーカーという広大な公園で行われる特別展は、これまた大変な規模。3棟の大きなグリーンハウスに、カラフルな蘭の花々や南国の植物がいっぱい。この時期の冬疲れしたシカゴの人々に、明るくエキゾチックな空気を届けてくれる。今日はたまたま気温もおだやかでとてもいいお天気。もうすぐ春かもという期待と(必ず裏切られるのはわかっているけど)、南国の花の香りが重なって、とっても気分のいい週末だ。それにしてもすごい数の蘭。どのくらいの準備期間をかけてどうやって活け込むのか!? 機会があれば見学してみたいのだ。

春のような陽気に恵まれた週末のボタニック・ガーデン
オーキッド・ショー会場に続く通路にも
たくさんの蘭の活け込み
こんな感じの活け込みがたくさん。
作るのにいったいどれだけ時間がかかるのか!?
でも楽しそうだ
ペーパー・オーキッドも。
OrigamiをもじってOrchid-gameだって!
きりっとした青空にブーゲンビリアが映える
見事が蘭の花が数百、もしくは数千!?
3棟の広〜いグリーンハウスはすべて南国の香り
ビーカーの口に鼻を当てて、シュッと空気を送ると
中に入っている花の香りを嗅ぐことができる。
こんなインタラクティブな実験も楽しい
明るい日差しと南国の植物に夏を感じるグリーンハウス
でも、外の池はまだ凍っています....

Sunday, February 21, 2016

Day of Remembrance

2月19日は日系アメリカ人にとって、忘れてはいけない日なんだそうだ。1942年、太平洋戦争中のこの日、当時の大統領フランクリン・ルーズベルトの命令により、西海岸に住む11万人の日系人が強制収容キャンプに送られた。パールハーバーを攻撃した敵国にルーツが繋がるという理由だけで、家も仕事も財産も没収され、鉄条網を張った砂漠の僻地にカバンひとつで送られたのである。罪を犯してもいない自国の国民を、日本人を先祖に持つというだけで収監する。それは政府による明らかな人種差別であり、自由と平等の国アメリカの精神に反する歴史上の暗い出来事として、あまり普通のアメリカ人にも知られていない。そんな人類の過ちを次の世代に語り継ぎ、二度と繰り返さないとするために、この日を「Day of Remembrance(憶えておかなければいけない日)」として、日系人のグループがあちこちでイベントを行ったりする。

今日は、シカゴ歴史博物館で行われたそのイベントをのぞいてみた。戦後、キャンプから解放された日系人をいち早く受け入れた街であるシカゴは、組織化された日系人のグループがいくつもあり、昔も今も絆の強いコミュニティを作っている。大勢集まった日系人の人たちからは日本語はまず聞こえて来ないし、今や行動も生活習慣も全くのアメリカ人なのであるけれど、当時収監される時には誰ひとりとして逆らう人はいなかったとか、70年代、レーガン大統領による政府の正式謝罪と賠償金を取り付けるまで戦後30年ものあいだ、日系人の名誉回復のために粘り強く闘ったイノウエ議員やミネタ議員の話を聞くにつけ、あぁやっぱり日本人だなぁと思ったりする。カリフォルニア州立大学のミッチェル・マキさんの基調講演もパワフルで素晴らしかった。第一言語は日本語で、「移民と戦争」という試練を親やその親世代から直接語り継がれたこともない、言ってみれば新型移民であるワタシのような日本人が、このコミュニティにできることは何だろう。そんなことを考えた一日だった。

  博物館のイベントホールにたくさん集まった日系人の人たち
戦後、軍の通訳者として沖縄に駐屯した
退役軍人の日系二世のおじいさん
とてもパワフルな基調講演。
「Achieving the Impossible Dream:
How Japanese Americans Obtained Redress
(不可能と思われた夢の達成:
日系アメリカ人はどう名誉を取り戻したか)」という
本を書いたミッチェル・マキ氏は日系三世
「スタートレック」の名優
ジョージ・タケイ氏も
子どもの時にキャンプ生活を経験した
日系人のひとり。
キャンプ地跡の記念碑前での写真が
印象的だったのでお借りしました
(フェイスブックより)


Wednesday, February 17, 2016

「Brooklyn」

映画「Brooklyn」を観た。1950年代、まともな仕事もなく貧しくて退屈なアイルランドの田舎から新天地を求めてニューヨーク・ブルックリンに移住する若い女性の成長物語。故郷と新天地の間で揺れ動く心や、大切な人の死に立ち会うことのできないやるせない距離、故郷に残した母親との関係を巡る葛藤などを、静かていねいに描く。主人公のエリッシュを演じる女優さんも素晴らしい。時代は違っても共感することばかりで、特にワタクシのように海外で生活する者には、ぐいぐいと心に刺さるものがある。海外に長く暮らしていると、時としてアイデンティティ・クライシスに落ち込むものだけれど、人のアイデンティティって、日本人だとかアメリカ人だとかそういうことではなく、人生のふとした巡り合わせで出会う人々や経験によって出来ていくものなのだなぁと改めて思う。そしてそんな思いに勇気をもらった作品だった。

50年代のファッションやインテリア、アイルランドの街並みの色使いなど、アートディレクションもとてもいい。19世紀後半から20世紀のニューヨークを支えた2大移民、アイルランド系とイタリア系がブルックリンで出会うという設定も人気の秘密かな。ところでこの主役を演じたシーシャ・ローナン、「The Grand Budapest Hotel」でベルボーイのガールフレンドをかわいくコミカルに演じたあの女優さんだったのね。今回は全然タイプの違う役だけれど、とても上手でとてもきれい。そして本人自身もアイルランド出身なんだそう。主演女優賞が取れるといいなぁ。

2月になると、アカデミー賞授賞式中継の3〜4時間をなるべく退屈しないで観られるように、急に映画を観まくるワタクシ。さて、次は何を観ましょうか…



Monday, February 15, 2016

食卓から箸まで

最近エバンストンに出来た新しいラーメン店食卓から箸まで。英語名はTabel to Stix。「ゆりかごから墓場まで」をもじっているのか、「Farm to Table」をもじっているのか、どちらにしても意味不明の面白ネーミングだ。どこに行ってもラーメンブームで、ここも平日のランチタイムは満席。お味のほうは、なかなか美味しいですよ。日本では当たり前かもしれないけれど、醤油とか豚骨とかベースになるラーメンを基本に、様々なトッピングを加えられるというのもここでは新しいコンセプト!

誰も読めないけれど日本語で書かれた店名が
なにやらインパクトがある。
会社のアメリカ人たちの間では、「That Ramen Place」で通っている
お昼時、小さい店内はいっぱい
厨房も清潔でいい感じ
なかなか美味しかった醤油ラーメン。
2本のエビ天はオプション追加ではなく、基本メニュー。
天ぷらうどんじゃないんだから! とつっこみたくなるが
こういうところがアメリカのラーメン屋さんなのだ
オプションで追加できるさまざまなトッピング。
アメリカ人の間では、絵を見てもよくわからない
「Menma」がミステリーのようです

Sunday, February 14, 2016

バレンタインデー

フェイスブックのタイムラインを見ると、日本人の投稿はチョコレート、アメリカ人の投稿は花と、同じ祝日もそれぞれのお国で商業的に違う習慣を見せていて面白い。アメリカのバレンタインデーは、カップルの間でロマンチックな演出を楽しむ日。男性は、バラの花などをガールフレンドや奥さんに送るのが一般的で、雰囲気のいいレストランで2人きりのディナーというのも定番。バレンタインデーには2億5700万本のバラがアメリカの市場に出ると言われ、その売り上げは年間の切り花総売上の61パーセントを占めるんだって! ちなみに、アメリカにはホワイトデーはありません。バレンタインデーに何かをプレゼントしても、お返しが来ると期待してはいけませんのよ。

「Share the Love」というキャッチフレーズで
スーパーに並んだたくさんのバラたち
バラ1輪を携えて、ガールフレンドとの
待ち合わせのレストランに現れた男の子。
幸せそうな笑顔にこっちまでうれしくなる

シカゴ・オートショー

スーパーボウル同様、まったくの知識ゼロで訪れた初めてのシカゴ・オートショー。マコーミック・プレイスでのこのオートショーはアメリカ国内で最大の展示面積を誇るということで、何でも世界一とか全米一とかが好きなシカゴらしい。自動車ショーというと何となく、きれいなコンパニオンのお姉さんがクルマといっしょに各ステージで微笑んでいるという印象があるのだが、ジェンダー差別に厳しい昨今のアメリカではそんな光景はタブーらしく、日曜日の家族連れがピカピカのクルマに囲まれて楽しそうに時を過ごす健全なアミューズメントパークだった。Jeepの丘を越えるオフロードのテストドライブコースとか、橋がアップダウンするという、意味不明だけれどなんだか面白いToyotaのテストドライブコースとか、広いんだから何でもオッケーよ~みたいなプレゼンテーションが笑える。未来型のコンセプトカーを見ながら夢を膨らませたり、ちょっと手の届きそうなクルマを見て、来年あたりクルマ替えようかなぁと思ってみたり、知識ゼロでもかなり楽しめるイベントなのだ。そして、こういう大型イベントが冬にあるというのも、シカゴらしい。

外の雪景色からはうってかわって、
家族連れが楽しむ一大屋内アミューズメント・パーク!
オフロードコースで丘を越えるJeep

↓ プラレールのように橋がガタンと動くToyotaのテストコース。
意味不明だけれどちょっと面白い。

未来のオート3輪
BMWの未来車は顔つきがアングリー・バード
こちらも未来車。お尻擦りそうです
ちょっと欲しくなっちゃったレトロでかわいいMiniのClubman

Sunday, February 7, 2016

スーパーボウル・サンデー

アメリカの冬のハイライト、スーパーボウル! 今日はアメリカ中のお茶の間やスポーツ・バーが、観戦パーティで賑やかな日曜日だ。アメリカが1年で一番ビールを消費する日とも言われる。今年は第50回目ということで、さらなる盛り上がりのキャロライナ・パンサーズ対デンバー・ブロンコス。何度教えてもらってもルールを覚えられず、あまりに暴力的なのでスポーツとしては基本好きにはなれないアメフトだけれど、華やかなハーフタイム・ショーとか、各企業が競ってお金を投じるコマーシャルの数々とか、ゲーム以外にも話題性がたっぷりのこのスーパーボウルだけは周囲の盛り上がりに混じってワタシでも充分楽しめる。毎年恒例になった友人宅での観戦パーティでは、賭けてるから余計に熱い男子をよそに、女子はもっぱらガールズトーク。ロースコアであんまり面白くない試合だったらしいけれど、そんなことはワタシにはわからないのだ。

テレビに向かって横並びで熱い観戦
4th Quarterにして、なんだかロースコアらしい
Coldplay、Bruno Mars、そして常連ビヨンセと、
ハーフタイム・ショーは豪華顔ぶれ!

ガガちゃん、かっこよかった〜
観戦パーティにみんなで持ち寄ったお料理の数々。
ワタクシはこういうことで参加しております

↓ 今年のスーパーボウルのホンモノの勝者と言われたくらい素晴らしかったレディ・ガガの国歌斉唱。ぎんぎらの星条旗衣裳と星条旗メイク、靴まで星条旗!




IHOP

ボーイズタウンの北のはずれにあるIHOP (International House of Pancakes)。まるで時代に取り残されたかのようにも見える外観とは裏腹に、今でも週末には行列が出来るほど人気のあるファミリーレストランである。ここには時々無性〜に食べたくなるワッフルやパンケーキのような、アメリカの典型的ブレックファーストを日曜日の朝に食べに来る。いかにもファミレス的なインテリアがこの辺りでは珍しく、出張で訪れる田舎の街の朝食風景を思い出す。おしゃれな店が出来ては消えるヒップなエリアにあって、こういう店は貴重なのである。

いかにもファミレスな店内は満席の日曜日
表面がつるつるにコーティングされた
カラー印刷の大きいメニューがファミレスらしい。
そしてALL YOU CAN EATのパンケーキ!
最近ちょっとだけデザインが変わったロゴもかわいい
これです。これが時々無性に食べたくなる。
やたらとシンプルなアメリカン・ブレックファースト!
ALL YOU CAN EATはさすがに食べられないので
シニアバージョンです

平屋で、専用の駐車場があって、
こんなに余裕を持って建てられているレストランは
この辺りにはもうどこにもないだけに、やたらと目立つ外観。
お店の中は低くて平らな天井なのに、
この巨大な三角屋根の中はいったいどうなっているのだろう....

Friday, February 5, 2016

ナオキ・スシ 再び

先日のプラクティス・ディナーから2週間。ちゃんとしたお客さんとして予約をして出かけたNaoki Sushi。こじんまりと清潔な店内は週末らしい活気に満ちて、店員さんも笑顔で気持ち良く働いていていい感じ。2週間よりかなり余裕が出て来た大将の尚ちゃんとは、カウンター越しに結構会話もできました。以下 ↓ きれいで美味しいお料理の数々。

お通しでサービスしてもらった枝豆のワカモーレ
トラウトの握り寿司。きれい
ちょっとだけ火が通ったロブスターのお刺身。
緑のソースがこれまた美味
シンプルでフレッシュな中トロ
キングクラブの手巻き寿司
そしてウニ
チームワークの素晴らしいカウンターの向こう側
ウニの向こうで余裕の笑顔を見せるナオキ・シェフ
照明の明るい寿司バーとは対照的に
ちょっと暗めのムードのあるテーブル席は満席。
大繁盛の様子です!

Tuesday, February 2, 2016

グラウンドホグ・デー

今年もこの日がやって来た! 超バカげたイベント、グラウンドホグ・デー! このアメリカ北東部寒冷地恒例の行事は、グラウンドホグという大型のリスのようなもぐらのような動物が主役。農民たちが動物の行動を観察して種まきの時期を決めていたドイツ由来の伝統行事で、ペンシルバニア州のPunxsutawneyのいう田舎街では、フィルという名の有名なグラウンドホグが執り行う。住民が見守る中、朝7時半に巣穴から出て来るフィルが、地面に自分の影を見ると、驚いて巣穴の中へ逃げ帰り再び冬眠してしまう。その場合は、アメリカ全土で冬があと6週間続く。影を見ずにそのまま外へ出た場合には、春はもうそこまで来ているということだそう。Punxsutawneyでは街をあげての大行事。そして今年はフィルは影を見なかった! ということで春はもう間近。っていうか、今年の冬はあまりにマイルドなので、もう春は来てるかも!
 

Monday, February 1, 2016

ジェイク・シマブクロ

久々のCity Wineryでのコンサートはジェイク・シマブクロ! ハワイアンからクラシック、ジャズ、ロック、ポップとジャンルを問わずに、技術と感性とクリエイティビティで新しいウクレレの世界を創造するジェイク。初めて彼の演奏を生で聴いたのは、2010年ホノルルマラソンのエキスポだった。その後、ラビニアやオールドタウン・ミュージック・スクールなどシカゴに来てくれるたびに追っかけてきたけれど、今日も明るくエネルギッシュな演奏を聴かせてくれた。演奏の合間のお喋りも楽しいし、フレンドリーな笑顔も最高のミュージシャン。お友だちになりたいのだ!

300人収容というCity Wineryのコンサートホール。
2日間全席Sold Outのこのコンサートには、
ハワイの人もたくさん来ていたみたい
タパス・スタイルのおつまみとワインを楽しみながら、
リラックスしてライブを聴くことができる。食事も美味しい! 
指の動きや額に光る汗までも見て取れる
いい席でした!
笑顔もステキなエンターテイナー