Sunday, February 21, 2016

Day of Remembrance

2月19日は日系アメリカ人にとって、忘れてはいけない日なんだそうだ。1942年、太平洋戦争中のこの日、当時の大統領フランクリン・ルーズベルトの命令により、西海岸に住む11万人の日系人が強制収容キャンプに送られた。パールハーバーを攻撃した敵国にルーツが繋がるという理由だけで、家も仕事も財産も没収され、鉄条網を張った砂漠の僻地にカバンひとつで送られたのである。罪を犯してもいない自国の国民を、日本人を先祖に持つというだけで収監する。それは政府による明らかな人種差別であり、自由と平等の国アメリカの精神に反する歴史上の暗い出来事として、あまり普通のアメリカ人にも知られていない。そんな人類の過ちを次の世代に語り継ぎ、二度と繰り返さないとするために、この日を「Day of Remembrance(憶えておかなければいけない日)」として、日系人のグループがあちこちでイベントを行ったりする。

今日は、シカゴ歴史博物館で行われたそのイベントをのぞいてみた。戦後、キャンプから解放された日系人をいち早く受け入れた街であるシカゴは、組織化された日系人のグループがいくつもあり、昔も今も絆の強いコミュニティを作っている。大勢集まった日系人の人たちからは日本語はまず聞こえて来ないし、今や行動も生活習慣も全くのアメリカ人なのであるけれど、当時収監される時には誰ひとりとして逆らう人はいなかったとか、70年代、レーガン大統領による政府の正式謝罪と賠償金を取り付けるまで戦後30年ものあいだ、日系人の名誉回復のために粘り強く闘ったイノウエ議員やミネタ議員の話を聞くにつけ、あぁやっぱり日本人だなぁと思ったりする。カリフォルニア州立大学のミッチェル・マキさんの基調講演もパワフルで素晴らしかった。第一言語は日本語で、「移民と戦争」という試練を親やその親世代から直接語り継がれたこともない、言ってみれば新型移民であるワタシのような日本人が、このコミュニティにできることは何だろう。そんなことを考えた一日だった。

  博物館のイベントホールにたくさん集まった日系人の人たち
戦後、軍の通訳者として沖縄に駐屯した
退役軍人の日系二世のおじいさん
とてもパワフルな基調講演。
「Achieving the Impossible Dream:
How Japanese Americans Obtained Redress
(不可能と思われた夢の達成:
日系アメリカ人はどう名誉を取り戻したか)」という
本を書いたミッチェル・マキ氏は日系三世
「スタートレック」の名優
ジョージ・タケイ氏も
子どもの時にキャンプ生活を経験した
日系人のひとり。
キャンプ地跡の記念碑前での写真が
印象的だったのでお借りしました
(フェイスブックより)


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