Friday, November 22, 2013

VENTRAカード

この夏、鳴り物入りで登場したCTA(シカゴ市営のバスと鉄道の交通網)の新チケットシステム「VENTRA」の不具合がいつまでたっても解決しない。どんないきさつなのかは知らないが、発券&改札のシステムを請け負う会社が変わったのだろう、以前のChicagoPlusカードから一斉の切り替え。ChicagoPlusカードの利用者にはVENTRAの新しいカードが郵送されてきて、それをVENTRAサイトでオンライン登録すると、元のChicagoPlusカードに入っていた残額と設定していた支払い方法や個人情報などがそっくりコピーされ、次回からは新しいカードを改札の新しいスキャナーにタップして読み取らせるだけ。スムーズにシステム移行が出来るはずだった。

ところが、カードが送られて来る段階からずこっけの連続。いつまでたってもカードが来ない人がたくさんいるかと思えば、ひとりに80枚もカードが来ちゃったという人も。無事登録が済んだかと思うと今度は改札のスキャナー。カードを入れた財布ごとスキャンすると、一緒に入っているデビットカードやクレジットカードにも複数課金されてしまうという問題が発覚。VENTRAのカスタマーサービスはパンク状態で電話が繋がらず、重複料金の返済を求める被害者の殺到でカード会社もいい迷惑だ。バスではカードをタップしなくても近くを通っただけでスキャナーが反応してしまうらしく、降りる時も気づかずに課金されて、料金を2倍払わされていたというケースがあったり、そうかと思えば電車の改札では、スキャナーが1回のタップで認識することは珍しく、改札脇に駅員が常駐して「カードひっくり返してみて、あぁ遠い遠い、もうちょっとだけ前に傾けて、あ、もっとゆっくり、ねぇカード汚れてない? あぁ〜うまくいったねぇ(にっこり)」などといちいち指図する。カードを裏返してみたり角度を変えてみたりしながら何回もトライしなければならないおかげで、ラッシュアワーの改札口は延々と行列。どうしても認識しない時には、めんどくさくなっちゃった駅員の判断で、そこにいる人全員タダで通しちゃったりもする。これ、21世紀テクノロジー時代の、あのiPhone作ったりスペースシャトル飛ばしたりするアメリカの、大都市シカゴの話ですよ、ホント。

混乱と修復にてんてこまいのCTAは公式の謝罪もできず、非難の殺到に「オレだってCTAにはイライラしてんだよ」とエマニュエル市長は逆ギレする始末。オバマケアのオンラインシステムの不具合といい、これといい、どうしてこうなるかなぁ、ってことが多いよね、アメリカ。しっかりとしたテストをしないまま、いや、してはいるんだろうけれど、何か複雑で不可解な仕事のプロセスの中で、どこかが落ちたまま見切り発車せざるを得ず、結果、問題続出ってことなんだろう。アメリカだからね〜と、こういうことにもあんまり驚かなくなっている昨今のワタクシです。

そう言いながら今カードの写真を撮ろうと思ってバッグの中を探したら、VENTRAカードが見当たらない。え、ウソ、どこで落としたんだろう…. あぁ、もう、CTAもボケなら、ユーザーもボケ。あっちもこっちも救いようなし!

こちらが何度も何度もタップさせられ
る改札のスキャナー
本日は自動券売機も不具合のようです(笑)

↓ 1週間以上もクレジットカードに複数課金されていたことがわかって、腹を立てた若者ふたりが作ったというVENTRA抗議ラップ。こういうクリエイティブなことに関しては、アメリカってやっぱりおもしろいよね〜 Radio Editということなので、オリジナルにはもっと汚い言葉がいっぱい入っていると思われます。



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