Saturday, November 23, 2013

Slaymaker Gallery

1800年代終わりに一斉に建てられたビル群が、当時の面影を残すまま今もいい状態で保存されていることが評価され、シカゴ市の歴史保存地区に指定されているウチの通り。その角地にCTAの高架鉄道と並んでこの古いSlaymaker Galleryがある。1896年、その頃労働者階級のドイツ移民が多く住んでいたこの地区に金属研磨の工場としてオープンしたこのビルは、工場が閉鎖してからはずっとアンティークショップとして引き継がれ、1956年からは、ドイツ移民を祖先に持つSlaymaker Familyがオリジナル・アート専門のディーラーとしてギャラリーを営み、現在に至っている。知る人ぞ知るの有名なビルでありギャラリーであるらしく、古くはケビン・コスナーの『アンタッチャブル』、わりと最近ではアンジェリーナ・ジョリーの『Wanted』やジョニー・デップの『Public Enemies』など、ハリウッド映画のロケにも使われる。『Public Enemies』の時には、ギャラリーが葉巻ショップに変身。クラシックな外観や内装が、特に大がかりな細工をほどこすこともなく1930年代のギャング時代の雰囲気を醸しだし、スクリーンを通さずともタイムスリップしたような気分にさせられたのだった。

今回このギャラリーに、夏にペルーでゲットしたアンデスのラグの額入れをお願いした。前を通る度に気になってはいたのだが、ギャラリーとはいっても、繁華街に面して通りがかる人がひやかしに入るような店ではないので、今回初めてショールームを覗かせてもらうことができたというわけ。古いものが所狭しと押し込められ、カビくさ〜い匂いのする倉庫のような内部を想像していたのだけれど、内部は意外とすっきり整然。グランドピアノが置いてあったりもして、天井画やクラシックな装飾が残る壁のモールディングなどもとってもステキ。その道のプロ向けの取引専門なので、素人がポっと行ってポンと買えるようなものはなかなか見つからないとは思うけれど、こういうお店の人とお知り合いになって、じっくり勉強しながら、自分だけのお気に入りアートを手に入れるというのもいいかもしれない。ご近所だし。

本業のアートも気になるけれど、次はどんな映画が来るのかが楽しみでもある、そんな個性的なギャラリーなのだ。

地上3階地下1階、ギャラリーとしては
かなり大きなスペースの、クラシックなビル
表通りに面したショールーム。天井の壁画や壁面の装飾なども
アンティークでかなりの価値がありそう
内部はいくつかのセクションに分かれている
ここは、額のサンプルが置いてあるショールーム。
テーブルの上のラグが今回ワタシがお願いしているモノ。
いろんなサンプルを合わせながらどう仕上げるか相談します
CTAの線路側の外壁。目立たない場所にもこだわりの壁画

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