Sunday, November 17, 2013

『The Book Thief』

『The Book Thief』という映画を観た。原作は世界的にベストセラーになった本だということ。邦題は『本泥棒』 ナチス政権下のドイツの小さな田舎町を舞台に、里子に出された読み書きのできない少女が、ふとしたことから盗んだ本「墓堀人のガイド」をきっかけに読み書きを覚え、養父母と一家が地下にかくまったユダヤ人青年や、町の人々との暖かい交流の中で、複雑な時代を生き、成長していく物語。最後の30分はずっと泣きっぱなしになってしまった悲し〜いお話だけれど、不思議と後味はあったかい。登場人物が全員魅力的だからかな。

この時期封切りの映画は大抵が年明けの賞狙い。この映画もきっとそうだ。アカデミーが好きなナチスものでもあるしね。『シンドラーのリスト』や『ピアニスト』に比べると政治描写はやや安全な感じもするけれど、「The Book Thief」というタイトルは、主人公の少女が本を読みたいがために本泥棒を繰り返したことと、ナチスが思想弾圧のために行った焚書への抗議というふたつの意味があるんじゃないかな。焼け残りの本を盗むシーンも出て来るし。戦渦の時代に翻弄された普通の人々の小さな幸せと悲しい犠牲をあたたかく描きながら、そこにしっかりと反戦メッセージが込められている秀逸な作品である。これからのクリスマスシーズンにお薦め。お父さんの奏でるアコーディオンもとてもステキです!



No comments:

Post a Comment