Saturday, December 13, 2014

ソーン・ミニチュアルーム

アート・インスティチュート・オブ・シカゴの最もユニークな常設展のひとつ、ソーン・ミニチュアルーム。16〜20世紀にかけてのイギリスやフランスを中心としたヨーロッパや、アーリーアメリカンの時代の東部アメリカの室内を、ミニチュアで再現した一連のシリーズ。縮尺1/12のミニチュアの部屋はどれもとても豪華で、細部まで完璧に再現され、まるでホンモノの部屋のように精巧に作られている。窓から降り注ぐ自然光のように計算されたライティングや、窓の外に見える庭や農園などの奥行きもすごい。

そのミニチュアルームで、11月の終わりからひと月間、ホリデーデコレーションが施されている。ミニチュアなので目をこらしてよ〜く見ないとわからないけれど、テーブルにクリスマスの伝統料理が並んでいたり、リースやガーランドがドアや階段の手摺りに飾りつけてあったりと、これまた芸が細かい。1940年代にこのオリジナルの作品群を作った人たちはもちろんすごいけれど、季節ごとに細工を凝らして、常設展に飽きない工夫を加える現代の美術館の人たちもすごいのだ。

クリスマスツリーがあるので、これが一番分かりやすかった。
ビクトリア王朝時代の英国のリビングルーム。
写真に撮ってしまうとミニチュアとはとても思えない
外にエッフェル塔の夜景が見えるパリのアパートメントの一室。
よく見るとテーブルの上にシャンパンが!
アメリカ、シェーカー教徒の部屋。シンプルだけれど重厚な部屋に
ホリデーのデコレーションは見つけられなかったけれど、
壁にかかるシェーカーの黒い帽子が印象的
こちらは中国の部屋。賑やかな新年の爆竹が下がっている
ニューメキシコの伝統的なダイニングルームには、
質素だけれどあたたかいこの地方の祝祭伝統料理と
ニューメキシコ特有のスペインコロニアル風の飾り付け。
写真を撮るワタシの姿がガラスに映り込んじゃったけれど
これで大きさの感じがわかるでしょうか....

20世紀半ばのモダン・カリフォルニア。
ユダヤ教のお祝い、ハヌカの燭台メノラーをテーブルに置くところ、
多様性を重んじるアメリカらしい配慮
アート・インスティチュート正面のライオンも、
リースをかけてすっかりホリデー仕様

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