Wednesday, July 17, 2013

アンデアン・エクスプローラー

ペルー旅行最後の2日間を、標高3800メートルの世界で一番空に近い湖、チチカカ湖で過ごすためにクスコから列車に乗った。ペルー・レイルの豪華列車「アンデアン・エクスプローラー」でプーノまでの10時間は「世界の車窓から」体験なのだ。ファースト・クラス・オンリーでひとり片道250ドルには、一瞬うっとひるんだけれど、ペルーなんてもうきっと来ないよなぁと思えばここは大人買い。1日1便、1週間に4回しか走らない単線の列車は、ヒツジの群れが点在するのどかな高原の牧草地帯を、のんびりのんびり走って行く。10時間というとどんなに遠いのかと思うけれど、列車の速度が超ゆっくりなので、実際の距離はそれほどでもない。この日は途中、羊飼いのおじいさんがワタシたちの乗った列車に轢かれて死亡するという残念な事故があり、事故現場で3時間の足留めにあったため、10時間のはずが結局13時間かかってしまった。

クスコの駅を出発するアンデアン・エクスプローラー
マチュピチュ、リャマ、ナスカの地上絵、インカの石組みを
デザインしたペルー・レイルのマークがかわいい
列車最後尾にはオープンな展望車
ウッドと真ちゅうのインテリアがクラシックで優雅な客車内
朝食のテーブル

13時間のあいだには、車掌さんがモデルになってのアルパカ製品ファッション・ショーや、アンデス・フォルクローレのバンドによる演奏と民族舞踊のショーなどもあり、乗客を飽きさせない工夫があちこちに。途中、行程中一番標高の高い地点にあるRayaという駅では15分間停車して、乗客は外に出てその空気の薄さを体験することができる。もちろん、この時間に列車がここで停車することを熟知している近隣住民が、おみやげ物を売りつけようと、手ぐすねひいて待ってもいる。食事をしたりショーを観て楽しんだり、ワタシはインカ・トレイルのブログをオフラインで書いたりしていたら、意外とあっという間に時間が過ぎた。夕方6時半の到着予定を大幅に遅れて夜の10時にプーノ到着。あたりはもう真っ暗で何も見えないから、チチカカ湖とのご対面は翌朝、ということになった。

のどかなアンデスの牧草地帯を走る。
とは言っても標高は3000メートル超。
風は冷たいけれど気持ちのいい後方の展望車
ラウンジ・カーにてアンデス音楽とダンスのショー
朝オーダーしておいたランチ。トラウトのグリル+タルタルソース
デザートはチョコレート・ムース・ケーキ
沿線の田舎町。1日1便、週に4回しか通らない列車なので、
家々や商店はもう線路のギリギリまでせりだしている
この路線で一番標高が高い地点、
標高4319メートルのラ・ラヤで一時停止。
15分間だけ列車を降りることができる
一時停車の旅客に向けて、お土産の露店が並ぶ
ラ・ラヤにも小さくて素朴な教会が
夜の部のショー。
アンデスの民族楽器による軽快な音楽がラウンジ・カーに響く

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