Sunday, April 15, 2012

ジェイク・シマブクロ

Gene Siskel Film Centerで行われているアジアン・アメリカン・メディア・ショーケースのイベントでジェイク・シマブクロのドキュメンタリーを観た。来年PBSで一般公開になるというこのフィルム、「ほぼ」完成な状態での一足お先のお披露目となった。ウクレレ奏者として世界的に有名なハワイ出身日系5世のジェイク。言ってみればこのフィルムは彼のサクセス・ストーリーなわけなのだけれど、おもちゃのようなものとしてしか見られていなかったウクレレの楽器としての地位の変遷だとか、ハワイのひとりの若者がウクレレとともに表舞台に引っ張りだされるきっかけとなった1本のユーチューブだとか、ジェイク・シマブクロが注目されることになった「今」という時代のヒントがあちこちに散りばめられていて、とても勉強になるドキュメンタリーだった。また、5世という、純粋な日本人カテゴリーからは遥かに離れてしまっているようも思える世代の日系人が、日本人というアイデンティティにどう向き合っているのかという心の葛藤のようなものもちょっと見えたりして、それも日本人としてのわたしにはなかなか興味深かった。それにしてもドキュメンタリーを作る人ってすごいと思う。まだ30代半ばでしかないアーティストの成功への軌跡を、こんなに豊かで魅力的なストーリーに表現できるのだから。ハワイアンからクラシック、ジャズ、ポップとジャンルを問わずに、技術と感性とクリエイティビティで新しいウクレレの世界を創造していくジェイク。これからがもっともっと楽しみなアーティストなのだ。

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