Saturday, April 20, 2013

ボビー・マクファーリン

ジャズ・ヴォーカリストのボビー・マクファーリン。音楽ってこんなに自由で面白いんだってことを教えてくれる、とっても楽しい彼のコンサートに来るのは2度目である。変幻自在な声色、声域、歌い方は、ヴォーカルという領域を越えて彼自身が複雑な楽器という感じ。観客までをも奏でてしまう、ホール全体を巻き込んだひとつのパフォーマンスは、すっごく愉快な曲間のトークも加わって、超絶技巧な天才的ヴォーカルのテクニックを披露しているにもかかわらず、コンサート自体は緩〜くて和やか。グラミー賞を取った彼の代表作、頭に来るくらいノー天気な「Don't Worry, Be Happy」がそのまんま主題になるようなコンサートなのだ。終演後の観客たちは笑顔笑顔笑顔。これだけ笑顔の溢れるコンサートにはなかなか出会えない。音楽は楽しい。歌は楽しい。歌えることが楽しい。コラボも楽しい。音楽のある生活が楽しい。どこにでも音が存在することが楽しい。そして、やっぱり人生は楽しい。そんなこと彼はこれっぽっちも言わないけれど、びんびん伝わってくるんだよね。うん、実に楽しい。欲を言えば、会場がCSOというのがちょっと、ね。ジャズ・クラブなどで軽く飲みながら、隣の人とおしゃべりしながら、リラックスして聴きたいタイプの音楽なのだ。

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