大好きな
アート・インスティチュート・シカゴで、またまた楽しい展覧会が開催されている。ゴッホの「
Bedrooms」 シカゴに常設展示されている自身の寝室を描いたゴッホのこの作品が、実は3点存在しているというのはあまり知られていなかった事実。他のふたつはアムステルダムのゴッホ美術館とパリのオルセー美術館にあり、今回その3作品がここシカゴに集合。3つを同時に見られるのは北米では初の試みだそうで、そういった意味でも注目を集めている特別展である。
37年の短い生涯に24都市37件の家に暮らしたというゴッホが、このイエローハウスと呼ばれるフランス・アルルのアパートメントに移り住んだのは1888年のこと。最初の作品は引っ越してすぐに描いたとされ、2作目はその後精神病院にて、そして少しサイズの小さい3作目は母親と姉への贈り物として描かれたそうだ。3作目が少し小さいことをのぞけば一見してほとんどコピーに見える3作品を、この展覧会では、床、椅子、窓、サイドテーブルの食器や壁にかかった絵画など、細部に渡って厳密に比較し、その検証の過程における科学的な発見や証拠を、大型スクリーンやインタラクティブな技法を用いてわかりやすく解説している。そして何より楽しいのは、実物大の部屋のレプリカをギャラリー内に作ってしまっていること。この部屋の前に立つと、まるで南仏のアルルでゴッホになったような気分になれる….とまでは言わないけれど、贅沢にスペースを使ってこんな突拍子もないことをやっちゃう展覧会は、さすがアメリカ。あまりにも有名で、見尽くされ語り尽くされたアーティストを、こんなに新鮮な切り口で見せてくれる。やっぱりアート・インスティチュート・シカゴは最高だ。
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木曜限定の夜間公開では比較的ゆっくり鑑賞できる |
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この空間のゆったり感は、やっぱりアート・インスティチュート |
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広い空間に3作品が並ぶ |
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第1作目はアムステルダム・ゴッホ美術館所蔵作品 |
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精神病棟で描いたとされる第2作目が我がシカゴ所蔵の作品 |
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3作目、ちょっと小さい作品はパリのオルセー美術館から |
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様々な比較検証をわかりやすく説明した
ドキュメンタリー・ビデオも見られる |
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実物大で作られたゴッホのベッドルーム |
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やはり南仏で制作された「Night Café」
ここにも作品の前に実物のカフェ。遊び心満点の楽しい特別展なのだ |
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