Friday, January 17, 2014

ミリオン・ダラー・カルテット

5年越しで観たいと思っていた『ミリオン・ダラー・カルテット』 ブロードウェイの初演が2010年で、シカゴの初演はさらにその2年前。CTAの高架脇にあるアングラっぽい小さな劇場アポロシアターでロングランを続ける、この評判のいいミュージカルにやっと行って来た。

舞台は1956年のメンフィス。当時21歳、全米で大スターとなっていたエルビス・プレスリーが古巣の小さなレコーディング・スタジオにふらりと立ち寄ると、そこにはカール・パーキンス、ジェリー・リー・ルイス、ジョニー・キャッシュという、のちの大物ミュージシャンたちがたまたま集まっていて、のちに「ミリオン・ダラー・カルテット」と呼ばれて伝説となる一夜限りのジャムセッションが行われたという、実話に基づくお話。

いやいや、評判通り、良かったですよ〜。50年代のロックンロールとかロカビリーとか、今も昔もワタシの中には全然存在しないジャンルの音楽なんだけれど、目の前でぎんぎんのリーゼントのお兄ちゃんたちが、きんきんのテンションでロックを奏でるその姿は、かなりのタイムトリップ感覚。比較的年配の人が多い客席も大いに盛り上がっていて、きっと当時はこんなんだったんだろうなぁ。で、このロックンロールの四天王を演じる役者さんたちがまたスゴい。全員がその役になりきって、でも単なる物まねではなく、歌も楽器も曲芸的にめちゃくちゃ上手いのだ。特にジェリー・リー・ルイスを演じたランス・リピンスキー。そんなにしたらピアノ壊れちゃうよ〜ってなくらい、激しく楽しく豪快な弾きっぷり。まだ24歳だというから、これからが楽しみだ。こんなアングラみたいな劇場にこんな逸材がいるのだから、アメリカって本当に人材が豊富というか、層が厚いんだと思う。南部訛りのセリフが難しくて会話のディテールはよくわからなかったけれど、音楽がホントにかっこいいので、細かいことは抜きでも大いに楽しめる。最後は総立ちのコンサート状態になっちゃうし。あと、この劇場、客席にドリンク持ち込み可! そんな緩さもいいのよね〜!

開演前。すり鉢状のシアターの真ん中は、
舞台となるレコーディング・スタジオのセット。
上演中は写真は撮れないのですよ〜
メンフィスの小さなレコード会社サンレコードのオーナーで
4人の育ての親でもあるサム・フィリップスが
当日密かに録音したこのジャムセッションが、のちに発見され、
「ミリオン・ダラー・カルテット」として発表されたのは
なんと1980年代になってしまうのだそう


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