Thursday, August 25, 2011

ドクター・オオモリ

歯は丈夫なほうなので、保険でカバーされる6ヶ月に1回の検診とクリーニングの時しか歯医者には行かないのだけれど、この6ヶ月に一度の来院、わたしはけっこう楽しみにしている。お世話になっているドクター・オオモリは、この地域に日系人が多かった頃のお父さんの歯科医院を継いで経営している日系3世。日本語は全く話さないけれど、日本の文化がツイストされた日系人の文化を継承しているので、会話のはしばしに日本の礼儀や家族の慣習、食べ物のことなどがツイストされた形で登場して、とってもおもしろい。日本人であるわたしが何をおもしろいと思い何には驚かないかということに、気が付いている時もあれば気が付いていない時もあり、いつも日本人と日系人のアイデンティティを較べては明るく笑い飛ばす。手を動かしているより口を動かしている時間のほうが圧倒的に長い先生なので、なおのこといろいろな話が聞けて楽しい。話が長いから、30分ですむところの検診とクリーニングがいつも1時間半! でもその間、口を大〜きく開けているとき以外はずっと笑っていられる。お父さんの時代からたぶん50年くらい変わっていないと思われる、古いけれど清潔に保たれたレトロな待合室に座っていると、日系人がたくさん集まっていた50〜60年代にワープしたような感覚におそわれ、当時の風景を想像しながらいつまでも座っていたくなる。入り口のガラス扉にひらがなの縦書きで書かれた「おはいり」という文字も、行く度に笑ってしまうツイストなのだ。


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