Friday, June 28, 2013

サン・ロケ教会

そういえば中学の時に歴史で勉強した。南蛮貿易とか天正少年使節とか。そう、その天正少年が滞在したのがここだったんだって。バイロ・アルトのサン・ロケ教会。なんと、16世紀のことですよ。地震で崩壊してしまったファサードはのちに再建されたものだけれど、内部はほとんど当時のままだそう。モダン、と言っていいのかわからないけれど、比較的さらりとした外観と、華美な装飾で目を見張るようなゴージャスな内部との対比がおもしろい。まだ誰も海外旅行なんかしたことのないそんな遙か昔に、少年が、長く厳しい航海を経て、見たことも聞いたこともない異国の地に足を踏み入れ、どんな思いでこの教会の天井を見上げたのか。想像すると教会の見方もちょっと変わってくるよね。

外観。ね、わりと古っぽくないでしょ?
内部。天井まで見事な装飾
アズレージョも素晴らしい
黄金の間ですよ

エレベーター

思えばリスボンについて、何の予備知識も持たずに来てしまったなぁ。こんなエレベーター、初めて見ましたよ。バイシャ地区の真ん中に突然にょきっと立っている。そしてこれは、「低い」地域のバイシャから「高い」地域のバイロ・アルトへの、れっきとした交通手段なのである。外から見るとわかりにくいけれど、2つの箱が上下を行ったり来たりしている。もちろん地下鉄と同じ切符を使って乗車賃を払う。乗箱賃? 鉄を組んだレトロなエレベーターは1902年の建築で、設計はパリのエッフェル塔を造った建築士だというから、さらにビックリ。ワタクシ、完全にリスボン甘く見てました。もちろん観光客にも大人気で、てっぺんには展望台もあり、シーズン中は長い行列が出来るということ。地下鉄と同じように普段の交通に使っている人には、観光客の行列は迷惑な話だろうけれど。

街中ににょき、何かと思うよ
クラシックな手動のドア
レトロな内部。
つやつやした木製の壁に床はアズレージョ
展望台からリスボンの街並み
エレベーターを降りて、この連絡橋を渡ると、
「高い」地域バイロ・アルト
夜景もなかなか、ぎょっとします

リスボン・地面

リスボンは地面もかわいい。石畳にはめ込まれたさまざまな幾何学模様のデザインが、古いけれどとってもおしゃれだ。舗道はかなりがたがたで、馬車の時代とは違って現代の車は石畳用にはデザインされていないので、場所によってはかなり揺れる。ハイヒールなんかはひっかっかってしまって歩きにくいだろうし、雨に濡れれば相当滑りやすくなるはずだ。そしてこの旅の最後の日には、ワタシはスーツケースを転がして地下鉄の駅まで行くのかなぁ。あぁ、考えないようにしよう….

「集まる場所」ロシオ広場の地面は白い波と黒い波。
白はポルトガル、黒はブラジルを表しているそう。
今や、ポルトガルはブラジルの植民地かと言われるほど
勢力が逆転している両国だけれど、
友好的に重なる波になってもらいたいものです
リベルダージ大通りの舗道、カフェの床面。
イスがけっこうガタガタします
バイシャ地区のメイン・ストリート
上から見ると、幾何学模様がかなりかわいい。
入り口の地面に店名をはめ込んでいる店も

アズレージョ

リスボンのあちこちで見かける装飾タイルは「アズレージョ」と呼ばれる。素朴なものから芸術性の高いもの、教会や宮殿などにある戦いや狩りの様子を描いたアンティークものからヒップなレストランやバーで使われているようなデザイン性の高いモダンなものまで、ホント、ありとあらゆるタイル装飾がある。街を歩けば内装だけでなく外壁にもタイルを使っている建築物がたくさんあり、これは雨や湿気から建物を守り、内部の温度を涼しく保つ効果があるんだそう。高価だけれど、一度使ってしまえばペンキのように塗り替えたりする必要がないから、長い目で見れば安いんだ、というのはガイドをしてくれた学生さんの言葉だけれど、ポルトガルの「長い」って500年とかだからなぁ、果たして….

 乳製品を扱うレストランの壁に絵画のように掛けられたアズレージョ
レストランの入り口にも
これはオビドスの城門の内側を飾るアズレージョ
ファティマでは3人の子どもの前に
聖母マリアが現れるシーンがアズレージョに
バイシャ地区の教会の壁画
エレベーターの床
古い教会を改築したバイロ・アルトのビア・レストランでは
壁紙のようにアズレージョ。かなりお金がかかってると思われます
世界遺産ジェロニモス修道院の修道士食堂の装飾
アパートメント・ビルの表面全面に貼られたアズレージョ。
古いものだねぇ。
長持ちするから1回貼ればお金かからないって言うけど
かなり傷んでます
アルファマ地区住宅の壁面。ブルー一色
こちらの一般家庭はカラフルなタイル

リスボン・バイシャ地区

リスボンは「7つの丘の街」と呼ばれる起伏が激しい都市。古い石畳の情緒ある舗道は、あちこち坂道だらけで、リスボンっ子はエクササイズが必要ないかも。そんな都市の海に最も近くて一番低いエリアがバイシャ。「バイシャ」とは文字通り「低い」という意味だそう。

2500年という歴史を持つ、ヨーロッパで最も古い都市のひとつであるリスボンは、1775年に今で言うところのマグニチュード8の大地震に見舞われ(詳しくはコチラ)、それにともなう津波と火災で街のほとんどを失った。当時の有力政治家ポンバル氏の強いリーダーシップによって復興に取り組んだ街は、イスラムの影響を残す中世の迷路にように入り組んだ路地の構造をやめ、海に面したコルメシオ広場と、「集まる場所」という意味の当時の街の中心ロシオ広場に挟まれたエリアを、きっちり碁盤の目状に設計し直した。それがこのバイシャ地区。地震の復興からは200年以上たっているので、壁面など修改築がされているから注意してよく見ないとわからないけれど、だいたいどの建物もみんな窓の大きさや間隔、ドアの位置や高さなど基本構造が同じなのは、復興時に一斉にデザインされ一斉に建設されたからなんだって。街灯もメインストリートは六角形、サイドストリートは四角形、広場に面する通りは八角形と、きっちりとしたルールに従ってつけられている。そして黄色い壁が多いのは、当時黄色の塗料が一番安価だったからなんだそう。さすがに200年の間には、タイルを貼ったり色を塗り替えたりしている建物は多いけれど、黄色はそういう歴史からリスボンのシンボルカラーになっていったのだそうだ。

今もこの地区はリスボン一のにぎやかな繁華街。レストランやバーが軒を連ね、週末の夜はすごい人出だ。活気のある通りではストリート・ミュージシャンの演奏に合わせてダンスをする人たちも。リスボンっ子のパーティ・エリアなのである。

コメルシオ広場の典型的な黄色の建物。広場にはカフェが並ぶ
コメルシオ広場の壮大な凱旋門は、残念ながら改修中で見られない(涙)
「集まる場所」という意味のロシオ広場
六角形の街灯は、ここがメイン・ストリートであることを示す
朝っぱらから大道芸人もおシゴト中
王様の別荘があるシントラへ向かう汽車が出るロシオ駅
華美な装飾は、その昔は王様専用の駅だったからだそう

Thursday, June 27, 2013

ファティマ

ファティマは、スペインでいえばサンチャゴ・デ・コンポステーラ(行ったことはないけれど)に当たる、ポルトガルのカトリック巡礼の聖地。嬬恋のミュージック・フェスの会場みたいな(信者の人、ゴメンナサイ)とにかくだだっぴろいオープン・スペースは、30万人を収容でき、毎月13日、特に5月と10月の大祭には10万人もの巡礼者で埋め尽くされるのだそうだ。バジリカと呼ばれる高さ65メートルの鐘楼も、この広場にあってはそれほど大きく感じないから、大した広さである。第1次世界大戦中のある5月13日、3人の子供たちの前に聖母マリアが現れるとい奇跡が起こって、オリーブの木が点在するだけの荒れ地だったこのファティマが、人びとが奇跡を求めて祈りを捧げに訪れる聖地となったのだそう。第1次大戦中の話しだから、他のポルトガルの恐ろしく古い世界遺産の数々に比べると、うんと新しいと言える。今日のこの日もキャンドルを灯して祈る人びとが。本当ならバチカンなんかに思いを馳せるべきなんだろうけれど、ワタシにはなぜか、マレーシアはペナン島の極楽寺の風景が思い出された。あの数えきれないほどのランタンに照らされた巨大な仏教の聖地では、今日もたくさんの巡礼者が香を焚いて祈りを捧げているのだろう。アジアと違って、こちらの聖地の仲見世には食事の屋台は出てないけどね。

広場中央のキリスト像と、
高さ65メートルの鐘楼がそびえるバジリカ
バジリカを背に大ミサを行う舞台(というか祭壇ですね)があり、
そこから広場全体を見下ろすと、
まさに野外ロックコンサートかと思うような広大さなのだ
オープンエアのチャペルでは今この時もミサが行われている
別の場所では勉強会のようなことも行われている
ろうそくに火を灯し、祈りを捧げる人々
こんなモダンなキリストも
仲見世で売られているキリスト教のおみやげグッズたち

ナザレ

オビドスからナザレへ。大西洋に面したナザレはもともとは漁民の町だけれど、リスボンから近いので、夏は地元の観光客がどどっと押し寄せる一大リゾート地なっているのだそう。今日のビーチは、人影もまばらでなんとものどか。ケーブルカーで丘の上に上がると海岸線がずーっと見渡せて、それはそれは美しい眺めなのだそうだけれど、残念! ここも今日はストライキ。地元のレストランでいただいたランチは、ヘイクというタラの一種。バター・ムニエルは素朴な美味しさでした。

まばらながらも海水浴を楽しむ人々が。
ケーブルカーが動いていれば丘に上に行けるのだけれど。
ランチに立ち寄った地元のレストラン
家庭料理のような素朴な美味しさ、ヘイク。

ジンジャ

ポルトガル名物、ジンジャとよばれるお酒はさくらんぼのリキュール。発祥はオビドスだそうで、オビドスの町では、ダーク・チョコレートでできた小さいカップに入れて飲ませてもらえる。1杯1ユーロ。すごく甘くて、ちょっと風邪薬のシロップなみたいな味だけれど、お酒の香りが沁みたダーク・チョコレートはとっても美味しい。な~るほど、チョコレート・ボンボンってこういうところから来てるんだね。

オビドスの町の店先に並んだジンジャ
こんな風にして1杯1ユーロで売っている
全部飲まないとチョコレートのカップが食べられない
こちらはリスボンの立ち呑みバー。
リスボンではジンジャはショットグラスで。

オビドス

なんと、ポルトガルが全国的にストライキに入ってしまい、リスボンは公共交通機関や役所関係の機能が全部ストップしてしまった。おかげでみんなが自家用車で移動しようとするから交通渋滞もハンパじゃない。こういうことってヨーロッパにはよくあることなんだろうか。それで何か変わるの? 経済的には大きな損失だと思うんだけど。ま、とにかく今日は一日身動きがとれない。そんなわけで、急遽リスボンを脱出、フィールドトリップへ。

訪れた町は「谷間の真珠」と呼ばれるオビドス。リスボンから北に1時間、畑の中にひょっこり現れる、中世の城壁に囲まれた人口800人ほどのかわいい町である。町の始まりは12世紀に遡り、度重なる征服や戦いの歴史を繰り返したのちに、おとぎ話の舞台のような景観が観光地となり21世紀の今を生きている。カフェやおみやげ物屋が並ぶ町のメインストリートは、リスボンから一斉に到着した観光バスのおかげでやおら大変な賑わい。それでも人の波が去るとなんとものどかな静寂が訪れ、観光客の来ないシーズンには、きっとなぁ〜んにも起こらない日々があるのだろう。町を一望するには、階段で城壁の上に上がる。オレンジの瓦屋根と眩しい白壁の家並みのさらに先には水道橋や風車、うねるように広がる田園風景。40分くらいで町の外周を1周することが出来る城壁は、柵も何もないので狭いところは結構怖くて、どうしても壁に近い側を歩いてしまう。ブーゲンビリアやゼラニウムの花々が青い空と白壁に美しく映えて、もっと時間をかけてゆっくり散策したいのだけれど、観光客は時間が来たら去らなければならず残念だ。

白壁とオレンジの屋根の家々がおとぎ話のようにかわいい街並み
美しいポルトガルのタイル、アズレージョで装飾された
城内に入るゲート
鮮やかな花々で飾られた坂道の多い住宅街
ヨーロッパはどの町にも必ず教会がある。
こんな小さな町にも2つの教会。これはそのうちのひとつ
城壁の上から見渡す城外ポルトガルの田園風景
町のメインストリート
城壁に沿って歩く細い通路は片側が絶壁。
今まで落ちた人っていないのかしら