Friday, June 28, 2013

リスボン・バイシャ地区

リスボンは「7つの丘の街」と呼ばれる起伏が激しい都市。古い石畳の情緒ある舗道は、あちこち坂道だらけで、リスボンっ子はエクササイズが必要ないかも。そんな都市の海に最も近くて一番低いエリアがバイシャ。「バイシャ」とは文字通り「低い」という意味だそう。

2500年という歴史を持つ、ヨーロッパで最も古い都市のひとつであるリスボンは、1775年に今で言うところのマグニチュード8の大地震に見舞われ(詳しくはコチラ)、それにともなう津波と火災で街のほとんどを失った。当時の有力政治家ポンバル氏の強いリーダーシップによって復興に取り組んだ街は、イスラムの影響を残す中世の迷路にように入り組んだ路地の構造をやめ、海に面したコルメシオ広場と、「集まる場所」という意味の当時の街の中心ロシオ広場に挟まれたエリアを、きっちり碁盤の目状に設計し直した。それがこのバイシャ地区。地震の復興からは200年以上たっているので、壁面など修改築がされているから注意してよく見ないとわからないけれど、だいたいどの建物もみんな窓の大きさや間隔、ドアの位置や高さなど基本構造が同じなのは、復興時に一斉にデザインされ一斉に建設されたからなんだって。街灯もメインストリートは六角形、サイドストリートは四角形、広場に面する通りは八角形と、きっちりとしたルールに従ってつけられている。そして黄色い壁が多いのは、当時黄色の塗料が一番安価だったからなんだそう。さすがに200年の間には、タイルを貼ったり色を塗り替えたりしている建物は多いけれど、黄色はそういう歴史からリスボンのシンボルカラーになっていったのだそうだ。

今もこの地区はリスボン一のにぎやかな繁華街。レストランやバーが軒を連ね、週末の夜はすごい人出だ。活気のある通りではストリート・ミュージシャンの演奏に合わせてダンスをする人たちも。リスボンっ子のパーティ・エリアなのである。

コメルシオ広場の典型的な黄色の建物。広場にはカフェが並ぶ
コメルシオ広場の壮大な凱旋門は、残念ながら改修中で見られない(涙)
「集まる場所」という意味のロシオ広場
六角形の街灯は、ここがメイン・ストリートであることを示す
朝っぱらから大道芸人もおシゴト中
王様の別荘があるシントラへ向かう汽車が出るロシオ駅
華美な装飾は、その昔は王様専用の駅だったからだそう

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