Saturday, June 29, 2013

カステラ・ド・パウロ

リスボンに長崎のカステラを里帰りさせようとがんばっている日本人女性がいる。関西弁の元気で明るい智子さん。長崎でカステラ修行をしたというご主人のパウロさんと、カステラ・ド・パウロという可愛いカフェをコメルシオ広場のすぐ近くで経営している。ポルトガルから輸入されたと思われているカステラだけれど、実はポルトガルにはカステラという名前のお菓子はない。パォン・デ・ローと呼ばれる伝統的南蛮菓子が、日本で独自に発展してカステラになったと考えられているそうだ。ここカステラ・ド・パウロでは、パウロさんの作るパォン・デ・ローと長崎カステラの食べ比べが出来る。素焼きの器に入ったパォン・デ・ローは、表面は焼き色がついているけれど中はとろっと半熟状態。スプーンでふわっと食べるやわらか〜い生カステラのような感じだ。長崎カステラのほうは、食べ慣れてる文明堂や福砂屋のものよりちょっぴり重たい感じはするけれど、このしっかりとしたスポンジのしっとり感はまさに丁寧に作られた手作りカステラという感じ。どちらもそれぞれ特徴がはっきり分かれていて、甲乙つけがたい美味しさ。一緒に出される日本茶とともに、すごく満たされて幸せな味がする。世界中いろいろなところに日本人がいるけれど、こうしてリスボンにも情熱を持って頑固にやりたいことを通している女性がいる。リスボンはスリが多いから気をつけてね、と何度も注意してくれた智子さん。旅も最終日になって久しぶりに日本語を話したのだった。

パォン・デ・ローとカステラのセット
名付けて「食文化体験セット」はお茶がついて3ユーロ
間口の小さなお店だけれど、目を引く日本語が嬉しい
奥に広い店内は、リスボンカラーの黄色が基調

2 comments:

  1. Anonymous7/03/2013

    行ったのね〜智子さんのお店!
    リスボン紀行楽しませてもらいました。わたしもいつか行ってみたい〜

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    1. ふふ、J子が誰で、C子が誰で....とか気になったけど、聞かなかった。

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