Monday, January 7, 2013

マウナ・ケア

シカゴの今日の最高気温はマイナス1℃。はっきり言って、すごく寒い。そんなわけで、年末に訪れたハワイのお話。

ハワイ島最高峰、標高4200メートルのマウナ・ケアは、宇宙に1番近い場所と言われ、すばる国立天文台などがある世界有数の天体観測地。マウナ・ケアとは、ハワイ語で白い山という意味で、ハワイで唯一の降雪があり、白くなる頂は古代ハワイからの聖地とされている場所だ。

お昼にワイコロアの宿を出発し、約2時間かけてまずは2800メートル、山の中腹にあるオニズカ・ビジターセンターへ。夕食のお弁当をいただき、近くを散策して珍しい高山植物などを観察。標高4200メートルの山頂に向かうにあたって、ここでたっぷり時間をとって高地にカラダを慣らし、高山病を防ぐのだ。そして山頂に向かう頃にはちょうど夕陽の時刻となる。世界中の1日で、ほぼ最後に日の沈むハワイのサンセット。山頂付近は常に風が強く、乾燥した空気と強風が大気中に浮遊する塵などを吹き払ってくれるために、すばらしい視界が確保されるんだそう。空気の透明感が肌にひしひしと伝わる(ってか、空気が薄くてフラフラするって言ったほうがいいのかな?) おかげさまで晴天に恵まれて、雲海を金色に輝かせる夕陽が藍色の天空に変わっていく見事なグラデーションを見ることができた。遠く西の空にはマウイ島のハレアカラ山も見える。そして夕陽の反対側の空でも自然現象が起こっていて、日が沈んでも大気に夕日が当たっているため空がピンク色に見える、これがビーナスベルト。ビーナスベルトの下の日の当たっていないうすいグレーの部分が地球の影。日没後のわずかな時間だけ見られる現象なんだそうだ。う〜ん、勉強になる。

夕陽とビーナスベルトを観察した場所の少し先に、マウナ・ケアの本当の頂がある。でもここはハワイの人々の聖地なので、わたしが参加したツアーでは案内をしないそう。たくさん登っている人はいたけれどね。パワースポットと言ってしまうと安っぽいけれど、まるで宇宙のようなこの地球上の別天地には、何か聖なるものが宿っている、そんな感じはわかる気がするなぁ。

すっかり日が暮れると、2800メートル地点オニズカ・ビジターセンター付近まで山を下りて、今度は星空観測になる。澄んだ空気の中、見上げるとウソのような満天の星空。カシオペアとか北斗七星とか知ってる星座を探そうとするけれど、あまりにもたくさんの細かい星があるので、見分けがつかないよ〜。天体望遠鏡をセットしてもらい、ガイドさんのわかりやすい説明で、星座、天の川、流れ星、人工衛星などを見る。普段見ている夜空とはまったく別物。こんな空が見られることなんて、一生のうちに何度あるだろう。火山噴火による隆起でできた溶岩の大地と、地球の起源である宇宙とのつながり。ハワイ先住民がここを聖地として崇めた理由も納得できる。

今回お世話になったのは、マウナ・ケア専門にツアーを提供する太公望ハワイという会社の「サンセット&星空観測ツアー」 まるっきりハワイ人のように見えるけれど実は東京出身、というガイドのタカさん。その星に関する豊富な知識に感嘆するとともに、日没直後にツアー参加者の健康を幸福を祈って謳ってくれたハワイアン・チャントは、今も耳に残る素晴らしい響き。これからハワイ島に行く人にはお勧めのツアーです。

でも考えてみたら、この山頂、マイナス5℃だったんだよね。シカゴの寒さをしばし忘れるためにハワイを持ち出したはずだったのに、結局は寒い場所の話になってしまったのだ!

一番左がニッポンのすばる望遠鏡
遠くにうっすらマウイ島のハレアカラ
夕陽が雲海に沈んでいく瞬間
こちらがハワイアンの聖地、マウナ・ケアの頂
写真ではちょっとわかりにくいけれど、
空が白くなってるあたりの部分がビーナスベルト

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