Saturday, April 23, 2016

キルメイナム刑務所

キルメイナム刑務所は、ギネス・ストアハウスと並んで、ダブリンで最も人気のあるツーリスト・アトラクションのひとつだそうで、シカゴにいるアイルランド出身の友人からぜひ行くように言われていた場所。ビール・アミューズメントパークの脳天気なツアーとはうって変わって、ここでは、英国の支配下で搾取され苦しめられ続けたアイルランドの、激動の歴史を感じてちょっとしんみりとする。ここは、独立を目指して武装蜂起し、弾圧された、アイルランドのリーダーたちが収監され処刑された場所。現在はミュージアムとして公開されていて、ガイドツアーは独房や刑務所内に併設されたチャペル、要人が扱われた部屋、処刑場などを順にまわる。ここで教えてもらわなければ知り得なかったアイルランドの悲しい歴史に触れることができた。失敗には終わったものの、国民の独立への機運を高めるきっかけとなったイースター蜂起のリーダーたちがここで処刑されたのは、今からちょうど100年前の1916年。そして、そのリーダーたちが自国の独立を見ることなく命を落としたこの場所は、ダブリンの愛国者たちにとって聖地といってもいいんだそうだ。そんな場所に観光客がカメラを持ってドヤドヤと押し寄せちゃっていいものなのかなぁと思うけれど、セント・パトリックス・デーであれだけ飲んで大騒ぎする人たちの心の源にある、自らが戦って勝ち取った正義への誇りを垣間見たひとときだった。

現在は博物館となっているこの建物は、
映画の撮影にもよく使われるそうで、
そういえばなんとなく見たことがあるような気もする
広い吹き抜けの広場を囲んで、独房が並ぶ
独房内部
イースター蜂起の指導者のひとり
ジョせフ・プランケットの妻の独房。
アーティストだった彼女の残した壁画がある
処刑場の写真を撮るのはさすがに抵抗があり....
これは処刑場の広場を囲む高い壁。
石の重厚な造りが歴史の重さと相まって、言葉を飲み込んだ一瞬

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