Monday, October 21, 2013

ザ・アメリカン・バー

クラシックでオトナな、かっこいいバーである。1889年開業の老舗サヴォイ・ホテルにあるザ・アメリカン・バー。英国にあってなぜアメリカン・バーなのかというと、その理由はアメリカが禁酒法を施行した1920年代に遡る。カクテルの歴史には諸説あるらしいけれど、伝統的なカクテルの多くはアメリカで生まれ、禁酒法時代にアメリカのバーテンダーたちが世界に散ったことで広まったと言われている。そしてその中のひとりがロンドンに渡ったハリー・クラドックという人。サヴォイのチーフバーテンダーとなった彼はその独創的なアイデアと豊富な知識でカクテルの権威として認められるようになり、1930年には『サヴォイ・カクテルブック』というカクテルの背景にある文化を交えたカクテルレシピ本を出版、それは現在でも世界中で読み継がれる「バーテンダーのバイブル」なんだそう。禁酒法の時代、アメリカのお金持ちたちはそんな伝説のバーテンダーのお酒を飲みにロンドンのこのバーを訪れた。それで「ザ・アメリカン」 店内にはフランク・シナトラやチャールズ・チヤップリンなどこのバーを訪れた著名アメリカ人たちの古い写真が飾られ、フロアの片隅には、昔のお酒や手書きのレシピ、カクテルブックの初版本などの展示スペースも。メニューには当時から受け継がれているカクテルが名を連ね、中には1杯5000ポンドなんてお酒も(今のレートで換算したら10000ドル超ですよ!)誰が飲むんでしょうねと思うけれど、話しのタネに飲んでみるお金持ちとかいるんだろうね。そうそう、このバーのあるサヴォイ・ホテルの正面車寄せに通じる車道は、ロンドンで唯一の右側通行。お酒を飲みにはるばる海を渡ってやって来るアメリカ人を迎えた当時の習慣の名残りなんだそうだ。あぁ、お酒って文化なんだねぇ。

ジャズの生演奏を聴かせるクラシックで落ち着いたフロア。
革張りのチェアやソファが居心地よくて飲み過ぎちゃう。
でもここで飲み過ぎると、散財しますよ〜 要注意!
各種のスピリッツがずらりと並ぶ明るいバーカウンター
ケネディやシナトラの写真や、
直筆のレター、サインなどが飾られた展示スペース
ゴールデン・エイジの名残り、右側通行のホテル入り口

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