Monday, October 21, 2013

ウエストミンスター寺院

いくら弾丸でもひとつくらいは有名なランドマークを訪れようと、威風堂々言わずと知れたウエストミンスター寺院を見学した。別にクリスチャンというわけではないのだけれど、ワタシは意外と教会のような場所が好きで、旅先ではよくふらりと立ち寄るのだ。ふらりと迷い込んだ音のない冷んやりとした聖堂で、ちょっとだけ静かに瞑想する時間と空間は、せわしなく騒がしい普段の自分を省みる旅先でのいい機会になる。もちろんここはウエストミンスターであって、ふらりと立ち寄れる種類の場所でもなければ意外と好きな教会と同じレベルで語れるような規模のものでもないのだけれど。そして瞑想するというよりは、有無を言わさず渡される電話型録音ガイドを片手に日本語の解説を聞きながら、大量移動する観光客の波に混じって、まるで博物館を見学するかのように広大な寺院を歩いた。

それにしてもさすがここは天下のウエストミンスター。英国に君臨した13世紀くらいからの王様たちの柩が、厳粛ではあるけれども、それこそそこら中に祀ってあるのだ。そしてニュートンやダーウィン、ディケンズのような英国を代表する歴代の著名人たちのお墓やシェークスピアやルイス・キャロルなどの記念碑もゴロゴロ。ローマのパンティオンでそれがラファエロのお墓だよと言われた時もひぇっと思ったし、リスボンのジェロニモス修道院でバスコダガマの柩の横をさらっと通った時もホントかいなと思ったけれど、ここはその比ではなく、ここまですごいともう驚愕を超えてかえって笑っちゃうというか、こんなジーンズとスニーカーでバックパック姿の観光客が大勢で気軽に押しかけちゃって、王様たち的にはどうなんだろ。でもこれも時代なんでしょうね。英国としては観光収入は欲しいだろうし。エリザベス女王の言う開かれた王室というのがこういうことをも指しているのか、そのあたりご本人にちょっと聞いてみたかったりもする。ワタシたちのこの商業主義の時代が後の世でどう語られていくのか、誰も知ることができないのは残念だ。

エリザベス女王といえば、僧侶たちの参事会が行われるという、聖堂からちょっと脇にそれたところにあるステンドグラスが美しい円形のChapter Houseで、王位の軌跡の展示が行われていた。1952年、25歳で即位した彼女は在位61年。これって英国史上では2番目に長く、87歳の君主は英国史上最高齢だそう。ジェームズ・ボンドとともに登場したロンドンオリンピックでの開会宣言は記憶に新しく、今でも笑顔がかわいいステキなおばあちゃんだけれど、25歳の戴冠当時はホントに華やかでキレイだったのね。即位のパレードで女王をひと目見ようと沿道に何日も前からキャンプして場所取りする市民の興奮の様子や、式典に飽きてつまらない表情を見せる幼いチャールズ皇太子の微笑ましい写真など、今も昔も変わらず愛される王室の様子が市民の視点で構成された、とってもチャーミングなエキジビット。ウエストミンスター内部は撮影禁止なので、写真が撮れなくて残念でした!

外観の一部
どうやら中庭を囲む回廊での撮影はオッケーのよう
雨にけむる白亜の寺院と瑞々しい芝生の緑がキレイでした

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