Saturday, March 9, 2013

OZ

大好きな「オズの魔法使い」の前日譚とあれば見逃せないでしょ。「Oz The Great and Powerful」 ミュージカルになった「Wicked」同様、オズの国にドロシーがやって来る以前の物語。「オズの魔法使い」の中で大魔法使いと謳われながら、実は魔術なんか使えないただの気のいいおじさんのオズが、どうやってオズの国にやって来て、いかにハッタリを繰り返しながらGreat and Powerfulなウィザードとなったのか、というお話だ。この若き日のオズを演じるのはジェイムス・フランコ。旅のお供は背中に翼のあるサルのフィンリーと、オズに折れた足を治してもらう陶器でできた少女。後日ドロシーと共に旅をする事になる案山子の原形や、ライオンがなぜあんな臆病になってしまったのかと言うエピソードも織り込まれているし、イエロー・ブリック・ロードやエメラルド・シティ、マンチキンの市民たちもちゃんと存在し、「オズの...」が好きな人だったらどんどん入っていけるストーリー。物語の性質上、ふたりの悪い魔女には、変わり果てた姿の最後が待ち受けているわけだけれど、壮絶な戦いを経ても誰も殺されないってところは、今の時代の暴力への警鐘を反映していてよかったと思うのだ(いいぞ、ディズニー!)そして何しろコンピュータ・グラフィクスが圧巻。旅の途中の風景の数々も素晴らしいし、陶器の少女の表情と声も凄くいい。これだけは1939年の映画では味わえないので、ぜひとも大画面の3Dで楽しみたい。この作品にしろ「Wicked」にしろ、元にあるお話では脇役のキャラクターの人生が、別のお話として描かれたり、そこからさらに新たな物語が生まれたりというのは、基本となる「オズの魔法使い」がいかによく出来たお話で、いかに人々に愛されているかということ。というわけで「オズの魔法使い」も久しぶりにまた観たくなっちゃった。時代を経てますます深く楽しくなるOZの世界なのである。

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