Friday, March 15, 2013

アイリッシュ・ハープ

ふと立ち寄った近所のカフェJulius Meinlで、ステキなハープの生演奏に出会った。オーケストラで見るような通常のグランド・ハープよりひとまわり小さいアイリッシュ・ハープ。アイルランドの国章にも描かれ、古代ケルトの時代にも吟遊詩人がこの楽器を抱えて歌っていたそうで、イギリスからの厳しい支配と搾取や、飢饉によるアメリカへの大量移民、英語が話せずに社会の底辺に置かれた過酷な日々など、複雑な歴史をくぐり抜けて生きた民族の伝統の音色が、今ではこのアメリカの小さなカフェで人々の心を和ませているんだなぁ思うと、 テイクアウトするつもりがつい座り込んで聴き入ってしまった。


 繊細で優しく、心地よい響きであるとともに、アップテンポなリズムとシンプルでメジャーなコード進行は、ダンスにもピッタリきそう。さすがに夕方のカフェで踊っている人はいないけれど、これが夜もふけた満員のパブならば、ギターやバイオリン、アコーディオンなども加わって、賑やかな歌声と、アイリッシュのステップ・ダンスで盛り上がりそう….

と、ここまで書いて思い出したのだけれど、そういえば大量のアイリッシュ労働移民が乗船していた「タイタニック」 映画の中にも、そんな愉快な酒場シーンがあったような気がして、探してみたらありました、こちら↓  貧しい労働者階級の青年ジャックに惹かれて船底の酒場に足を踏み入れてしまう上流階級のローズが、ハメを外してジャックと踊り、ギネス(だと思う)をぐびぐび飲むシーン。音楽はフィドルとバグパイプでこの場合ハープは入っていないけれど、そうそう、こんな感じのリズムと旋律をハープの音色で繊細にしたら、まさに今日の演奏みたいになる。それにしても、16年も前の映画になっちゃうんだね。レオもケイトも若かった!

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