Saturday, December 28, 2013

柴又

別に寅さんのファンというわけでもないのだが、駅前に寅さん像のある柴又へ行った。『男はつらいよ』の舞台となった、下町情緒あふれる昔ながらの町は混み過ぎず静か過ぎずの、ほどよい賑わい。駅前から帝釈天へと続く参道には、ふらふらと入ってしまいそうになるキュートなお店や魅惑的な匂いを発する飲食店の数々が軒を連ね、一路帝釈天を目指すはずが、ついつい誘惑に負けて、天丼やだんごなどを食べてしまうのだった。

柴又駅前の寅さん像
帝釈天に続く参道
町のあちこちに寅さんが
映画の撮影にも使われていただんごや「とらや」
名物草だんご

帝釈天は江戸時代に建立された、厄除け、延寿、商売繁盛にご利益があると言われるお寺。寅さんもここで産湯をつかったんだそうだ。お参りを済ませ、けっこう広い本堂の裏側に回ると、大正時代後半から昭和初期に作られた素晴らしい木彫のレリーフの数々が保存された彫刻ギャラリーがある。庭園も素晴らしいとのことだったけれど、残念ながら今日はお休みで見学できなかった。

柴又帝釈天の境内入り口
精密な木彫のレリーフの数々は見事

帝釈天を抜け寅さんもよく歩いた江戸川の土手に向かう。川の向こうは千葉県松戸市。ここにあの有名な「矢切の渡し」がある。今でも手こぎの渡し船が行き来し、観光客にゆったりとした情緒たっぷりの時間をプレゼントしてくれる。川を渡った先に何かがあるかと思えばな〜んにもないので、船には乗らず江戸川べりをゆっくり散策することに。冬の晴天の日だまりと、23区内とは思えないようなのどかでゆったりとした時間が、いつもの喧噪を忘れられるひと時なのだ。

矢切の渡し。川の向こうは千葉県だ
観光客を乗せてのんびりと行き来する渡し船
のどかな冬の日の江戸川の土手

帰りは京成金町線の金町駅から都心へ戻る。京成金町線は金町、柴又、高砂の3駅しかない短い路線。もともとは人力の鉄道が帝釈天の参拝客を乗せて、柴又・金町間を往復していたんだそう。人がたくさん乗って重くなると、一人ではなかなか動かないので乗客も一緒に押していたとか。そんな風景は今ではもうないけれど、古き良き日本の下町の心を残す、葛飾区柴又ってそんな町なのだ。

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