Wednesday, July 2, 2014

半夏生

京都に「半夏生(はんげしょう)」という珍しい花を見に行った。夏至から11日目をちょうど夏の半分が過ぎた日として「半夏」と呼ぶそうで、今年はそれが7月2日。今日はちょうどその半夏に当たるのだ。そしてその頃に満開になるのが半夏生。観光で賑わう祇園花見小路のドン突きにある建仁寺に属する塔頭(たっちゅう)寺院「両足院」の庭園に群生する。京都府指定のこの名勝庭園は、半夏生が咲くこの時期にだけ特別に公開されるそうで、静けさと歴史の深さを感じられる寺院でゆっくりとお庭を散策。お庭に面した茶室「臨池亭」で抹茶とお菓子もいただいた。半夏生はドクダミ科の毒草で、花の咲くこの時期にだけ花に近い葉の一部が真っ白になる。葉が白く半分化粧したようでもあるから「半化粧」とも 呼ばれるんだそう。少し盛りは過ぎたのかもしれないけれど、庭園の大きな池の周りが化粧を施したように真っ白に染まり、梅雨時の瑞々しい緑の中に初夏の涼やかな風景があった。

ドクダミ科の毒草「半夏生(はんげしょう)」
池を取り囲むように群生する
庭に面してふたつのお茶室
お茶室「臨池亭」でいただいた和菓子はこちらも「半夏生」
小雨の中で青苔が瑞々しく鮮やか
眩しいほどの白砂と青松の「唐門前提」も涼やか

いつも7月4日のアメリカの独立記念日には、あぁ夏ももうこれで半分終わりだ~と思うのだけれど、今回この寺を訪れて初めて知った、夏の半分を意味する「半夏」という言葉。日本の季節を分ける七十二候のうちの雑節のひとつだそうで、シカゴとは全然タイプの違う夏ではあるが、京都もまた、この時期にだけ葉の一部を白くするという珍しい花とともに、梅雨まっ只中で夏が折り返しているのだ。

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