Sunday, February 8, 2015

9/11メモリアル・ミュージアム

未だに記憶に新しい2001年9月11日に起こったアメリカ同時多発テロ事件から13年。このグラウンド・ゼロに2年前に来た時には、ツインタワー跡地に出来たリフレクティング・プールと呼ばれる滝の広場に入るのにも、チケットを予約しセキュリティを通らなくてはいけなかった。現在は一般開放されて誰もが気軽に訪れることができるようになっている。建築中だったミュージアムも完成した。静かで粛々とした外の広場からは想像できない凄まじい世界が、地下の展示場には広がっている。

ミュージアムのデザインはとてもモダンで、とてつもなくたくさんの物や情報が時系を追ってわかりやすく整理され、なおかつダイナミックに展示されている。体験者の証言もたくさん集めていて、当時のことを振り返るのに十分過ぎるほどのリアルな内容構成。特に写真撮影が禁止になっているエリアの展示では、ツインタワーが崩壊した当時のことやテロの起こった背景の詳細な説明がされ、世界中のテレビで放送されたニュースの映像や、生存者、救助者、目撃者たちの証言を録音した音声も流れ、今まで見たこともなかったショッキングな画像などもあり、現場の悲惨さをそのまま伝えるものになっている。気が付くとワタシも涙が出ていて、途中で外に出たくなった人のために出口がいくつも設けてあるのがわかった。

事実を詳しく客観的に見せ、芸術的にも妥協しないというコンセプト。この悲惨な事件を次の世代に真っ直ぐに伝えることで、より良い未来を願う主催者のメッセージがよく伝わって、心を打つ素晴らしいミュージアムとなっている。13年前にここで命を落とした3000にも上る犠牲者の人たちの冥福を祈るとともに、この悲劇を忘れないために、すべての意見に耳を傾けすべてのディテールに気を配って、企画から制作に関わった有名無名の多くのプロフェッショナルひとりひとりにも、その努力と忍耐に称賛を贈りたい。

9/11の8時半。
2本のタワーがいつも通りに見える朝だったニューヨーク
体験者の人々の多くの証言が次々に現れる
ニューヨークのシンボルだった
ツインタワーのインフォメーション・ボード。
崩壊後ビルの7階分にもなったという
瓦礫の中から出て来たもの。
掘り出す作業も考えただけで気が遠くなるけれど、
これほどたくさんの遺品を
いったいどこにどうやって保管していたのだろう....
元の姿のまま展示されているビルの北側、
Vesey Streetの階段。
ここを通って逃げ切り助かった人たちがいる。
「Survivors’ Stairs」と呼ばれる
あちこちの壁に、
犠牲者の人たちの写真がプロジェクターで映し出される
広々とした空間に佇ずむ
廃墟に最後まで残っていたという鉄筋「Last Column」
ミュージアムの外、ツインタワー跡地にあるリフレクション・プール。
四方から滝の落ちる大きな池の慰霊碑には
あの日に亡くなった3000を超える人々の名前が。
所々、花の添えられた名前もある
新しくなって再び米国一の高いビルとなった
新ワールド・トレード・センター。
霧がかかって上まで見えないところが
なおさら悲しみを誘う

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